アメリカ留学 全米50州ガイド
メイン州とその大学の魅力
メイン州はアメリカで最も東に、そして最も北に位置する州です。アメリカで一番早く日の出を迎えるところでもあります。州の90%が森で、自然がとても美しい州です。
メイン州の位置
日本ではあまり聞き馴染みのない州かもしれませんが、教育レベルは高く、伝統ある名門のリベラルアーツ・カレッジも少なくありません。
そんなメイン州とはどのような州なのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
もくじ
1.メイン州とは
1-1.自然豊かなメイン州
1-2.メイン州の成り立ち
2.メイン州最大の都市ポートランド
3.メイン州の大学について
3-1.メイン大学
3-2.ボードウィン・カレッジ
3-3.ベイツ・カレッジ
3-4.コルビー・カレッジ
3-5.カレッジ・オブ・ジ・アトランティック
1.メイン州とは
まずはメイン州の特徴を紹介しましょう。
1-1.自然豊かなメイン州

メイン州の美しい自然
メイン州のニックネームは「松の木の州」(The Pine Tree State)。松の木に覆われた山々や森があることに由来します。
メイン州は「バケーションランド」という愛称をもち、州内に別荘を持つ人もたくさんいます。観光が盛んで、州の9割を占める森林をはじめ、湖や島、海岸など魅力的な自然が豊富です。ニューイングランド地方では唯一の国立公園であるアーカディア国立公園もメイン州にあります。
気候は1年を通して割と過ごしやすいといえます。冬はもちろん寒く、朝なども冷え込みますが、夏は暖かくなります。さらに、湿度が低く蒸し暑くなることはありません。
自然が豊かですから、年間を通してアウトドア・アクティビティを楽しむことができます。春のバードウォッチング、夏の山のハイキング、キャンプ、釣り、ビーチでの海水浴、秋の紅葉見物、冬のスキー、スノーモービルと楽しみかたはたくさんあります。
また、メイン州は農業(ブルーベリー、リンゴ、じゃがいもなど)や水産業(うに、ロブスター)が盛んで、食の宝庫でもあります。ロブスターはまるごと蒸したものや焼いたものを食べることができます。ロブスターの身がゴロゴロ入ったサンドウィッチなども絶品です。大西洋に面したメイン州はまた、カキやエビなど日本人が好きなシーフードにも恵まれています。
1-2.メイン州の成り立ち

メイン州名物のロブスター料理
西はニューハンプシャー州に接し、北はカナダと接しています。東と南は大西洋に面していて、ロブスターやハマグリなどの海産物が美味しいことで有名です。一般の人がロブスターを獲る箱を持つ権利があるほどです。
1820年に合衆国23番目の州となったメイン州には、他の州と同様に、もともとはネイティブ・アメリカンと呼ばれる先住民が住んでいましたが、1600年初頭にヨーロッパ人による開拓が始まりました。
その後、イギリス、フランス、そして先住民の間で対立が激化し、たびたび戦いが起こりましたが、アメリカ独立戦争の数十年後にアメリカ合衆国に州として加入することになります。現在ネイティブ・アメリカンの人たちは保留地などに住んでおり、カジノなどを経営して生計をたてています。
メイン州は白人が圧倒的に多い州でもあります。アジア人は日本人を含めて比較的少ないので、キャンパス外でも英語を話す機会はたくさんあります。
2.メイン州最大の都市ポートランド

ポートランドの町並み
面積は50州のうち39位、人口は41位です。州の約4割にあたる人口がメイン州最大の都市ポートランドまたはその近辺に住んでいますが、この最大の都市でも人口は67,000人弱であり、アメリカでは小規模都市にあたります。とはいえポートランドのダウンタウンにはショッピング街、美術館、公立図書館、ホテル、オフィスビルなどがあり活気にあふれています。
ポートランドには、19世紀のビクトリア時代風の古い家や教会など歴史的建造物もあり、その街並みの美しさに惹かれてたくさんの観光客が訪れています。「住みたい街」「芸術的な街」といったランキングでは上位常連の街でもあります。
ポートランド・ヘッドライト(灯台)やヘンリー・ワーズワース・ロングフェローの家など歴史的な建造物もあり、アメリカ国内だけでなくカナダなどからも多くの観光客が訪れます。
州都はオーガスタで、ポートランドの北、同じ海岸沿いにあります
3.メイン州の大学について
メイン州には大学数はそれほど多くありませんが、いかにもニューイングランド地方らしい、歴史と伝統を大切に守っているリベラルアーツ・カレッジが充実しています。
それではメイン州を代表する大学をいくつか紹介しましょう。
3-1.メイン大学
まずメイン州の州立大学の代表格が、メイン大学(University of Maine)です。研究に軸をおいた総合大学です。大学生にもリサーチの機会が与えられ、能動的に学ぶ姿勢が求められます。
100近くある専攻プログラムの中では、ビジネスや工学、教育学などが人気ですが、生命科学とくに海洋学の分野に秀でていることでよく知られます。スポーツはアイスホッケーのチームが有名です。
キャンパスをかまえるオロノは、この大学のおかげで全米でも名だたる学生街となっています。街を少し離れると豊かな自然があり、アウトドア・アクティビティを存分に楽しめます。
3-2.ボードウィン・カレッジ

ボードウィン・カレッジ
ボードウィン・カレッジ(Bowdoin College)はメイン州のみならずアメリカを代表する名門リベラルアーツ・カレッジです。
キャンパスは大西洋にほど近く、環境学や自然科学を学ぶのにとても適しているほか、さまざまなアウトドア・アクティビティを楽しめます。寮の施設や学生食堂(Cafeteria)の評判も高く、住み心地のとてもいいキャンパスです。
勉強は大変ですが、いかにもリベラルアーツ・カレッジらしく、教授たちはとても指導熱心で、授業以外の場所でも学生への助力を惜しみません。政治学、経済学、数学などが人気の専攻分野です。ロボティクスの分野もよく知られています。
3-3.ベイツ・カレッジ

ベイツ・カレッジ
ニューイングランド地方で初めての男女共学の大学となったのが、名門ベイツ・カレッジ(Bates College)です。学風は自由で、寛容性を重んじています。
伝統的なリベラルアーツ・カレッジらしく、学生の9割以上が寮生活を送っています。とてもフレンドリーなキャンパスです。キャンパス周辺は豊かな自然があふれていて、カヌー、釣り、スキーなどが楽しめ、アウトドア派にはもってこいの環境です。
留学プログラムに参加する学生も多く、日本語の専攻もあります。
3-4.コルビー・カレッジ

コルビー・カレッジ
コルビー・カレッジ(Colby College)もまた、全米に名を馳せる名門リベラルアーツ・カレッジです。ボードウィン、ベイツ、コルビーが、メイン州のリベラルアーツ御三家になりますが、これだけ優秀なリベラルアーツ・カレッジがしのぎを削る州は、そんなにありません。
学生たちの満足度の高さは全米トップレベルで、「コルビーで学べることが幸せ」と真に実感しているのが、この大学の典型的な学生像といえます。ほとんどの学生が寮生活を送っているのも、リベラルアーツ・カレッジらしいところです。
授業はもちろんディスカッションが中心で、考える力が徹底的に養われます。人気の専攻は生物学、経済学、英語、政治学などで、ほかに国際学を学ぶ学生も多く、約3分の2の学生が留学プログラムに参加しています。
広大で美しいキャンパスは、豊かな自然に抱かれ、アウトドア派にはもってこい。また環境学をはじめ自然科学の生きた学びの場としても、この環境は大いに生かされています。
3-5.カレッジ・オブ・ジ・アトランティック
カレッジ・オブ・ジ・アトランティック(College of the Atlantic)は、いわゆる「専攻分野」を設けないユニークな大学です。学生たちが自由に科目を組み合わせ、あるいは新たに科目をつくるなどして、「ヒューマン・エコロジー」という大きな傘のもとに4年間のカリキュラムを独自に設計する、という仕組みです。
学風はいたって革新的。地球環境やマイノリティへの関心がとても高く、自由を謳歌することと熱心に勉強することとが学生たちの中で一致しています。同質よりも異質を好み、それもまた知的好奇心を高めることにつながっています。ハッピーでヒッピーでホッピーなのが、この大学の典型的な学生像になるかもしれません。
大西洋に面し、アーカディア国立公園に隣接したキャンパスは、息をのむほどの美しさです。自然が大好きという人には最適な環境です。
メイン州は自然が好き、都会が苦手、涼しい気候を好む、アウトドア・アクティビティが大好き、シーフードが好き、アメリカの伝統的なリベラルアーツ教育を受けてみたい、といった人にはおすすめの州です。ぜひ留学先として、メイン州を検討してみてください!
