アメリカ留学 全米50州ガイド
ネバダ州とその大学の魅力
ネバダ州はカリフォルニア州の東に位置する州です。州の名前にはなじみがないかもしれませんが、砂漠のただなかにあるカジノの一大リゾート、ラスベガスで世界的に有名な州です。州のほとんどが砂漠地帯のため、州民の3分の2以上が、ネバダ州最大の都市であるラスベガス地域に住んでいるといわれます。
ネバダ州の位置
ネバダ州といえばラスベガス、そう言ってもいいと思いますが、そんなネバダ州にはどんな大学があるのでしょうか。留学先としての魅力は? 詳しく見てみましょう。
もくじ
1.ネバダ州とは
1-1.ギャンブルの州
1-2.ラスベガス
1-3.ネバダ州の地理
2.ネバダ州の大学について
2-1.ネバダ大学ラスベガス校
2-2.ネバダ大学リノ校
2-3.シエラ・ネバダ・カレッジ
2-4.南ネバダ大学
1.ネバダ州とは
まずはネバダ州といえば真っ先に連想されるギャンブルという観点から、この州を紹介しましょう。
1-1.ギャンブルの州

ネバダ州の光景
もともとネバダ州は鉱山で栄えた州でしたが、その産業が衰退してしまい、ギャンブルがとって代わりました。
鉱山とギャンブル、いずれも「チャンスに賭ける」ということで、この州の気風を代表しています。ラスベガスは州の南部に位置していますが、州西部に位置するリノも鉱業(金)と共に発展し、現在はラスベガスに次ぐカジノシティとなっています。
1-2.ラスベガス

ラスベガスの夜景
ラスベガスは、かつてはギャンブルと犯罪の街というイメージもありましたが、現在はカジノだけでなく、豪華な食事、ショー、ボクシング観戦、ミニ遊園地などでも知られ、幅広い年齢層に人気の観光スポットです。カジノを備えたリゾートホテルは、エジプトのピラミッドやパリのエッフェル塔などをモチーフにした豪華なリゾートホテルが多く、家族旅行にも人気です。
ラスベガスはまた、結婚式を行う場所、結婚前に新郎や新婦が最後の「独身の遊び」をする場所としても知られています。結婚費用が安く、プロセスも簡単だからです。1日に150組ものカップルが結婚するそうです。ドラマや映画には、ラスベガスがこのような理由で登場することもしばしばです。
眠らない娯楽の街ラスベガスに行った人がよく言う表現があります。“What happened in Vegas stays in Vegas”、つまり「ラスベガスで起こったことはラスベガスに置いてくる」というものです。これは、日常に戻ったらラスベガスで起きたことは忘れてしまうといった意味合いがあります。それだけ非日常的な時間を過ごせるのがラスベガスというわけです。
ギャンブルや娯楽など観光産業で経済を支えているネバダ州は、アルコール飲料などの販売の規制も他の州より緩く、日本では違法とされている大麻の使用も規制が緩やかです。
ラスベガスはアリゾナ州北部にある有名なグランドキャニオンにも近く、グランドキャニオンをヘリコプターで回るツアーなども出ています。
両州国境にあるフーバーダムは1985年に国定歴史建造物に指定されています。カジノやリゾートホテルが立ち並ぶラスベガスの最も有名なストリート、ベガスストリップからは車で1時間以内に辿りつけるフーバーダムは、国内では人気の観光スポットとなっています。

1-3.ネバダ州の地理
ラスベガスは、日本からはロサンゼルスやサンフランシスコなどを経由して20時間以内で到着できます。
気候はとにかく夏は暑いです。砂漠のため40度以上を超えることもめずらしくありません。その理由で飛行機が飛べないなんてこともあります。冬は氷点下に下がることもありますが、基本的に冬は短いです。砂漠気候と亜熱帯気候帯にあるので雨が降ることも少ないです。
なおネバダ州は、所得税が課されない州としても知られています。節税のために本社をネバダ州に置く企業もあります。
2.ネバダ州の大学について
州のほとんどが砂漠のネバダ州には、他の州に比べるとあまり大学はありません。一方で、立地と産業を生かしたユニークなプログラムがたくさんあります。
それでは、ネバダ州を代表する大学を紹介しましょう。
2-1.ネバダ大学ラスベガス校

ネバダ大学ラスベガス校
ネバダ州で最も有名なのが、ネバダ大学ラスベガス校(University of Nevada, Las Vegas)です。ラスベガスという立地を生かしたユニークなカリキュラムを設けています。最近では、トランプさんとヒラリーさんが大統領選の際にテレビ討論を行った舞台として有名になりました。
シアター、ミュージカルなどの製作・経営などが学べたり、ギャンブルに特化したカジノ経営、ホテル学、不動産学などが学べます。卒業生には、実際にラスベガスで成功しているカジノ経営者やエンターテイナーもいます。
そのほか、工学や法学の分野でも高い評価を受けています。砂漠地帯という特性を生かした、地理学・地政学も有名です。日本語や日本の文化を学べるプログラムもあります。
ネバダ大学ラスベガス校にはほかにも魅力があります。授業料です。とりわけ安いわけではありませんが、隣のカリフォルニア州と比べるとかなり安くなる可能性もあります。また、西海岸の州と比べて日本人もかなり少ないことから、日本語を話す機会が少なくなる、つまり英語を話す機会が自然と増えるというメリットもあります。
中堅総合大学として、一定のアカデミックレベルがありますが、カリフォルニア大学バークレー校やスタンフォード大学のように世界からトップの学生が集まってくるような超難関校ではありません。入りやすさという点も、留学先としてのメリットになるかもしれません。
2-2.ネバダ大学リノ校

ネバダ大学リノ校
ネバダ大学ラスベガス校と同じくらい、またはそれ以上に知名度があるのが、ネバダ大学リノ校(University of Nevada, Reno)です。
ネバダ大学システムの中では「本校」のような存在で、通常「ネバダ大学」といえばリノ校を指します。カリキュラムの質もラスベガス校より高く、歴史も長いのですが、最近はラスベガス校もがんばってレベルを上げています。
学べる学問は幅広く、経営学、起業学、気象学、教育学に音楽など、学びたいものが必ず見つかるようなラインアップです。カジノ経営学も副専攻で学べます。州全体として力を入れている再生可能エネルギー学や、核兵器実験サイトが見つかったネバダ州ならではの核梱包学、さらに(アルコールやギャンブルなどの)中毒治療学などのプログラムもあります。砂漠研究所もあります。授業料も、ラスベガス校と同様に良心的で、リノは住むコストも比較的安いというメリットがあります。
ネバダ大学リノ校のスポーツチームは強豪リーグで戦っていることもあり、アメリカンフットボールの試合は全米に放送されます。そのため、大学としての知名度はラスベガス校をしのぎます。
2-3.シエラ・ネバダ・カレッジ
リベラルアーツ・カレッジに目を向けると、シエラ・ネバダ・カレッジ(Sierra Nevada College)が有名です。とても小さな大学ですが、スキーリゾート経営学などのユニークなプログラムがあります。もちろんスキー場もキャンパスのすぐ近くにあります。タホ湖のほとりにあり、カリフォルニア州まではすぐそこです。
2-4.南ネバダ大学
ネバダ州で最も多い学生数を誇るのが南ネバダ大学(College of Southern Nevada)です。この大学は二年制のコミュニティ・カレッジです。ここからネバダ大学リノ校やラスベガス校などに転学し卒業するという学生もたくさんいます。ただし寮がないので留学先としては適しているとはいえません。
ネバダ州はラスベガスのイメージが強くて、留学先としてはなかなか目が向かないかもしれません。たしかにカジノをはじめとして娯楽があふれていますし、大学の選択肢も多くありません。留学するとしても、その誘惑と闘っていくだけの強い意志と自律心が欠かせません。
