アメリカ留学 全米50州ガイド
サウスカロライナ州とその大学の魅力
サウスカロライナ州はアメリカ合衆国の南東部に位置し、北はノースカロライナ州、南西はジョージア州に接し、東は大西洋に面しています。面積は北海道とほぼ同じ大きさで、米国勢調査局によると全米で40番目の広さです。
サウスカロライナ州の位置
サウスカロライナ州にみなさんはどんなイメージを抱くでしょうか? 日本ではあまりなじみのない州かもしれませんね。サウスカロライナ州と、この州の大学について詳しく解説しましょう。
もくじ
1.サウスカロライナ州とは
2.サウスカロライナ州の主要都市
2-1.コロンビア
2-2.チャールストン
3.サウスカロライナ州の大学について
3-1.サウスカロライナ大学
3-2.クレムゾン大学
3-3.ファーマン大学
3-4.ウォフォード・カレッジ
1.サウスカロライナ州とは

大西洋に面したサウスカロライナ州のビーチ
サウスカロライナ州は他の南部州と同様に、奴隷労働力を使った大規模なプランテーションにより多くの収益を上げ、繁栄した地域です。
イギリスから最初に独立した13州のうちの1州で、国を二分した南北戦争では最も大規模な戦闘が行われた場所であり、その当時を伝える史跡や歴史的建造物が各地に残されています。
州北西部にはブルーリッジ山脈があり、豊かな自然の中でアウトドアを楽しむことができます。沿岸部のヒルトン・ヘッド・アイランドやマートルビーチなどのビーチは、家族連れに人気の旅行先となっています。
サウスカロライナ州は日本のように四季があり、夏は高温多湿で、冬は温暖、春・秋は過ごしやすい気候で、年間を通して降水量が多いのが特徴的です。冬でも州の大半で滅多に雪が降らないので、厚手のコートが必要になることはありませんが、内陸部は夜になると冷え込むことがあります。
また、サウスカロライナ州は熱帯低気圧の影響を受けることから、春と11月には竜巻が、8月から10月初旬にかけてはハリケーンが発生します。
2.サウスカロライナ州の主要都市
サウスカロライナ州の人口は約524万人(米国勢調査局2017年予測)で、全米第23位。州都は、ジョージア州アトランタから車で3時間の距離にあるコロンビアで、ここが州の最大都市でもあります。
それでは、サウスカロライナ州を代表する都市をいくつか紹介しましょう。
2-1.コロンビア

コロンビアのダウンタウン
サウスカロライナ州の州都コロンビアは、アメリカ大陸を発見したクリストファー・コロンブスの名前にちなんで名づけられました。
かつては繊維産業の中心地として栄えていましたが、現在では先端産業、ヘルスケアや保険業など経済の多角化が進み、州の商工業の中心として発展しています。
コロンビアはサウスカロライナ大学の本拠地です。技術インフラ、医学研究分野、ビジネスの発展において同大学は不可欠な存在となっています。また、入隊訓練センターとして国内最大規模のフォートジャクソン陸軍基地がコロンビアにあります。
2-2.チャールストン

18世紀の建物が現存するチャールストン
サウスカロライナ州第2の都市は州南東部にある港湾都市チャールストンです。1790年にコロンビアに移転されるまでは、このチャールストンがサウスカロライナ州の州都でした。
チャールストンは歴史的にも文化的にも重要な役割を果たしています。チャールストン港にあるサムター要塞は1861年に南北戦争の発端となる戦いが始まった場所といわれています。また、戦禍からの復興にあたっては、損傷した建物を建て替える資金がなかったため、歴史的に重要な建物が多く保存されています。
旧市街の歴史地区は現在レストランやショップが多く立ち並んだ有名な観光スポットとなっています。年間700万人の観光客が訪れるチャールストンにとって、観光業はとても大切な産業です。
近年はIT産業、航空宇宙産業、ヘルスケア、バイオサイエンス分野でも頭角を現しています。
3.サウスカロライナ州の大学について
それでは、サウスカロライナ州を代表する大学をいくつか紹介しましょう。
3-1.サウスカロライナ大学

サウスカロライナ大学
サウスカロライナ州の州都コロンビアには、大規模研究型州立大学のサウスカロライナ大学(University of South Carolina)があります。コロンビアにあるメイン・キャンパスのほか、7か所にキャンパスがありますが、コロンビアにあるのがいわば本校で、最も規模が大きく、最もレベルが高い大学です。
ビジネスのほか、健康科学系の分野に人気が高く、自主的なリサーチやインターンシップへの参加が推奨されます。規模が大きいだけに、選択できる科目もたくさんありますが、1クラスの学生数も多くなりがちです。
課外での活動はとても活発で、スポーツはもちろん、キャンパス内外で行われるさまざまな行事で盛り上がります。
3-2.クレムゾン大学

クレムゾン大学
クレムゾン大学(Clemson University)もまた、大規模の州立大学です。1889年の創立当初はクレムゾン農業学校という名称で、軍隊を訓練する男子校でしたが、後に民間の共学校となり、1964年に現在の大学名となりました。
同校はサウスカロライナ州内外の経済開発と生活の質の向上をめざして研究や起業プロジェクトに取り組んでおり、年間19億ドルの経済効果を州にもたらしているといわれています。
人気のある専攻は工学、ビジネス、生物学、健康科学、心理学などです。研究型の大学らしく、大学生にも最先端のリサーチに触れる機会が与えられます。
スポーツがとても盛んで、とくにアメリカン・フットボールの強豪校として知られています。
ハートウェル湖とブルーリッジ山脈の麓に広がる広大なキャンパスは、その美しさで定評があります。サザン・ホスピタリティが息づいているキャンパスは、自ずと学生たちの仲間意識を高めています。
3-3.ファーマン大学

ファーマン大学
州北西部グリーンビルには、1826年創立のリベラルアーツ・カレッジ、ファーマン大学(Furman University)があります。大学名はキリスト教バプテスト派のファーマン牧師に由来しています。州最古の私立大学で、南部屈指の名門リベラルアーツ・カレッジです。
人気の専攻はビジネス、健康科学、政治学、コミュニケーション、生物学など。学生の気風としてはやや保守的です。若干、向き・不向きがありそうです。小規模ながら、スポーツは大規模大学に劣らず盛んです。
グリーンビルは人口5万人ほどの小さな町ですが、ダウンタウンには多くのレストランやショップが立ち並び、古きよき南部の佇まいを残しています。リーディ川にあるフォールズパークは緑豊かで、勉強の息抜きにはおすすめのスポットです。キャンパスそのものも、その美しさでよく知られています。
3-4.ウォフォード・カレッジ
州北部のスパータンバーグには、名門リベラルアーツ・カレッジのウォフォード・カレッジ(Wofford College)があります。美しいキャンパスにはサザン・ホスピタリティが息づいています。
人気の専攻はビジネス、生物学、会計学、化学などで、実学系の分野に人気が集まっています。学風はやや保守的で、学生の中には敬虔なクリスチャンも少なくありません。近年は多様化が進んでいて、留学プログラムも充実しています。
サウスカロライナ州は、一方でサザン・ホスピタリティが感じられるものの、他方ではやや保守的で、ややもすると排他的な気風がないわけではありません。ただ、気候は穏やかで、どの大学でもスポーツは盛んです。留学先として興味がある人は、ぜひサウスカロライナ州をチェックしてみてください!
