アメリカ留学 全米50州ガイド
カンザス州とその大学の魅力
カンザス州は、緑豊かなおっとりした田舎で大学生活を満喫したい人にはおすすめの州です。
カンザス州の位置
日本ではあまりなじみがない州かもしれませんが、どんな大学があるのでしょうか。留学先としてどんな魅力があるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
もくじ
1.カンザス州とは
2.カンザス州の地理的なメリット
3.カンザス州の主要都市
3-1.ウィチタ
3-2.カンザスシティ
4.カンザス州の大学について
4-1.カンザス大学
4-2.ベネディクティン・カレッジ
4-3.ウォシュバーン大学
4-4.エンポリア州立大学
5.まとめ
1.カンザス州とは

カンザス州の平原
まずはカンザス州の特徴について見てみましょう。
カンザス州は、アメリカのほぼ真ん中に位置しています。同州にあるスミス郡は、アメリカの「地理的な中心点」です。
小麦やトウモロコシなどの耕作地が広がる田舎もあれば、州最大の都市ウィチタ、ミズーリ州と隣接するカンザスシティなど、全米でも有名な中堅都市が融合したとても住みやすい州です。小麦の生産量は全米でトップです。
面積はアメリカ50州のうち15位でありながら、人口は300万人にも満たないため、ごみごみした感じもなく、広々とのんびりした風情を味わえます。
「大平原」に特徴づけられるカンザス州では、地平線にまで広がる平原を目の当たりにすることができます。山や谷といった起伏はなく、とても平らな州です。いかにも牛の放牧にふさわしい地形です。西海岸・東海岸に比べると生活費も安く、その意味でも住みやすい州といえるでしょう。

西部劇の舞台として有名なドッジシティ
またカンザス州は「標準語の州」としても知られています。映画『オズの魔法使い』で見られたように、竜巻の多い州でもあります。ドッジシティは数多くの西部劇の舞台になりましたが、アメリカで最も風が強い町としても知られています。
南北戦争においては、北軍と南軍(というよりも、奴隷制反対派と擁護派)がすさまじい戦闘を繰り広げたエリアです。結局は1861年に自由州として合衆国に加盟することになりました。
2.カンザス州の地理的なメリット

カンザス州の地形
カンザス州は6つの州に囲まれていて、古くから東と西を結ぶ拠点として発展してきました。
西にはロッキー山脈や、スキー場のあるコロラド州、東にはミズーリ州のカンザスシティがあります。カンザスシティという町は、カンザス州とミズーリ州にあり、ミズーリ州にあるほうがより都会で栄えています。
カンザス州を東西に貫く州間高速道路70号線は、ペンシルバニア州ピッツバーグあたりからカンザスをまたいでコロラド州のデンバー、さらにはユタ州のほうまでつながっています。そのためこの高速道路は、アメリカを車で横断旅行する人には有名なコースともなっています。
自然豊かなカンザス州は、またアウトドア派にはもってこいの州です。
3.カンザス州の主要都市
カンザス州の主要都市をいくつか紹介します。日本ではあまり知られていないと思いますが、中西部ではそれなりの都会としてにぎわっています。
3-1.ウィチタ

ウィチタ
カンザス州最大の都市がウィチタです。州の中南部にあり、人口は39万人ほどですが、この数は年々増えつつあります。
航空機の製造でよく知られていて、町をあげて「空の都」としての名声を高めています。もちろん農業も盛んです。ピザハットの本拠地でもあります。公民権運動の重要な舞台となったこともあって、いろいろと見どころのある町です。
3-2.カンザスシティ

カンザスシティの川岸
州東部には人口15万人ほどの町、カンザスシティがあります。ミズーリ川をまたいでミズーリ州側にもカンザスシティがあって、「カンザスシティ、カンザス」と「カンザスシティ、ミズーリ」と言い分けています。
通常カンザスシティといえばミズーリ州側の都市を指すことが多く、「カンザスシティ、ミズーリ」のほうが人口も多く、栄えています。
この町にはカンザス大学の病院があって、カンザスシティでの雇用に大きな役割を果たしています。
4.カンザス州の大学について
カンザス州の教育レベルは他の州に劣らず、しっかりしています。主要な大学は州の西部から南西部に多く存在しています。
カンザスシティの少し西に位置するカンザス大学、さらに西にあるカンザス州立大学は州の「二大巨塔」といっていいほど有名な州立大学です。どちらの大学も2万人ほどの学生が在籍していて、カンザス州や近隣の州の優秀な高校生がめざす大学です。アメリカンフットボールやバスケットボールの強豪校でもあります。
またカンザス州の大学は、東部や西部の大学に比べると学費が安いという特長もあります。カンザス州に限らず、中西部の大学は比較的に安い学費を設定していて、しかも留学生の受け入れにも前向きです。
それではカンザス州を代表する大学をいくつか紹介しましょう。
4-1.カンザス大学

カンザス大学
カンザス州を代表する州立大学が、カンザス大学(The University of Kansas)です。
140ほどの専攻課程を設けています。工学系の分野で評価されるほか、気象学も有名です。「トルネードアリー」と呼ばれる竜巻が多発する地域に位置するため、竜巻の研究なども発展しています。医療分野にも力を入れています。人気の専攻分野はビジネス、健康科学、工学などです。起業学の分野にも定評があります。
ローレンスという美しい町にキャンパスをかまえていて、学生たちの活気にあふれています。
規模が大きな大学だけに、先生たちは学生への教育よりも自分のリサーチのほうに忙しい、という側面もありますが、一方で、学生が主体的にかかわる研究の機会も豊富にあって、大規模大学ならではのメリットとデメリットをあわせもっています。
スポーツの強豪校としても全米的に有名で、とくにバスケットボールの試合は盛り上がります。
4-2.ベネディクティン・カレッジ
中西部でよく知られたリベラルアーツ・カレッジの1つがベネディクティン・カレッジ(Benedictine College)です。
ミズーリ川を臨む美しいキャンパスでは、学生と教職員は親密に接し、力を合わせて理想的な教育環境づくりに努めています。ビジネスと教育学が人気の専攻分野です。
やや宗教色が強いという点もあって、ベネディクト修道会の理念が大学運営に色濃く反映されています。神学を専攻する学生も少なくありません。ごく普通の留学生はちょっと戸惑うことがあるかもしれません。
4-3.ウォシュバーン大学

ウォシュバーン大学
中規模州立大学で、学費の安さが魅力的なのがウォシュバーン大学(Washburn University)です。
カンザス州の州都、トピカ(人口約13万人)にキャンパスをかまえる都市型の大学で、生活の利便性がよいという特長があります。健康科学、ビジネス、教育学といった実学系の分野に人気がありますが、リベラルアーツ教育にも力を入れています。法科大学院(ロースクール)も長い伝統を誇ります。
留学生の受け入れにも前向きで、学習サポートも充実しています。
4-4.エンポリア州立大学

エンポリア州立大学
エンポリア州立大学(Emporia State University)もまた、学費がリーズナブルな州立大学です。
エンポリアという小さな町(人口25,000人ほど)に美しいキャンパスをかまえています。学風も温かくフレンドリーです。
学費が安いからといって教育の質が低いわけではありません。先生は親切で、学習サポートも充実しています。ビジネスと教育学の分野はとくに定評があります。健康科学も人気の専攻分野です。
留学生の受け入れにもとても積極的で、キャンパスの多様化・国際化に力を入れています。
5.まとめ
カンザス州といえば、何となく田舎で、小麦畑が地平線まで広がっていて何もない、といったイメージを抱かれがちです。
たしかにニューヨークやカリフォルニアに比べると、都会的な刺激はそれほど得られないかもしれません。しかしそれだけに、落ち着いて勉強に専念するにはいい環境です。
大学の学費も東部・西部に比べて安く、かといって教育の質が低いわけでもない、というのも留学先として大きな魅力のポイントになるでしょう。
アメリカの大学への留学を検討している人は、ぜひカンザス州にも目を向けてみてください!
