アメリカ留学 全米50州ガイド
カリフォルニア州とその大学の魅力
カリフォルニア州は、アメリカ西海岸の州で、その面積は日本の約1.1倍です。日本がちょうどスッポリ入るくらいの大きさですね。
カリフォルニア州の位置
北はオレゴン州、東はネバダ州とアリゾナ州、そして南はメキシコに接しています。西は太平洋に面し、美しい海岸線がずっと伸びています。
ロサンゼルス、サンフランシスコ、サンディエゴなど、日本人にも聞きなじみのある都市がいくつもあり、観光先としてとてもポピュラーな州です。留学先としても、カリフォルニア州は人気ナンバー1です。
留学生に大人気のカリフォルニア州。どんな大学があるのでしょうか。詳しく見てみましょう。
もくじ
1.カリフォルニア州とは
1-1.カリフォルニア州の成り立ち
1-2.カリフォルニア州のいま
2.カリフォルニア州のスポーツ
3.カリフォルニア州の気風
4.カリフォルニア州の大学について
4-1.UCLA
4-2.UCバークレー
4-3.スタンフォード大学
4-4.カリフォルニア工科大学
4-5.クレアモントの5大学
4-6.カリフォルニア州のコミュニティ・カレッジ
5.まとめ
1.カリフォルニア州とは

シエラ山で金を掘る人々
まずはカリフォルニア州の成り立ちを見てみたいと思います。
1-1.カリフォルニア州の成り立ち
カリフォルニア州は、1848年に始まったゴールドラッシュの後、ほどなくして1850年に31番目の州としてアメリカ合衆国に加わりました。東部から始まったアメリカ史の中では、比較的新しい州です。合衆国に加盟する前は、ヨーロッパ諸国やメキシコの支配下にありました。
ゴールドラッシュは、シエラネバダ山脈で金が見つかったことを契機とします。1849年には全米そして海外からも一攫千金の夢を求めた人たちがカリフォルニアに殺到します。彼らを49ersといいます。サンフランシスコに本拠地をかまえるアメフトのチームも、この名前を冠しています。
中国や日本からの出稼ぎ労働者もたくさんカリフォルニアにやってきました。19世紀の後半から20世紀の序盤にかけては、東アジアからの低賃金労働者への排斥運動も激しく、こうした「移民の問題」は、カリフォルニア州では古くて新しい問題となっています。

映画の都ハリウッド
20世紀初頭には、映画の都ハリウッドがロサンゼルスに誕生します。これを機にロサンゼルスではエンターテインメント業界が興隆していきます。温暖で晴れの日が多いという気候が、映画撮影に好まれました。
1-2.カリフォルニア州のいま

シリコンバレーのGoogle社
いまのカリフォルニア州は、シリコンバレーに代表されるハイテク産業が隆盛しています。GAFA(Google、Amazon、Facebook、Apple)のうち、Amazonを除く3社がカリフォルニア州に本社を置いています。またバイオテクノロジーをはじめ生命科学の分野も世界をリードしています。このエリアの大学に留学すると、シリコンバレーでのインターンシップのチャンスも得られます。
一方で、カリフォルニア州では農業も盛んです。とくにナッツ類や果物のメッカです。アメリカのブドウは、ほとんどがカリフォルニア産です。ワインで有名なナパバレーもこの州にあります。
もちろん観光業も、いまのカリフォルニア州を大いに盛り上げています。ロサンゼルス、サンフランシスコ、サンディエゴ、サンタバーバラ、ハリウッド、デスバレー、ホイットニー山、そして数々のビーチ・・・「観光地」と呼べる場所の数は、全米随一です。季節にかかわらず、国内外からたくさんの観光客がカリフォルニア州を訪れています。
カリフォルニア州に殺到しているのは観光客だけではありません。移民もそうです。19世紀からアジア系の移民が住んでいますし、中南米系の移民もたくさんいます。州南部ではスペイン語が日常的に使われています。人口の4割近くがヒスパニック系だといわれていて、人種の多様性はこの州を大きく特徴づけています。
カリフォルニア州の経済規模は、全米50州で1位です。世界の国と比べても、5位にランクされています。
2.カリフォルニア州のスポーツ

ロサンゼルスのドジャースタジアム
カリフォルニア州はスポーツが盛んな州として有名です。
NFLに所属するアメリカン・フットボールチーム、及びNBAに所属するバスケットボールチームは、カリフォルニア州だけでそれぞれ4チームもあります。またMLBのプロ野球チームに至っては、5チームもカリフォルニア州に本拠地を置いています。
大学スポーツもカリフォルニア州では盛んです。UCLAは、これまで400名以上のオリンピック選手を輩出してきました。
そのほかにも、MLSに所属するプロサッカーチームなどがあり、カリフォルニア州では年間を通してさまざまなスポーツ観戦が楽しめます。
3.カリフォルニア州の気風

ビーチを臨むサンタバーバラの夜景
カリフォルニア州は政策の面でもユニークな部分がたくさんあります。
たとえば、同性婚を認めていたり、大麻の使用も、医療目的からスタートして現在は一般使用を認めています。それゆえ「リベラルな州」といわれることが多く、どんどん新しい考えを取り込もうとする動きが多いのがカリフォルニア州です。
またカリフォルニア州は温暖で、晴れの日が多いため、ニューヨークに比べると、明るくて大らかな雰囲気があります。この暖かい気候が、留学先としての人気に一役買っています。
4.カリフォルニア州の大学について
カリフォルニア州の大学教育は国内外で評価が高く、州立・私立ともに知名度の高い大学がそろっています。留学先としてもとてもポピュラーです。代表的な大学をいくつか紹介しましょう。
4-1.UCLA

UCLA
UCLAは、日本でもとても知名度が高い州立大学です。「カリフォルニア大学ロサンゼルス校」(University of California, Los Angeles)の略がUCLAです。UCLAに留学したいという人はじつにたくさんいます(難易度・費用の面でかなりの狭き門ですが・・・)。
10の大学から成る「カリフォルニア大学システム」の1校で、同じシステムの旗艦校であるUCバークレーと共に、その名声を世界に轟かせています。
30,000人を超える学生を抱える大規模大学で、5,000以上の科目が開講されています。大学院レベルでのリサーチは世界の先端を行き、常にワクワクした研究が行われています。スポーツの強豪校としても有名です。
4-2.UCバークレー

UCバークレー
UCバークレー(University of California, Berkeley)は、10のキャンパスから成る「カリフォルニア大学システム」の旗艦校(メインのキャンパス)で、通称「Cal」といえばこの大学を指します。
全米の州立大学の中で、つねにベスト1の評価を受けているのがUCバークレーで、世界的な知名度の高さでいっても、UCLAに引けをとりません。留学生にとっても憧れの大学です。
サンフランシスコ湾を臨む広大なキャンパスでは、30,000人以上の学生が学んでいます。リベラルな気風で知られ、数多くの重大な学生運動の舞台としても、その名は世界に知られています。
「カリフォルニア大学システム」には、ほかにUCサンディエゴ、UCデイビス、UCアーバインなど、すぐれた大学がいくつもあります。UCの名を冠する大学は、大学院レベルの教育・研究にも力を入れていて、世界中からすぐれた研究者が集っています。
なおカリフォルニア州の州立大学には、23の大学から成る「カリフォルニア州立大学システム」もあって、これらの大学にはCalifornia State Universityという名がつきます。たとえばCalifornia State University, Los Angelesという大学もありますが、これはUCLAに比べるとレベルはかなり落ちます。ちょっとややこしいのですが、California State Universityシステムの大学は、州民であればそれなりに入りやすく、地域密着型です。
4-3.スタンフォード大学

スタンフォード大学
スタンフォード大学(Stanford University)は、カリフォルニア州で最も有名かつ、最も入るのがむずかしい私立大学です。
「シリコンバレー発祥の地」として知られ、IT分野での研究・開発は、世界の最先端を走っています。株式会社によって運営されているという特徴もあって、スタンフォード発のベンチャービジネスは、世界的なモデルとして注目の的になっています。スポーツの強豪校でもあります。
大学生でもリサーチに携わることが推奨され、この大学に留学すると、世界を変えるテクノロジーが生まれる瞬間に立ち会えるかもしれません。
4-4.カリフォルニア工科大学

カリフォルニア工科大学のパロマー天文台
「CalTech(カルテック)」の愛称で知られるカリフォルニア工科大学(California Institute of Technology)は、マサチューセッツ工科大学(MIT)と並び称される、世界トップレベルの工科大学です。
1,000人ほどの大学生と、1,300人ほどの大学院生が在学しています。この小さな規模で、世界の最先端を走るリサーチが日夜行われ、何人ものノーベル賞受賞者が教壇に立っているのは、ほぼ「驚異的」といっていいでしょう。
4-5.クレアモントの5大学

ポモナ・カレッジ
カリフォルニア州には、すぐれたリベラルアーツ・カレッジもあります。とくに有名なのが、「クレアモント・カレッジズ」(Claremont Colleges)と総称される、すぐれたリベラルアーツ・カレッジ5校です。これらの5校とは、
・クレアモントマッケーナカレッジ(Claremont McKenna College)
・ハーベイマッド大学(Harvey Mudd College)
・ピッツァーカレッジ(Pitzer College)
・ポモナカレッジ(Pomona College)
・スクリップカレッジ(Scripps College)
です。いずれの大学も規模が小さなリベラルアーツ・カレッジで、しかも全米的に有名な名門大学です。このうちの1つの大学に在学すると、他の4つの大学でも授業を受けられます。いずれの大学でも、寮に住んでいる学生が大半を占めます。
いずれも、すぐれたリベラルアーツ・カレッジです。充実した留学生活を送れることは間違いありません。5校それぞれの特徴を大まかに述べると以下の通りです。
・Claremont McKenna College:経済学、政治学、国際関係学に強い
・Harvey Mudd College:理工系
・Pitzer College:社会科学、行動科学に力を入れている
・Pomona College:クレアモント・カレッジズの中心的な存在。人文系に強い
・Scripps College:女子大
カリフォルニア州には、クレアモント・カレッジズ以外にも有名なリベラルアーツ・カレッジがあります。オバマ元大統領が学んだOccidental College、ビジネスの分野に特化したMenlo Collegeなどがそうです。
4-6.カリフォルニア州のコミュニティ・カレッジ
カリフォルニア州はまた、コミュニティ・カレッジ(二年制の公立大学)のメッカでもあります。
コミュニティ・カレッジの特徴は大きく5つあります。
・地域密着型であること
・学費が安いこと
・高卒であればだれでも入れること
・働きながら通っている成人学生が多いこと
・職業訓練に力を入れていること
つまりコミュニティ・カレッジは、日本の普通の短大とはまったく異なります。これは注意すべき点です。
学力的・経済的に四年制大学に入学するのがむずかしい場合、まずコミュニティ・カレッジに入学して、2年後に四年制大学の3年生として編入する、という進学方法があります。カリフォルニア州はとくに、この進学ルートがよく整っていて、四年制の州立大学にはコミュニティ・カレッジから編入してきた学生がたくさんいます。
ただカリフォルニア州のコミュニティ・カレッジは、留学生にはそれなりに高い学費を設定しています。また寮がない場合がほとんどで、アパート暮らしを余儀なくされ、家賃や交通費などで思わぬ出費が生じます。カリフォルニア州のコミュニティ・カレッジは留学先として人気がありますが、この点は注意しておきたいところです。
5.まとめ
カリフォルニア州は、地理的に日本に近く、聞きなじみがある都市がいくつもあって、また気候が温暖であることから、留学先としてはとても人気の高い州です。
一方で、物価、生活費、学費がとても高いというのはデメリットです。語学留学のメッカでもあり、あちこちで日本語を耳にします。外食したり遊んだり、お金をつかう機会も何かと多いのがカリフォルニア州です。
カリフォルニア州の大学への留学を検討するにあたっては、以上のことを踏まえて、東部や中西部などの大学とも比較するといいでしょう。
記事中の大学をチェック
» UCLA
» UCバークレー
» スタンフォード大学
» カリフォルニア工科大学
» クレアモントマッケーナカレッジ
» ハーベイマッド大学
» ピッツァーカレッジ
» ポモナカレッジ
» スクリップカレッジ
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