アメリカ留学1年目に直面した「壁」
こんにちは。8か月ぶりに日本に帰国し、ひたすら日本食を食べているまなみです。日本に帰国すると「やっぱりアメリカの大学は大変?」とよく聞かれます。私はポジティブ思考なので、「辛い」「大変」と感じることがあまりありません。それでも、留学したからこそ直面した「壁」はあります。
今回は、私がアメリカに留学して直面した「壁」について、とくに留学1年目を振り返ってお話しします。これから新しい留学生活をスタートさせる人に、参考にしていただけると嬉しいです!

もくじ
1.友だちをどう呼んでいいのかわからない
1-1.アメリカでは名前を呼ぶのが当たり前
1-2.名前の発音がむずかしい
2.女の子でもHeがいる、Theyもいる
3.名前と代名詞で迷ったときは
4.グループ課題も個人戦?
4-1.グループでの課題は楽?
4-2.グループのメンバーにイライラ
4-3.グループディスカッション当日
4-4.先生に直訴
4-5.グループづくりが大切
5.「壁」も留学の醍醐味
1.友だちをどう呼んでいいのかわからない
アメリカの大学に入学して最初にぶつかった壁は、授業でも言語でもありません。では何であったかというと、これから先、何度も呼ぶだろう友だちの名前です。
1-1.アメリカでは名前を呼ぶのが当たり前
私が留学した大学は学生数が600人ほど。とても小さな大学です。そのため、キャンパス内で会う人はほとんどが知り合いになります。留学生が少ないせいか、アメリカ人の学生は私の名前をすぐに覚えてくれます。
アメリカでは、何気ない会話に名前を入れることが多いと感じます。たとえば、“Good morning, Manami.”と朝の挨拶にも名前が入ってきます。
1-2.名前の発音がむずかしい
名前を呼ばれるのはとても嬉しいことです。でも、私は相手が自分の名前を呼んでくれているのに、自分は相手の名前を呼べませんでした。理由は2つあります。
1つは、慣れない名前ばかりだからです。いままで日本で過ごしていた私にとって、アメリカ人の名前はとても新鮮でした。相手の名前がEmilyやJuliaのように、なんとなく聞いたことがあるときは、心の中でガッツポースをしていました(笑)。でも、聞き馴染みのない名前は、覚えるのに何日もかかりました。
また、名前を覚えたとしても発音がむずかしい。これが2つ目の理由です。スペルがわかっても、発音できなければ意味がありません。名前を呼んでも相手に気づいてもらえないのは、とても寂しいです。その結果、友だちの肩を叩いて話しかけることが多くなりました。
2.女の子でもHeがいる、Theyもいる

みなさんは英語の授業で、女性単数の代名詞はSheだと習ったと思います。
でも、どの子がSheなのかわかりますか?
私が留学している大学は女子大ですが、全員がSheとは限りません。
たとえば、見た目はとても女の子らしい子が「Heを使ってほしい」と思っている場合もあります。ボーイッシュでかっこいい子が「Sheを使ってほしい」と思っていることもあります。
入学したときはそんなことも知らずに全員をSheで表していました。大学の友だちは親切な子が多いので、これらの代名詞を間違えた際に怒られたことはありませんが、なんとなく雰囲気が悪くなったことはあります。本人がいないときに、「あの子はHeだよ」と教えてくれることもあります。
また、HeでもSheでもなくTheyを使ってほしいという人もいました。
あるとき、私は友だちとの会話をエッセー(作文)の中に書きました。他の友だちにそのエッセーを添削してもらっているとき、すべてのSheにチェックを入れられました。「あ、この子はHeだったの?」と聞くと「いや、この子は性別にとらわれたくないという考えかただからTheyだよ」と言われました。そのときの衝撃はいまでも忘れられません。1人なのに多数いるかのような文章になりました(笑)。しかしその後、その子のことをもっと知ると、なぜTheyを選んでいるのかなんとなくわかったような気がしました。
3.名前と代名詞で迷ったときは
友だちをどう呼んでいいかわからない、その悩みに対して私が見つけた解決策は、FacebookなどのSNSでストーカー並みにその人について調べることです。響きは怖いですが、とても有効です(笑)。
その人の友だちが投稿した記事を読むと、呼びやすいニックネームを見つけたり、どの代名詞が使われているのかに気づいたりします。
その後は、信頼できる友だちに発音の練習に付き添ってもらいます。人の名前をただ連呼するので、これもちょっと怖いですが、ほとんどの場合いつかできるようになります(笑)。
そして、どうしても発音できない、または代名詞に何を使ったらいいのかわからない場合は、勇気を振り絞って本人に聞きに行きます。
留学2年目でも、まだ発音が正しくできない名前もありますが、「まなみのその発音は可愛いからそのままがいい」と言われることも少なくありません。
4.グループ課題も個人戦?

授業における「グループ課題」も、私が留学して直面した壁の1つです。
4-1.グループでの課題は楽?
アメリカの大学のグループ課題にはさまざまな種類があります。グループで問題を解き代表者が回答を提出したり、グループでプレゼンテーションしたり、などです。1人では解けない問題や思い浮かばないアイデアでも、グループでなら解決できることもあって、効率よく課題を終わらせることができます。
ただ、これはグループのメンバーによります。まったく協力せずに私にすべてを押しつける人や、自分で勝手に課題を終わらせて何も共有してくれなかった人もいました。
4-2.グループのメンバーにイライラ
私は入学して最初の学期に、政治学をとりました。慣れない英語でアメリカの政治の話をするので、毎回必死に授業に食らいついていました。そんなある日、先生からグループディスカッションの準備をするように言われました。これ以上の遅れをとりたくない私は、自分ができるすべてのことをして、ディスカッションに臨もうと決めます。しかし、前日になってもグループのみんなと集まることができません。私のメッセージに返信をしてくれない人や、ミーティング5分前になって「今日は無理」と連絡してくるメンバーに、私のイライラは最高潮。
その夜、半泣き状態でWriting Centerに行きました(笑)。Writing Centerはその名前の通り、Writingをサポートしてくれる場所です。ですから、グループディスカッションのサポートをしてくれないことは知っていました。それでも、アメリカの政治がまったくわからない私は、とりあえず集められる情報をすべて集め、印刷し、紙の束をWriting Centerに持って行きました。
事情を説明し、重要事項にマーカーを引いてもらいました。もしディスカッションでは話せなくても、「準備をした」とアピールはできると考え、ほぼ徹夜で資料をまとめました。
4-3.グループディスカッション当日
その日の朝は乗馬のレッスンが入っていたのですが、馬の上でもディスカッションのことをひたすら考えていたことを覚えています。教室でやっと他のメンバーに会うことができました。彼女たちは謝りもせず、「どんな資料を持ってきた?」と聞いてきます。私が資料を見せると、「これ貸して」と取られてしまいました。私は「各自で準備はしようって言ってたよね? なんで何も持ってきてないの?」とまたイライラ。気がつけば、グループの全員がディスカッション中に私の資料を読んでいました。
4-4.先生に直訴
なんとか終わったグループディスカッションでしたが、自分の中にはモヤモヤが残っていました。成績にも大きく影響すると知っていたので、後日先生のオフィスに行って相談することにしました。自分は全力で準備をしたのに、他のメンバーが協力的ではなかったこと、自分が準備した資料をそのまま使われ、発言できない場面が何度もあったことなどを伝えました。そうです、相談というか、告げ口のようなものです(笑)。その結果なのか、このディスカッションの成績は想像よりもよかったです。
このようなことをしたのは初めてだったので、初めはいろいろな結果を想像しました。「先生にはただの言い訳に聞こえるのではないか?」とも思いましたが、自分が全力を出し切ったのであれば、それを先生に伝えることによって理解してもらえる場面も多いと思います。とくに成績に反映するものであれば、後悔する前に行動することをオススメします。
4-5.グループづくりが大切
2度とこのような経験をしないために、私はいくつかの解決策を見つけました。とくに気をつけているのは、グループのメンバーです。グループのメンバーによって、課題の大変さは大きく変わります。メンバーによってはとても楽な場合もあります。ほとんど何もしなかったのに、他のメンバーのおかげでよい評価をもらったこともあります。
そのため、私はグループづくりに力を入れています。グループ内で行う課題よりも大事にしているかもしれません(笑)。
グループのつくりかたはさまざまですが、授業中に近くに座っている学生同士が成り行きで同じグループになることが多いと感じます。ですから、教室のどこに座るかが鍵になります。基本的には前のほうに座る学生は、勉強熱心だと感じます。でも、勉強熱心でも協力的ではない人やコミュニケーションが苦手な学生もいます。
私は、ある程度の学生が着席した時点で教室に行き、自分に合いそうな学生の近くに座るようにしています。
グループでの課題を通して友だちをつくることもできます。前から話してみたかった学生の隣に座って、課題を通して仲よくなったり。教室のどこに座るのか、これはけっこう大事なポイントです。
5.「壁」も留学の醍醐味
留学中はさまざまな壁にぶつかります。ときには1人では越えられない壁もあります。「日本にいたらこんなことに悩まなくてもいいのに」と感じることもあります。
しかし、私たちは壁をきれいに飛び越えなければならないわけではありません。工夫次第では、小さな穴を見つけてそこをくぐり抜けることもできます。たくさん悩んで試行錯誤する過程を楽しみながら、壁の越えかたを見つけることができれば、ステキな思い出話にもなると思います。留学は、「壁」も含めて留学の醍醐味なんだと感じています。
まなみさんの記事一覧
・第1回 そうだ、留学しよう
・第2回 私を大切にしてくれるアメリカの大学を探して
・第3回 アメリカ留学生活がスタート! 怒涛の1週間をレポート
・第4回 アメリカ留学中にジャマイカへ\(^o^)/・・・大学の授業の一環です。
・第5回 アメリカに留学して考えた「英語」のこと
・第6回 アメリカ留学中のお金の使いかた。何に、どれだけのお金がかかるのか?
・第7回 アメリカの大学の「お休み」。留学生はどう過ごす?
・第8回 アメリカ留学中の安全・健康管理
投稿日:2018年08月07日(Tue)

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