アメリカ留学 全米50州ガイド
コネチカット州とその大学の魅力
コネチカット州はニューイングランド地方(アメリカ北東部)の最も南に位置する、ほぼ正方形のかたちをした州です。
コネチカット州の位置
愛称は「憲法の州」。これは、この地域がアメリカで初めて成文憲法を導入したことに由来します(諸説あります)。ときさかのぼること1639年。合衆国が誕生する(1776年)よりうんと前のことです。ちなみに「ナツメグの州」というニックネームもあります。かつてナツメグ商人が活躍していたことによります(これもいろいろな説があるようです)。
ニューイングランド州といえば、アメリカの教育の発祥地であり、いまでもそのメッカです。もちろんコネチカット州にも、伝統を誇るすぐれた大学がたくさんあります。留学先としても、とても魅力的な州です。
そんなコネチカット州と、コネチカット州の大学について紹介しましょう。
もくじ
1.コネチカット州とは
1-1.コネチカット州の成り立ち
1-2.コネチカット州の地理
2.豊かなコネチカット州
3.コネチカット州の大学
3-1.イェール大学
3-2.コネチカット大学
3-3.ウェズリアン大学
3-4.トリニティ・カレッジ
3-5.コネチカット・カレッジ
1.コネチカット州とは
コネチカット州は、
・北はボストンがあるマサチューセッツ州
・西は東海岸を代表するニューヨーク都市圏があるニューヨーク州
・東はロードアイランド州
・南は大西洋(ロングアイランド湾)
に囲まれています。面積は岩手県よりも小さいくらいですが、教育レベル・経済レベル共に、とても高い州です。
まずはコネチカット州の、歴史から見ていきましょう。
1-1.コネチカット州の成り立ち
いまコネチカット州と呼ばれているエリアには、1600年代からヨーロッパ人が植民地化を始めました。ボストン地域に移住した清教徒のうち、ボストンの雰囲気になじめなかった人たちがコネチカット川沿いに1633年に植民を開始したことが開拓のきっかけといわれています。
1776年7月4日に正式にイギリスから独立した際の13州のうちの1州で、17881年に5番目の州として正式にアメリカ合衆国に加盟しました。
州の名前は先住民族(いわゆるネイティブアメリカン)のアルゴンキン族の言葉で「長い川に沿った」を意味する“quinatucquet”を英語にしたものです。
コネチカット州は白人が多数を占めていますが、第二次世界大戦以降には黒人が、そして近年ではヒスパニック系の人が増えていて、ニューイングランド地方では際立って人種構成が多様になっています。
1-2.コネチカット州の地理
コネチカット州の緯度は青森県とほぼ同じです。基本的に「寒い」地域に属します。冬には雪も降ります。夏は湿度が高くなりますが、30度を超えることはそんなにありません。
州都は州の中心部に位置するハートフォードですが、人口最大の都市はブリッジポートです。マンハッタンの北東100キロほどのところに位置していて、ニューヨーク都市圏(New York Metropolitan Area)の一部となっています。ブリッジポートからニューヨーク市まで、電車で通勤する人も少なくありません。
ブリッジポートから車で20~30分ほど北西に向かうと、コネチカット州第2の都市、ニューヘイブンがあります。
ニューヘイブンには世界的に有名なイェール大学があり、世界屈指の大学街として知られています。世界各地から優秀な留学生が集まる国際的な街でもあります。
これらの主要都市はニューヨークだけでなくマサチューセッツ州の大都市ボストンとも電車でつながっています。
2つの大都市圏に囲まれたコネチカット州は面積が全米で3番目に小さいにもかかわらず、人口は全米の州の中で29位、人口密度は第4位という都市型の州です。平均個人所得も隣のニューヨーク州、マサチューセッツ州に次いで全米で3番目と高く、高級住宅がたくさんあって、全米でもとりわけ豊かな人たちが住んでいる州といわれています。
2.豊かなコネチカット州
「豊かな暮らし」を支えるコネチカット州の主要産業は金融や不動産などで、農業や製造業に対して、サービス産業が栄えています。州都ハートフォードは「米国保険の首都」ともいわれるほど保険業がさかんです。
日本からもたくさんの企業がコネチカット州に進出していて、2013年の時点では州内に最も進出した企業数が多い国として日本が1位に輝いています。そのため7,000人以上の州民が日系企業に雇用されるなど、日本企業は州の経済に貢献しています。
また、コネチカット州は日本との貿易も盛んです。イェール大学やコネチカット大学、ウェズリアン大学などに日本語のプログラムがあるほか、コネチカット州の都市と姉妹都市を結んでいる日本の市町村もあり、コネチカット州と日本の関係は浅くありません。
3.コネチカット州の大学
コネチカット州は、とても小さな州ですが教育の質はとても高く、世界的・全米的に評価の高い大学がひしめいています。留学先としても魅力タップリの州です。
代表的な大学をいくつか紹介しましょう。
3-1.イェール大学
コネチカット州の大学といえばイェール大学(Yale University)です。アメリカの名門私立大学8校からなる「アイビーリーグ」に所属していいます。アイビーリーグは、8大学を合わせると250名以上の卒業生がノーベル賞を受賞している、超一流大学のグループです。
1701年に設立されたイェール大学は、アメリカで3番目に古い大学で、その歴史は植民地時代にさかのぼります。
ほぼすべての学問分野で高い評価を得ていますが、特記すべきは政治学で、大統領を2人も輩出したブッシュ家が4代にわたってこの大学を卒業しているなど、政界に多くの逸材を送り込んでいます。音楽や演劇の分野も有名です。課外活動でもアカペラグループがよく知られています。
イェール大学はスポーツも盛んで、ハーバード大学とはライバルの関係にあります。
メリル・ストリープ(女優)、ジョン・ケリー(政治家)、エドワード・ノートン(俳優)、オリバー・ストーン(映画監督)、コール・ポーター(作曲家)など、著名な卒業生を挙げたらキリがありません。
3-2.コネチカット大学
コネチカット州の州立大学の顔ともいえるのが、コネチカット大学(University of Connecticut)、通称「ユーコン」(U-Conn)です。2万人弱の学生が学ぶ大規模大学で、州内の高校生たちの受け皿となっていますが、周りに何もない田舎にキャンパスをかまえているので、州立大学にしては寮生活を送る学生が多いのも特徴です。
専攻できる分野は多岐にわたり、とくに教育学や農学の分野は有名です。
コネチカット大学はバスケットボールの名門としても知られており、全米的な知名度が高く、NBA(プロバスケットボール協会)にプロ選手をコンスタントに送り出しています。
3-3.ウェズリアン大学
コネチカット州にはすぐれたリベラルアーツ・カレッジも多くあります。その代表がウェズリアン大学(Wesleyan University)です。全米のリベラルアーツ・カレッジの中でもきわだって合格率が低く、難易度はアイビーリーグに劣りません。政治・経済系の分野に強く、課外ではアート系のほか、ボランティアをはじめ社会活動にも熱心です。公益のために尽くすことはウェズリアン大学の大きなモットーになっています。
ほぼすべての学生が寮に暮らし、理想の教育環境づくりに1人ひとりの学生が主体的に取り組んでいます。教授の評価もきわめて高く、学生たちの知的欲求によく応えています。アジア11か国から1人ずつ選抜して、4年間の学費を支給する「フリーマン奨学金」はつとに知られています。とても優秀な留学生を受け入れています。
リン=マニュエル・ミランダ(作曲家、俳優)、マイケル・ベイ(映画監督)、トーマス・マックナイト(作家)、デビッド・スキャグス(政治家)などが著名な卒業生として挙げられます。
3-4.トリニティ・カレッジ
保険の街ハートフォードに位置するトリニティ・カレッジ(Trinity College)も、コネチカット州を代表するすぐれたリベラルアーツ・カレッジです。教授と学生とが協力して共に学ぶという学風で、学生の主体性が尊重されます。リベラルアーツ・カレッジとしてはめずらしく工学系の専攻課程を設けていて、そのカリキュラムは高く評価されています。ハートフォードにはインターンシップの機会がたくさんあって、学生もそのメリットを存分に活用しています。留学プログラムも人気です。
3-5.コネチカット・カレッジ
コネチカット・カレッジ(Connecticut College)も、いかにもニューイングランドのリベラルアーツ・カレッジらしい美しいキャンパスと学生主体のカリキュラムを誇ります。学生たちはただ科目の知識を得るだけでなく、自分で考え、批判し、解決することを学びます。カリキュラムはきわめて柔軟性に富んでいて、必修科目はごくわずかしかありません。在学生のほとんどが寮生活を送っています。
コネチカット州全体でいえることは、日本人が少ないということです。ニューヨーク州とマサチューセッツ州という大きな都市圏を形成する州に囲まれていながら、滞在日本人や留学生の数はこれらの2つの州とは比べものになりません。
東海岸に住みたい
都会の近くに住みたい
車がなくても電車やバスで生活したい
暑くないところに住みたい
キャンパス内外でつねに英語に触れていたい
・・・こんな人にはとてもおすすめの州です。留学先として、ぜひ検討してみてください!
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