アメリカ留学 全米50州ガイド
オハイオ州とその大学の魅力
アメリカの中西部にあるオハイオ州は、1803年にアメリカ合衆国の一部になりました。「アメリカの東と西を結ぶ州」として、おもに製造業と農業で発展してきましたが、教育レベルは非常に高く、魅力的な大学がたくさんあります。
オハイオ州の位置
そんなオハイオ州と、オハイオ州の大学について詳しく解説しましょう。
もくじ
1.オハイオ州とは
1-1.オハイオ州の地理
1-2.オハイオ州の政治・経済
2.スポーツが盛んなオハイオ州
3.ミシシッピ州の大学について
3-1.オハイオ州立大学コロンバス校
3-2.ケースウェスタンリザーブ大学
3-3.マイアミ大学オックスフォード校
3-4.オーバリン・カレッジ
3-5.ケニオン・カレッジ
1.オハイオ州とは
まずはオハイオ州の特徴について、その地理から見ていきましょう。
1-1.オハイオ州の地理

シンシナティ
オハイオ州には、州都であるコロンバスをはじめ、五大湖の1つであるエリー湖に面したクリーブランド、州の南にありケンタッキー州に接するシンシナティ、トレド、デイトンなど、アメリカの経済に重要な役割を果たしている中堅都市がたくさんあります。これらの市は州間高速道路71号で結ばれ、州の全域にわたって都市がバランスよく分散されているため、「都市の星座」と称されることもあります。
またオハイオ州には国際空港が5つあるほか、イリノイ州の大都市シカゴ、ミシガン州のデトロイト、ペンシルバニア州のピッツバーグ、インディアナ州のインディアナポリスなど、隣接した州の主要都市からのアクセスがよいことは中西部でも随一です。またシダーポイントやキングスアイランドといった、全米最大規模の遊園地がいくつかあって世界中から観光客を集めています。
1-2.オハイオ州の政治・経済

エリー湖を臨むクリーブランド
オハイオ州の経済規模は全米で7位、これはアルゼンチン1国よりも大きいくらいの規模です。
日本の有名企業の工場もたくさんあり、日本経済とも深い関係を築いています。埼玉県と姉妹提携を結んでいるほか、州内のいくつかの街が日本の自治体と姉妹都市になっています。
オハイオ州は政治的にもユニークな役割を果たしています。
赤が党カラーの共和党と青が党カラーの民主党の決戦になる大統領選において、オハイオ州は毎回だれが勝つのか予測できないので、(赤と青の真ん中の色である)「パープル(紫)の州」として知られています。そのため、大統領候補者がたびたび訪れる州です。
2.スポーツが盛んなオハイオ州
オハイオ州はスポーツチームが非常に多いことでも有名です。
バスケットボールリーグ(NBA)には「超」有名なレブロン・ジェームズ選手が所属するクリーブランド・キャバリアーズ、野球のメジャーリーグ(MLB)ではシンシナティ・レッズ、アイスホッケーのリーグ(NHL)にはコロンバス・ブルージャケッツ、サッカーリーグ(MLS)のコロンバス・クルー、そしてアメリカン・フットボールリーグ(NFL)に所属するシンシナティ・ベンガルズ、クリーブランド・ブラウンズがあります。
チーム名を見てもわかるように、これらのスポーツチームは各々異なる中堅都市に本拠地があり、オハイオ州全体でスポーツ産業を盛り上げています。
3.オハイオ州の大学について
オハイオ州は教育レベルが非常に高い州です。州立・私立、大規模・小規模にかかわらず、すぐれた大学がたくさんあります。いくつか代表的な大学を紹介しましょう。
3-1.オハイオ州立大学コロンバス校

オハイオ州立大学
まず、オハイオ州の州立大学を代表するのが、オハイオ州立大学コロンバス校(The Ohio State University)です。5万人近くの大学生が学ぶマンモス大学です。OSUと略称されます。州都でもあるコロンバスは屈指の大学街で、大学生が充実した生活を送れることで全米に知られています。
合格率は50%ほどですから、かなりの難関校です。オハイオ州だけでなく、他州そして海外からも学生が集まってきます。ビジネス、生物学、コンピュータ、農業などの分野はとくに評価が高く、大学院では教育学の分野に定評があります。
オハイオ州立大学の知名度が高いのは、毎年全米にテレビ放送されるアメリカンフット・ボールの試合の影響でもあります。強豪リーグ「ビッグ10」に所属するオハイオ州立大学バッカイズは、赤がチームカラーで、ライバルのミシガン大学とつねにリーグ優勝を争っています。ちなみにバッカイは植物のことで、州の植物としても知られています。このスポーツチームは州全体から愛されています。
陸上選手のジェシー・オーエンスやゴルファーのジャック・ニクラスをはじめ、たくさんのすぐれたアスリートが、この大学から巣立っていきました。
3-2.ケースウェスタンリザーブ大学

ケースウェスタンリザーブ大学
オハイオ州立大学よりアカデミックの分野でさらに高い評価を受けているのが、私立のケースウェスタンリザーブ大学(Case Western Reserve University)です。オハイオ州の北部にあるクリーブランドにあり、ダウンタウンまでは20分ほどです。ビジネスや美術、生命科学や、弁護士を輩出するロースクール(法科大学院)、そしてMBAの課程など、数多くの分野で全米トップレベルの教育を行っています。
大学院レベルの研究に力を入れている大学ですが、学生の多くが寮生活を送り、また規模も中くらいであることから、大学レベルの教育の質も高く、充実した学生生活を送れます。また大学1年生であってもリサーチに携わる機会があり、学生たちも勉強熱心で、大学院に進学する学生が多いことでも特筆されます。
ノーベル物理学賞受賞者のアルバート・マイケルソン、ノーベル経済学賞受賞者のエドワード・プレスコット、ノーベル医学・生理学賞受賞者のジョージ・ヒッチングスなど、数々の逸材がこの大学で学んでいます。
3-3.マイアミ大学オックスフォード校

マイアミ大学オックスフォード校
マイアミ大学オックスフォード校(Miami University)は、パブリックアイビーに名を連ねる名門の州立大学です。フロリダ州のリゾート地であるマイアミにあると思われがちですが、大学名はこの地方に住んでいたネイティブアメリカンのマイアミ族に由来します。
大学が位置するオックスフォードは全米有数の大学街で、キャンパス内外で充実した大学生活を過ごすことができます。キャンパスはその美しさで定評があります。
第23代大統領のベンジャミン・ハリソンをはじめ、数多くのすぐれた人材を世に送り出しています。
3-4.オーバリン・カレッジ

オーバリン・カレッジ
オハイオ州にはおすすめのリベラルアーツ・カレッジも少なくありません。
名門のオーバリン・カレッジ(Oberlin College)は、共学校として初めて女性に学位を授与し、黒人学生を受け入れたという実績をもつパイオニア精神が旺盛なリベラルアーツ・カレッジです。日本の桜美林大学の名前は、創立者の清水安三がオーバリン・カレッジに学んだことに由来します。
音楽院(Conservatory)を併設していて、全米有数の音楽教育を行っています。総じて芸術への意識が高い大学です。ほかに環境学、政治学、宗教学なども評価の高い分野です。リベラルアーツ・カレッジらしく、学生のほとんどが寮生活を送り、おのずと仲間意識も高まり、アットホームでフレンドリーなキャンパスを築き上げています。
ノーベル医学・生理学賞受賞者のスタンリー・コーエン、劇作家のソーントン・ワイルダー、駐日大使を務めたエドウィン・ライシャワーなど、数多くの逸材がここで学びました。
3-5.ケニオン・カレッジ
ケニオン・カレッジ(Kenyon College)もまた、全米的に定評のあるリベラルアーツ・カレッジです。オハイオ州で最も古い私立大学です。
「書くこと」に重点を置いたカリキュラムがよく知られ、学生たちもとても勉強熱心です。授業ではディスカッションが活発に行われ、自分で考え、発信する力が養われます。教授たちもフレンドリーで、学生と接することを喜びとしています。リベラルアーツ・カレッジの長所がぎゅっと詰まった大学だといえるでしょう。

オハイオウェズリアン大学
ほかにも、州立大学でいえばシンシナティ大学(University of Cincinnati)やケント州立大学(Kent State University)、リベラルアーツ・カレッジではオハイオウェズリアン大学(Ohio Wesleyan University)やデニソン大学(Denison University)、カレッジ・オブ・ウースター(The College of Wooster)など、魅力的な大学がオハイオ州にはたくさんあります。
オーバリン、ケニオン、オハイオウェズリアン、デニソン、ウースターは、Five Colleges of Ohioと総称される、すぐれたリベラルアーツ・カレッジ群です。
オハイオ州は、アメリカ留学を考える人にとっては必見の州といえます。ぜひ留学先として、オハイオ州の大学を検討してみてください!
