アメリカ留学 全米50州ガイド
ニューメキシコ州とその大学の魅力

ギラギラした太陽と赤い岩だらけの州、ニューメキシコ州といえば、どうやらそのようなイメージを抱かれることが多いようです。

ニューメキシコ州
ニューメキシコ州の位置

たしかに年間340日以上が晴天に恵まれる、といわれるほど、ニューメキシコ州には陽の光が降りそそいでいます。

このページでは、そんなニューメキシコ州と、ニューメキシコ州の大学について説明します。アメリカの南部やヒスパニックの文化や言語に興味がある人は、ぜひ参考にしてください!



1.ニューメキシコ州とは


1-1.ニューメキシコ州の地理

ニューメキシコ州の自然保護エリア

ニューメキシコ州の自然保護エリア

ニューメキシコ州は、アメリカ南西部にある四角いかたちをした州です。面積は全米50州のうち5番目に大きく、日本よりも少し小さいくらいです。

北をコロラド州、西をアリゾナ州、東をオクラホマ州とテキサス州に接し、南はテキサス州とメキシコとの国境に接しています。土地のほとんどが標高1,200メートルのところにあります

隣接した州を結ぶ州間高速道路など、ニューメキシコの道路をドライブしていると高く大きなゴツゴツとした岩山やサボテンが随所に見られ、広大な土地と地平線が広がり、壮大な自然がとても身近に感じられます。

ニューメキシコ州の地形

ニューメキシコ州の地形

一方で、州北部は緑に覆われていて、州内には5つの国有林があります。州の面積のうち11%は森林です。

南のほうは九州南部と同等の緯度で、太陽が大きく見えます。冬は高地では氷点下になることもありますが、基本的に暑いか暖かい日が多く、自然災害も少ない州です。


1-2.ニューメキシコ州の成り立ち

サンタフェにあるアメリカ最古の教会建築

サンタフェにあるアメリカ最古の教会建築

ニューメキシコ州がアメリカ合衆国に正式な州として加盟したのは1912年です。

かつてはネイティブ・アメリカンと呼ばれる先住民族が住んでいましたが、16世紀半ばには黄金を求めてスペイン人が探検、入植をはじめ、州の名の通り「新しいメキシコ」と呼ばれるようになります。

州都であるサンタフェは1607年にスペイン人によって建設されました。アメリカの独立宣言が1776年ですから、それよりもずっと古くからあった歴史ある街です。1848年のアメリカ・メキシコ戦争によってカリフォルニア州とともにメキシコからアメリカ合衆国に割譲され、47番目の州となりました。


1-3.ニューメキシコ州の人種

ニューメキシコ州、アリゾナ州、コロラド州、ユタ州が交接する地点

ニューメキシコ州、アリゾナ州、コロラド州、ユタ州が交接する地点

ヒスパニック系の人が州の人口の半数を占めていて、ネイティブ・アメリカンの人たちも比較的多く住んでいます。

もともとスペイン人が入植したところですし、ヒスパニック系の住民も多いので、スペイン語が普通に通じる州です。とくに南部の国境近くのエリアでは、スペイン語しか話せないなんていう人もたくさんいます。そして彼らも、誇りをもってスペイン語を話しています。

カリフォルニア州、テキサス州と並んでニューメキシコ州での選挙では、英語とスペイン語の両方で選挙活動を行うことも常識となりつつあります。


2.ニューメキシコ州の経済

ニューメキシコ名物、ソパピーヤ

ニューメキシコ名物、ソパピーヤ

ニューメキシコ州の経済はさまざまな業種によって支えられています。

石油、天然ガスなどの鉱業や、政府関連の分野は州経済を支える主要な産業です。

アメリカで最初の原子爆弾の開発研究所で、広島に投下された原子爆弾が製造されたといわれているロスアラモス科学研究所は、今日もアメリカ屈指の原子力分野での研究所として知られています。

日本人も多く訪れる「白い砂漠」として有名なホワイトサンズは、ミサイル発射場や航空機の開発、試験場として知られています。自然現象でできた白いサラサラの土がある砂漠地帯は、これまでの軍事産業との密接な関係から、原子爆弾テストが原因でできあがったなんて噂もあるほどです。

世界有数の規模の大きさを誇るカールスバッド洞窟群国立公園の洞窟や、アルバカーキ市で毎年行われるバルーンフェスタなどには、国内外から毎年何十万人もの観光客が訪れ、ニューメキシコ州の観光業に大きく貢献しています。

宇宙関連事業にも深くかかわっており、「スペースポート・アメリカ」は商業目的の宇宙旅行の拠点として期待されています。

南東部の小さな町、ロズウェルは1947年にUFOが墜落した街として有名で、宇宙やUFOが好きな観光客が訪れています。

メキシコ国境に近いため、食べ物もメキシコの影響を受けています。あまりに食の文化が違いすぎてアメリカ北部から来た人は驚くようなこともあるそうです。とくにニューメキシコ流にアレンジされたメキシコ料理のタコスやブリートなどは「New Mex」料理として知られており、隣の州、テキサス流にアレンジされた「Tex-Mex」料理と比較されることもあります。


3.ニューメキシコ州と日本の関係

アルバカーキの郵便局

アルバカーキの郵便局

日本との関係も意外に深いのがニューメキシコ州です。

1800年代後半には、鉱山や鉄道での労働のために日本人が入植し始めたといわれています。

その後、第二次世界大戦などを経て、現在は日米協会や姉妹都市提携をしている日本の都市が学術、文化交流などを進めています。

ニューメキシコ州の日本人の多くはアルバカーキ市に住んでいるようです。しかし、数としてはコロラド州やテキサス州に比べて少なく、観光客以外には日本人を見かけることはそんなにありません。


4.ニューメキシコ州の大学について

ニューメキシコ州には、その面積の割には大学はそんなにありません。また州立大学がほとんどです。ここでは3校だけ紹介しましょう。


4-1.ニューメキシコ大学

ニューメキシコ大学

ニューメキシコ大学

ニューメキシコ州を代表する州立大学がニューメキシコ大学(University of New Mexico)です。

2万人近くの学生が学ぶ規模の大きな大学で、選べる専攻分野も100近くあります。中でもビジネス、健康科学、心理学の分野が人気です。

ヒスパニックのための教育機関としての役割もあり、学生の半数ほどをヒスパニック系が占めます。また9割ほどが州内出身の学生たちです。

学費の安さは魅力の1つですが、規模が大きいだけに教授から親身な指導を受けにくいという面もあります。


4-2.ニューメキシコ工科大学

キャンパスに山脈の一部を含むニューメキシコ工科大学(New Mexico Institute of Mining and Technology)は、州立の工科大学です。もともとは鉱山発掘のための専門大学として設立されました。

機械工学、石油工学、電気工学といった分野が人気で、最近ではコンピュータを学ぶ学生も増えています。

勉強熱心な学生が多く、合格するのもなかなかむずかしい大学です。学生の7割ほどが男子です。ニューメキシコ大学と同じく学費が安いのは魅力です。半数ほどの学生が寮生活を送っています。


4-3.セント・ジョンズ・カレッジ

セント・ジョンズ・カレッジ(St. John's College)は、とてもユニークかつレベルの高いリベラルアーツ・カレッジです。

いわゆる「専攻」を設けず、“Great Books”と呼ばれる古典を読み、授業でディスカッションするというスタイルで4年間のカリキュラムがつくられています。

古典は、プラトン、ユークリッド、ダーウィン、ニーチェ、シェイクスピア、アインシュタインなどで、学生たちは読書とディスカッションを通じて、まさに「知の冒険」を歩んでいきます。最もリベラルアーツらしい教育といえるかもしれません。

学生たちは読書好きで知的好奇心が旺盛です。全米でも有数の勉強熱心な学生がこの大学に集まっています。学生の9割近くが寮生活を送っています。


以上、ニューメキシコ州とニューメキシコ州の大学を紹介しました。留学先としては見逃されがちな州ですが、スペイン語や中南米の文化に興味があるという人は、ぜひニューメキシコ州の大学にも目を向けてみてください!


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