アメリカ留学 全米50州ガイド
バージニア州とその大学の魅力

バージニア州はアメリカ合衆国の東海岸側、首都ワシントンDCに隣接する三角形の形をした州です。面積は北海道の1.2倍ほどで、ワシントンDC以外にも5つの異なる州と接し、大西洋にも面しています。

バージニア州
バージニア州の位置

教育レベルは高く、州立大学・私立大学ともにすぐれた大学がいくつもあります。
ワシントンDCに接していることがこの州を大きく特徴づけていて、ワシントンDCの公共施設でのインターンシップの機会が豊富にあります。

そんなバージニア州と、バージニア州の大学について、詳しく解説しましょう。



1.バージニア州の成り立ち

地理的にも歴史的にもアメリカ南部に位置するバージニア州。イギリスから最初に独立した13州のうちの1つです。

アメリカ独立戦争や南北戦争の中心となった土地でもあり、アメリカの歴史上、最も重要な州といえます。州内には史跡が数多くあり、アメリカ史好きなら一度は訪れたい! と思う州です。

1-1.豊かな自然と温暖な気候

バージニア州は日本のように四季があり、温暖な気候で暮らしやすい州です。州内には、シェナンドー国立公園や、ブルーリッジ山脈などがあり、その自然豊かな情景は有名なアメリカ民謡やポピュラーソングでも歌われています。

州の約65%が森林で覆われているため、多くの野生動物も生存しています。田舎の道路では、野生の鹿などに遭遇することも少なくありません。


1-2.アメリカ政治の中心地

アメリカ国防総省(ペンタゴン)

バージニア州はアメリカの首都ワシントンDCに隣接しているため、州北部にはいくつもの連邦政府機関があります。

たとえば、「ペンタゴン」(The Pentagon)の通称で知られるアメリカ国防総省の本部はバージニア州アーリントンにあり、CIA(アメリカ中央情報局)はバージニア州マクレーンにあります。

CIAは通称「ラングレー」と呼ばれることもありますが、それはCIA本部がある地域が、もともとラングレーという地名で知られていたためです。ちなみに、国防総省がペンタゴンと呼ばれるのは、その本部の建物が五角形(pentagon)の形をしているためです。

州北部には、ほかにも防衛関係や安全保障関係で政府と関係がある企業が多くあり、そこで働く技術者や専門職に就く人の数の多いことでも知られています。この地域はワシントンDCと地下鉄で結ばれているエリアが多く、首都のベットタウンにもなっています。


1-3.「大統領の州」

バージニア州は、初代大統領のジョージ・ワシントンをはじめ、歴代8人の大統領の出身州で、他のどの州よりも多くの大統領を輩出していることから“Mother of Presidents”(「大統領の母」)ともいいます。


1-4.日本との縁

バージニア州には、古くから日系企業も多く進出し、日本とも関係が深い州です。

2013年の統計では、州内に進出している外資系企業は日本が128社で第1位になっています(経産省より)。

首都の空の玄関口でもあるワシントン・ナショナル空港やダレス国際空港もバージニア州内にあり、アメリカ国内の主要都市や日本からのアクセスも抜群です。


2.バージニア州の代表的な都市

リッチモンド

バージニア州の人口は830万人ほどで、州都はワシントンDCから車で2時間ほど南下した内陸部にあるリッチモンドです。また、人口最大の都市は州の南東端にあるバージニアビーチです。

これら2都市は、それぞれ雰囲気も異なりユニークです。

2-1.リッチモンド

州都リッチモンドは、街のいたることころに歴史的建造物や史跡が残る、アメリカ史に深くかかわりのある街です。

奴隷制度を存続するかどうかで北と南の間に起った南北戦争では、南部連合の首都が置かれていた街としても知られています。州内の商業や工業の中心地でもあり、現在はタバコや化学、薬品などの産業が盛んで、近年は全米有数のバイオテクノロジー研究基地としても発展しています。

2-2.バージニアビーチ

バージニアビーチ

バージニア州第1の都市、バージニアビーチは、その名の通り東海岸きってのビーチリゾートで、観光業が盛んな街です。大西洋岸の約60キロのビーチは、世界で最も長いビーチとしてギネスブックにも登録されています。

2-3.ノーフォーク

また、バージニアビーチに隣接するノーフォークは州第2の都市で、世界最大の海軍基地であるノーフォーク海軍基地があります。軍事都市として発展してきた歴史があり、軍艦を建造する造船業でも有名です。日本では「ペリー来航」で有名な黒船も、このノーフォークから出航したといわれています。

3.バージニア州に留学するメリット

バージニア州は、住民の教育水準が全米トップレベルといわれています。大学も例外ではありません。准学士・学士・修士取得率も高く、日本での知名度はそれほど高くない大学も多いですが、アメリカ屈指の歴史ある名門校がひしめいています。

3-1.ワシントンDCに近い

ワシントンDC

首都ワシントンDCへのアクセスがよいため、政治や国際関係に興味がある学生にとっては大きなメリットがあり、留学先としておすすめです。

ワシントンDCは、国内外の政治の中心地でもあり、ホワイトハウスや議会、世界的に名高い研究所や国際機関が集まっています。

バージニア州の大学では、その好立地を生かして首都の公共機関でインターンシップをする学生もたくさんいます。また、政治団体や国際機関が主催する一般向けイベントに参加したり、学内で政府高官のスピーチを聞く機会にも恵まれています。実際にある留学生は、大学3年時に上院議員のもとでインターンシップをして、その最中に大統領就任式に参加するチャンスを得ていました。

3-2.喧騒から離れられる

ワシントンDCのような大都市へのアクセスがよい一方で、バージニア州の大学の多くは、日本でいう「ど田舎」にあります。

大きめの都市にある大学でも、キャンパスは街の喧騒と無縁な郊外にあることが多く、勉強するにはうってつけの環境です。普段は勉強に打ち込み、休み中は近隣で羽を伸ばす、というメリハリのある留学生活が可能です。

4.バージニア州の大学

バージニア州の大学の特徴は、多様性豊かなアメリカを象徴するような、 バラエティに富んだユニークな大学が数多くあることです。

バージニア大学(University of Virginia)を代表とする名門大学はもちろん、理系の名門校、全米に3校しかない男子大学、世界最大のキリスト教系大学、黒人系の大学や、全米最古の州立士官学校まで、じつにバラエティ豊かな大学のオンパレードです。

では、バージニアを代表する大学やユニークな大学をいくつか紹介しましょう。

4-1.バージニア大学

バージニア大学のロタンダ

バージニア大学(通称UVA)は、アメリカ建国の父であり、独立宣言の起草者で、第3代大統領でもあるトーマス・ジェファーソンによって1819年に創立された由緒ある大学です。

アメリカの州立大学の中でも指折りの名門校で、パブリックアイビー(名門州立大学の総称)の1つです。西海岸のUCLAやUCバークレーと比べても決して劣りません。

時代を牽引するリーダーを育てるという建学の精神の通り、これまでに多くの政治家や著名人を輩出しています。現在は11の学部があり、学部生が約16,000人、大学院生が約6,500人と規模が大きいのは州立大学ならではです。一方で、提供されるクラスの半数以上は学生数20人以下の小規模クラスで、勉強に励むには最適な環境が整っています。

またバージニア大学は、ジェファーソンの邸宅などが残っているモンティチェロとあわせて、世界遺産に登録されていることでも知られています。キャンパスの中心には、ジェファーソン自らによって設計されたロタンダという円形の図書館があり、大学の象徴になっています。世界遺産のキャンパスで勉強に励むというのもいい経験ですね。

4-2.ウィリアム&メアリー大学

ウィリアム&メアリー大学

バージニア州の南東部には、名門州立大学のウィリアム&メアリー大学(College of William and Mary)があります。1693年創立で、アメリカではハーバード大学に次いで2番目に古い歴史をもつ大学としても有名です。

これまでに3人のアメリカ大統領を輩出している伝統ある大学で、バージニア大学と同じくパブリックアイビーの1校です。学生数が約6,000人で州立大学としては小規模ですが、少数精鋭のリベラルアーツ・カレッジと、研究に力を入れる大規模な総合大学の両方のよいところをあわせもつ大学です。

大学があるウィリアムズバーグは、18世紀のイギリス植民地時代の街並みが再現されている観光地としても有名です。「生きた博物館」と呼ばれ、植民地時代の洋服を身につけた人が当時の生活を再現していて、18世紀にタイムスリップしたような気分になれるユニークな街です。

4-3.ワシントン&リー大学

バージニア州西部に位置するレキシントンという街にあるのは、1749年創立のワシントン&リー大学(Washington and Lee University)です。アメリカ初代大統領のジョージ・ワシントンと、南北戦争で南部連合を率いたロバート・リー将軍の名前をとった歴史ある名門リベラルアーツ・カレッジです。

日本ではあまり知られていませんが、「南部のハーバード」「ヒドゥン・アイビー(隠れたアイビー)」とも呼ばれる名門大学です。学生数は約2,000人と小規模で、少人数制のきめ細かい指導が徹底されています。学生による自治の意識が高く、学生たちの自由意思が尊重されています。アメリカで初めてジャーナリズムの課程を設けたことでも有名です。

4-4.バージニア工科大学

バージニア州南西部のブラックスバーグという小さな街にあるのは、バージニア・テック(Virginia Tech)の愛称で知られる理系の名門大学、バージニア工科大学(Virginia Polytechnic Institute and State University)です。ブラックスバーグは人口の6割が大学生という大学街で、約30,000人の学生が在籍しています。

理工系学部や建築学はとくに定評があり、学生が卒業後即戦力として活躍できるように、学内に最新鋭のテクノロジーや研究設備を完備しています。ITの分野は全米トップクラスで、スーパーコンピュータや自動運転車、AI(人工知能)のなどの技術開発のため、積極的に企業と連携し、多額の研究資金を得ていることは特徴的です。

4-5.リッチモンド大学

リッチモンド大学

州都リッチモンドには、リッチモンド大学(University of Richmond)という私立の名門リベラルアーツ・カレッジがあります。

1992年に全米初のリーダーシップ学という分野で学位が取得できる学部を創設したことでも有名な大学です。夏期のインターンシップか、教授の指導のもとによるリサーチ・プロジェクトに従事することで、最大4,000ドルの報酬を得られるプログラムも好評です。

5.バージニア州のユニークな大学

バージニア州には個性的な大学がいくつかあります。留学先としての魅力はともかく、アメリカの大学の多様性がうかがえます。

5-1.黒人系の大学

ノーフォーク州立大学

アメリカには、Historically Black Colleges and Universities(通称HBCU)といって、黒人への大学教育を目的に設立された大学がいくつもあります。

とくに南部にはHBCUが多く、バージニア州には
ノーフォーク州立大学(Norfolk State University)
バージニア州立大学(Virginia State University)
ハンプトン大学(Hampton University)
など、複数のHBCUがあります。これらの大学は現在でも学生の9割以上が黒人系で、アメリカの大学の中でもユニークな存在です。

5-2.リバティ大学

バージニア州の真ん中に位置するリンチバーグという街にあるのは、世界最大規模の保守派キリスト教系大学として知られるリバティ大学(Liberty University)です。トランプ大統領が大統領就任後初めて卒業演説した大学でもあります。

5-3.男子大学

リバティ大学があるリンチバーグから車で1時間程のハンプデン・シドニーという小さな街にあるのは、今は全米に3つしかない男子オンリーの大学、ハンプデン・シドニー大学(Hampden-Sydney College)です。全米で10番目に創立された歴史あるリベラルアーツ・カレッジで、約1,100人の男子学生が学んでいます。

5-4.軍事学校

ワシントン&リー大学と同じ州西部のレキシントンにあるのは、国内最古の州立士官学校、バージニア州立軍事学校(Virginia Military Institute)です。アメリカの軍士官候補生を養成する特殊な大学ですが、リベラルアーツ教育にも重点をおいていて、学生は軍事知識や技術に加えて、一般的なリベラルアーツ・カレッジと同じ課程を学びます。アメリカでは、国家や社会に奉仕することは美徳であり、子どもが士官学校に入ることは親にとっても誇らしいことです。


これらの個性的な大学はどれも日本人には馴染みがなく、留学生もあまりいない大学ですが、国内では一定層のファンがいて、需要があるという意味では、アメリカ社会をよく映し出していると思います。


バージニア州には、ほかにもレベルの高い小・中規模の大学がたくさんあり、勉強に専念できる環境が整っています。アメリカに留学したいけれど、広すぎてどの州がよいか分からない、という人は、ぜひバージニア州を検討してくださいね!


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