アメリカ留学 全米50州ガイド
ハワイ州とその大学の魅力
ハワイ州は日本人の観光先、移住先、そして留学先として大人気の、日本から最も近いアメリカの州です。
ハワイ州の位置
ハワイといえば青い海と真っ白なビーチ、そして結婚式をあげたり年末年始を過ごしたりするリゾート地というイメージが強いと思います。オバマ前大統領が生まれ育った場所としても知られていますね。横綱の曙関や小錦関の出身地としてなじみがある人もいるかもしれません。
日本人にはなにかと親しみ深いハワイ州。じつは大学の数はそんなにありません。四年制大学はほんの数校だけです。留学先としてのハワイは、大学卒業を目的とした留学よりも、語学留学をめざす人のほうに圧倒的な人気を誇ります。
そんなハワイ州と、この州の大学について詳しく解説しましょう。ハワイへの留学を考えている人はぜひ参考にしてみてください!
もくじ
1.ハワイ州ってどんな州?
1-1.ハワイ州の地理
1-2.ハワイ州の歴史
1-3.ハワイの「多様性」
1-4.ハワイ州の産業
2.ハワイと日本との関係
3.ハワイ州の大学について
3-1.ハワイ大学マノア校
3-2.ハワイ州のその他の大学
1. ハワイ州ってどんな州?
まずはハワイ州とはどんな州なのか、その地理と歴史、産業の側面から解説しましょう。
1-1.ハワイ州の地理
ハワイ島
ハワイ州は、太平洋のほぼ真ん中に位置し、130以上の島から成ります。これらの島は火山活動によって生じたもので、いまでもその活動が続いているため、州の面積も大きくなりつつあります。最近ではハワイ島にあるキラウエア火山の火口から噴火し、1か月以上も火山活動および地震活動が続いています。
オアフ島、ハワイ島、マウイ島をはじめとした主要な島は8つあり、このうちニイハウ島は個人が所有しています。州民の8割が、州都ホノルルのあるオアフ島に住んでいます。
アメリカ50州の中で東西の距離が最も長いのが、じつはハワイ州です。それは島々が散らばっているからです。
アメリカ本土は東部と西部で3時間の時差がありますが、ハワイは西部からさらに3時間の時差があります。ニューヨークの10時が、ハワイでは4時になるのです。
主要な島では1年を通して気温に大きな変化はありません。場所にもよりますが、平均気温は年間を通して18度から29度前後で、比較的暖かく、湿度も高くなく、過ごしやすいです。ハワイが「常夏の島」と呼ばれるゆえんです。とはいえハワイ島のマウナケア山やマウナロア山などは富士山よりも標高が高く、冬には雪が降ります。
1-2.ハワイ州の歴史
カメハメハ大王
じつはハワイ州がアメリカ合衆国の最後の州(50州目)となったのはつい最近といっても過言ではありません。
1778年にイギリス人の探検家ジェームズ・クックがハワイ島を訪れ、それまでの原住民の暮らしに大きな変化をもたらしました。その後、カメハメハ大王がハワイ王国を築き、王朝が誕生します。
19世紀末にアメリカに併合されますが、正式な州として加わったのは1959年のことです。
1-3.ハワイの「多様性」
ポキ・ボウル
日本人の移住先として現在も人気があるハワイですが、人口はアジア系やパシフィック系が多く、白人の割合が少ない州です。いわゆる「多数派(マジョリティ)」の人種は存在せず、アジア系が約4割で最も多く、白人は3割にもなりません。
このような多様性は、アメリカでもハワイ独特のものです。その中でも日系人はフィリピン系の次に多いとされています。公用語は英語とハワイ語ですが、日本語もよく耳にします。
面積は全米の州の中で43位、人口は40位と比較的少ないですが人種の多様性から、さまざまな食文化を楽しめます。日本食はもちろん、魚介類、海藻類、野菜、そして果物などを白飯にのせたポキ・ボウルは有名です。全米の他の州でもハワイを代表する料理としてポキ料理を出すレストランが人気です。「ポキ」とは魚介類の「切り身」のことです。
1-4.ハワイ州の産業
ハワイのパイナップル畑
ハワイ州の経済は農業、軍事産業、そして観光業に支えられています。
火山灰地はコーヒーの栽培に適していて、ハワイ州はアメリカで唯一コーヒーを生産している州です。サトウキビとパイナップルの栽培も盛んで、19世紀に149人の日本人がサトウキビ栽培に従事するために渡航して以来、さまざまな苦難を経て、いまの日系人社会を築くに至っています。ハワイ島はお土産の定番マカダミアナッツの主産地でもあります。
いまでは農業よりも観光と軍事基地からの収入が大きくなっています。軍事関連でいえば、ホノルルのワイキキビーチ近辺にはダニエル・K.イノウエ・アジア太平洋安全保障研究所という日系アメリカ人の元政治家の名前がつけられた研究所があります。アメリカとアジア・太平洋諸国の代表者による協力や安全保障の問題の研究促進を目的として、1995年にアメリカ国防省の管理する学術・研究機関として設立されました。日本からも防衛省、外務省、そして民間企業の関係者が研修や国際会議などで訪れます。
2.ハワイと日本との関係
ホノルルのワイキキビーチ
ハワイ州は世界的にも屈指のリゾート地で、アメリカ国内外からたくさんの観光客が訪れます。
オアフ島にある有名なワイキキビーチや周辺のショッピングセンターに加え、国立公園、アリゾナ記念館、パールハーバー太平洋航空博物館などといった戦時中の歴史を学べる場所もあります。有名火山ダイヤモンドヘッドのハイキング、海でのダイビング、シュノーケリングもハワイで人気のアクティビティです。
約120万の人口に対して、毎年800万人以上もの観光客が訪れていて、うち150万人以上を日本人が占めています。1990年頃のピーク時に比べるといくらか減ったとはいうものの、いまでもハワイは日本人に大人気のスポットです。
日本からの観光客はハワイ州への観光において3億ドル以上消費しているといわれ、他の州と比べても桁が違います。
またANA(全日空)やドンキホーテなど60以上の日本企業がハワイ州に進出しており、州の雇用にも貢献しています。国別でみると企業進出数や貢献度は2013年には1位と発表されました。そのため日本はハワイ州の重要な輸入先としても知られています。
日本の主要空港からホノルル空港までは直通便が多く出ており7時間ほどしかかかりません。他の州と比べれば空からのアクセスのよさはバツグンです。ハワイ州のホノルル市やマウイ郡などは日本の市と姉妹都市提携をしているところも多くあり、日本との交流はつねに活発です。
3.ハワイ州の大学について
ハワイ州は、留学先として非常に人気の高い州ですが、四年制の大学は数校しかありません。大学に進学するよりも、語学を学ぶ目的で留学している人のほうが圧倒的に多く、大学付属の英語学校は日本人で賑わっています。アクセスのよさや気候がいいことも、ハワイ州の人気が高い理由です。また人種構成の面では、アジア系アメリカ人の割合が高いのも特徴です。
3-1.ハワイ大学マノア校
ハワイ大学の東西センター
ハワイ州を代表する州立大学はなんといってもハワイ大学マノア校(University of Hawaii, Manoa)です。全米的な評価も高く、研究に主軸をおいた総合大学として知られています。
マノア校は、1907年に創立された州内各地に設置された4つの四年制大学と7つのコミュニティ・カレッジ(二年制の公立大学)を擁するハワイ大学システムの「本校」です。つまり「ハワイ大学」といえば「マノア校」を指すといえます。
とくに知られているのが、地震研究と観光学です。また海に囲まれた立地ゆえ、海洋学にも秀でています。ハワイは天体観測のメッカで、世界有数の天文台もあり、天文学においても高い評価を得ています。弁護士や検事をめざす学生が学ぶ法科大学院(ロースクール)や、医師をめざす人が学ぶ医科大学院(メディカルスクール)も設置されています。
HELPやNICEと呼ばれる大学附属の英語学校があり、昔から日本人には有名で、いまも日本人留学生がたくさん学んでいます。大学側も留学生の受け入れに力を入れています。
また日本研究センターや沖縄研究センターなどもあり、日本という国や文化を学問として幅広く研究、学ばれています。アメリカとアジア太平洋諸国の協力、経済開発、環境保全調査などを目的としたアメリカ政府管轄の東西センターもハワイ大学マノア校に隣接しており、大学とは密接な関係にあります。
緑色の「H」がトレードマークのハワイ大学のスポーツチーム(とくにアメリカンフットボールチーム)の試合は本土でもテレビで放送されることがあり、ハワイ大学の知名度に貢献しています。州民に広く深く愛されているチームです。
3-2.ハワイ州のその他の大学
ハワイ大学マノア校のほかには、ハワイ大学ウェストオアフ校(University of Hawaii, West Oahu)、ヒロ校(University of Hawaii at Hilo)などハワイ大学システムに所属する州立大学はアジア系アメリカ人が多く学び、日本人にも人気の留学先です。
ヒロ校はハワイ島の最大の都市であるヒロ市にあり、日本食屋さんやスーパーが近隣にあります。ハワイ大学マノア校よりは難易度も低く学生数も少ないので、じっくり学びたい人には向いています。
主要な私立大学としては、ハワイ・パシフィック大学(Hawai`i Pacific University)、シャミナード大学(Chaminade University of Honolulu)、ユタ州に本校があるモルモン教系のブリンガム・ヤング大学ハワイ校(Brigham Young University, Hawaii)などがあります。
ハワイ州には娯楽もたくさんあり、日本人や日本食に触れる機会も多く、とても住みやすい州といえます。それだけに、勉強「以外」のことに気をとられがちにもなります。「英語で学問を学ぶ」という留学の本来の目的を忘れずに意識して生活することが大切です。
記事中の大学をチェック
» ハワイ大学マノア校
» ハワイ大学ウェストオアフ校
» ハワイ大学ヒロ校
» ハワイ・パシフィック大学
» シャミナード大学
» ブリンガム・ヤング大学ハワイ校
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