アメリカ留学の情報収集 アメリカ大学の種類と違い

アメリカの大学への留学をめざす人が思い悩むのが「志望校選び」です。たしかに4000以上もある大学の中から自分にとってふさわしい大学を見つけ出すのは、なかなかたいへんな作業ですし、何をもって一つひとつの大学を比較してよいのかわからない人もたくさんいるでしょう。ここでは、アメリカ留学の最大のハードルともいうべき志望校選びのために、まずは「アメリカの大学を知る」にあたっての注目すべきポイントを解説します。

アメリカの大学の種類や違いを知っておこう

アメリカの大学の種類や特徴を見比べる際のポイントとして、以下の9項目が挙げられます。
志望校選びの際にも比較すべきポイントになりますので、ひと通り知っておきましょう。

ポイント1:大学の種類

総合大学かリベラルアーツ・カレッジか、または芸術大学か

総合大学とは、複数の学部が集まって成り立っている大きな大学のことです。リベラルアーツ・カレッジは、バランスのとれた教養を身につけさせることを重視している小規模の大学です。芸術大学とは、アートや音楽などを専門的に学ぶ大学です。

高校を卒業したばかりの日本人留学生に適しているのは、小さなリベラルアーツ・カレッジです。英語が得意で、しっかり自分を律することができるのであれば総合大学をめざしてもいいでしょう。小さい頃からアートや音楽にくびったけという人は芸術大学を視野に入れてもいいでしょう。

共学か別学か

アメリカには約40の女子大があり、いずれも小さなリベラルアーツ・カレッジです。

アイビーリーグ校に対して、「セブンシスターズ」と呼ばれるWellesley College、Smith College、Bryn Mawr College、Mount Holyoke College、Barnard Collegeなどは名門女子大として知られ、各界にたくさんの女性リーダーを送り込んでいます。ヒラリー・クリントン氏やマデレーン・オルブライト氏も名門女子大の出身です。

女子大では学生のきずなが強く、お互いを助け合い、刺激し合う環境がつくられています。とくにリーダーシップを育むことに力を入れているのが女子大の特徴です。

男子だけの大学は士官学校など特殊な大学が多いので、あえて志望校の選択として考えなくてもよいでしょう。

ポイント2:大学の規模

大学の「規模」とは通常、在学生数のことをいいます。

アメリカには在学生が1,000人に満たない大学から3万人超の学生をかかえるマンモス大学まであります。

学生数が1万人を超えれば大規模大学、反対に3,000人に満たなければ小規模大学、その中間は中規模大学、と区別できます。

以下に大規模大学と小規模大学それぞれの、おもな特徴を挙げます。

大規模大学の特徴
  • 専攻学科や科目の種類と数が多い
  • 図書館やスポーツ施設などの設備が充実している
  • 学生の社会的、文化的バックグラウンドが多様である(とくに私立の場合)
  • 参加できる社会活動や課外活動が豊富
  • スポーツに力を入れていて、全米レベルの大会も開催する
  • 1クラスの学生数が多い
  • 一般教養科目は教授ではなくTA(大学院生の助手)が教えることがある
  • 教授と接する機会が少ない/個人指導が期待できない
  • 大学院生の教育に重点を置いている
  • 課外活動でリーダーシップをとれる機会が少ない
  • 親しい友だちができにくい
小規模大学の特徴
  • 1クラスの学生数が少ない(30人以上のクラスはめったにない)
  • 一般教養科目でもTAではなく教授が熱心に教える
  • 教授やアドバイザーと親しくなれる
  • 個々の学生が自分の能力やペースに合わせて学習できる
  • 独自なリサーチや論文づくりに主体的取り組める
  • 討論する力、書く力、理論的なものの考えかたが身につく
  • 課外活動で活躍できる機会が多く、スポーツチームでもレギュラーになりやすい
  • キャンパスの雰囲気がフレンドリーで友だちもつくりやすい
  • 管理体制や学生サービスに柔軟性がある
  • 専攻学科・科目の数や種類、教授の数が少ない
  • 設備が大規模大に比べて劣る
  • スポーツにあまり力を入れていない

ポイント3:地域

参加された方々のご感想

アメリカは国土が日本の25倍もあり、東部と西部、北部と南部では気候はもちろんのこと、そこに住む人の気質にも差異があります。

一般的に東部から北東部にかけては教育レベルが高く、とくにニューイングランド地方(メイン州、ニューハンプシャー州、バーモント州、マサチューセッツ州、ロードアイランド州、コネチカット州)には伝統ある名門大学が集まっています。

この地方には日本のように四季の移り変わりがあって、冬は雪に閉ざされますが、かえって勉学に専念できます。

地域的な希望がとくになければ、まずは大学教育に熱心で大学数も圧倒的に多いニューイングランド地方とその周辺の州の大学を見ていくといいでしょう。

南部や西部では州立大学とコミュニティ・カレッジが発達しています。これらの地域にはマイノリティ(白人以外)が多く住み、ヒスパニック系やアジア系の移民などが多く暮らしています。地区によっては英語よりもスペイン語のほうが使われることもあります。

また、スポーツをする人は、ウィンタースポーツをしたければ山間部の大学、マリンスポーツに打ち込みたければ西海岸やフロリダ州など、目当ての種目によって地域を選択するのもいいでしょう。

ポイント4:立地

「立地」とは、キャンパスが位置する環境が、都会/郊外/田舎のいずれか、ということをいいます。

都会か田舎か、という点では一概にどちらがいいとはいえませんが、留学生には田舎のほうが向いています。

アメリカの国土のほとんどは田舎ですし、都会の喧騒から離れ、落ち着いて勉強に専念するには田舎はもってこいです。

また、大自然に囲まれたキャンパスではアウトドア・アクティビティに打ち込めます。澄んだ空気と青々とした緑は、勉強のストレスを和らげてくれます。

アメリカの大学生活を満喫できるのは、都会より田舎の大学のほうです。

美術や音楽を専攻する人にとっては、大都会の美術館やシアター、コンサートホールは大きな魅力です。都会で遊びにふけってしまう心配もありますが、都心へのアクセスに便利な郊外に大学を探してもいいでしょう。

また、入学して最初の1、2年を田舎の大学で過ごし、学生生活に慣れ自分で勉強のペースがつかめるようになる3年目から都会の大学に編入する、というのも、田舎と都会の両方を経験できて有意義かもしれません。

ポイント5:カリキュラム

志望校選びにあたって十分に考慮しなければならないのが、大学のカリキュラムです。具体的には、

  • 卒業までに取得しなければならない単位数
  • 一般教養課程の必須科目
  • 学期制(セメスター/トライメスター/クォーター)

を調べます。また、すでに専攻を決めている場合は、

  • その専攻学科があるかどうか
  • 専攻学科の必須科目と選択科目
  • 専攻学科の教授の数とプロフィール

にも目を配ります。

ポイント6:難易度

アメリカの大学の入学難易度というのは、日本のように偏差値がないだけに、なかなか測りづらいものですが、以下の要素を参考にすることができます。

  • 入学生のSAT®(ACT®)スコアの分布
  • 本サイトなどの入学難易度評価
  • 入学生の高校成績平均値(GPA)
  • TOEFL®テスト要求点数
  • 合格率

たとえばハーバード大学やスタンフォードといった超難関大学の合格率は5〜8%くらいですが、テストスコアやGPAで足切りになるというわけではありません。さまざまな要素が総合的に評価されて合格が決まります。

アメリカの大学はある1つの要素だけで合否を決めません。難易度については、実際に出願するまではそれほど気にせず、あなたの「行きたい!」という気持ちを優先させて大学を選びましょう。

ポイント7:費用

アメリカの大学の1年度の学費は私立大学で約20,000ドルから40,000ドル、州立大学で10,000ドルから35,000ドルくらいです。大学の選択にあたっては学費の上限を決め、それを上回る学費の大学は対象からはずすという考えかたもありますが、どうしても行きたい大学には学費にかかわらず出願したほうがいいでしょう。合格校がすべてそろった時点で、行くか行かないかを決めても遅くはありません。

また留学生であっても、高校で優秀な成績を修めていたり、課外活動で活躍していたり、人物的に魅力があったりする場合には、奨学金を授与する大学も増えています。

奨学金の申請は出願するときに同時にする必要があります。栄 陽子留学研究所では学生が留学費用を少しでも抑えられるように奨学金獲得のための努力を重ねてきた結果、ほとんどの学生にが奨学金を得ています。

ポイント8:在学生のプロフィール

在学生のプロフィールとは、

  • 男女比
  • 人種構成
  • 留学生の割合
  • 州外からの学生の割合
  • フルタイム学生の割合

などです。

ポイント9:留学生にとっての学びやすさ

日本の高校を卒業して1年生としてアメリカの大学に入学する場合、学生数が少なくて(およそ3,000人未満)、フレンドリーなキャンパスの大学が学びやすいでしょう。

学生数が10,000人を超すような大きな大学は、授業も階段教室で行われるため、なかなか質問もできません。とくに英語が苦手な人にとっては、一人ひとりの学生に対する親身なサポートが欠かせません。先生もスタッフも、小規模大学のほうが親切です。

また州立大学は、もともと州内の人のためにできた大学です。その州の人への教育に力を入れていて、州外から来た留学生へのケアが行き届かないこともあります。

本サイトでは、留学生の学びやすさと教育の質をさまざまな観点から評価し、各大学の「おすすめ度」を5段階でランクづけしています。栄 陽子留学研究所のこれまでの実績を総動員した、オリジナルの大学ランキングです。


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