大学留学に必要な英語力とは?
アメリカの大学留学というとどうしても英語が心配という人はたくさんいます。たしかに授業はもちろん、生活もすべて英語ですから、英語ができないと留学もできないと思ってしまうかもしれません。
しかし、アメリカの大学は英語を勉強する場所ではありません。問われるのは個々の科目に対する理解度であったり、自分なりの意見や発想です。
入学審査にあたってTOEFL®テストやIELTS™️、Duolingo English Test(DET)などのスコアの提出が求められるものの、それだけで合否が決まるというものでもありません。このページでは、留学生の英語力について考えてみましょう。
TOEFL®テスト・IELTS™️・Duolingo English Testの位置づけ
アメリカの大学は留学生に対して、何らかのかたちで英語力を示すものの提出を求めています。そのため出願にあたっては、TOEFL®テストやIELTS™️、Duolingo English Testのスコアを提出することになります。基本的には、どのテストを受けてもOKです。
これらのテストのスコアは、たしかに出願者の英語力をある程度は示すものです。しかしアメリカの大学は、それだけで合否を決めることはしません。
学校の成績やエッセー(自己紹介の作文)、推薦状、課外活動など、さまざまな書類を通じて、さまざまな観点から出願者を多角的・総合的に判断して合否を決めます。英語のテスト=入学試験ではありません。テストにとらわれすぎないことが大切です。
ちなみに各テストのスコアを比較すると以下のようになります。
〜〜英検・TOEIC®テスト・TOEFL®テスト・Duolingo English Test(DET)・IELTS™️テスト換算表〜〜
英検 | TOEIC®テスト | TOEFL®テスト(iBT) | DET | IELTS™️ |
---|---|---|---|---|
- | 960以上 | 109~120 | 140~160 | 8.0~9.0 |
1級 | 875~950 | 100~108 | 130~135 | 7.0~7.5 |
準1級 | 645~865 | 61~99 | 95~130 | 5.0~6.5 |
2級 | 470~635 | 41~60 | 80~90 | 4.0~4.5 |
準2級 | 300~465 | 32~40 | 70~75 | 3.0~3.5 |
3級 | 240~290 | 26~31 | 60~70 | 3.0 |
日本人よ、英語に自信をもちなさい!
日本人の英語力はだいたい英検でいえば準2級というのが平均ではないでしょうか?
まあ中学3年間は何とか英語をしっかり勉強してきたというレベルです。じつはアメリカでの日常英会話はその程度で十分なのです。
たとえ、長い期間にわたって留学しなければならない場合でも、この中学3年間のベースさえあれば何とかなるのです。
だから日本人は義務教育で学んだ英語に自信をもたなくてはいけません。高校でもプラスして3年間学ぶわけですから、英語については胸を張ってアメリカの大学への出願に臨んでよいのです。
英語は賢さのバロメーターではありません
さて、たとえばDuolingo English Testで130点とかをとるような人はどんな人だと思いますか? やはりセンター試験の英語で満点をとるような人です。東大なんかサッサと合格する人。つまり集中力・記憶力・自己管理能力がしっかりしている人のことです。いまの日本の教育にピッタリの人。「リンカーンが奴隷解放したのは何年か?」をきちんと記憶できる人です。
日本ではそういう人をエライと言っているので、英語のテストのスコアが高い人がエラくて、つい賢いと思ってしまうのです。逆にそうでない人はできない、努力が足らないとなるわけです。
移民の多いアメリカでは、小学校しか出ていないままABCも知らない外国人が毎日ドヤドヤと移民としてやってきて、何とかありついた掃除程度の仕事から英語を身体で覚えていきます。そうして英語のテストのスコアが高い日本人よりはるかにうまい英語を話すようになります。英語なんてそんなものです。生活がかかれば、どんな人だって英語をすぐにマスターします。日本に来た外国のお相撲さんの日本語のうまいこと!
せっぱつまれば英語はすぐにマスターできる!
多くの日本人は中学3年の1学期に習ったことはその時には覚えているけれど、終わったら忘れ、高校1年の2学期に習った英語も期末テストが終わったら忘れて、という繰り返しで、なかなか英語が身につきません。
アメリカ移民方式で英語を身体で覚えるやり方ができればハッキリ言って一番ラッキーですし、それが英語をものにする一番の近道でもあります。アメリカの寮制の大学に入りアメリカ人と一緒に住んで、同じものを食べて、つたない英語でアートでも数学でも授業を受けて、恥をかいて、断崖絶壁に立たされたような、せっぱつまってお尻に火をつけられたような状況に置かれることが、身体で英語を覚えるという方法なのです。
英語が弱くても個性をアピールできれば合格できます
さて、アメリカの大学の教育の目標は「分析力と判断力と決断力を養うこと」と言われています。つまり「あなたがリンカーンだったら奴隷解放をしたか」「それはなぜか」を問う教育なのです。歴史をどう分析し、その当時の状況をどう判断し、もしリンカーンの立場だったら、どう決断するかを問うのです。
こうした教育を実践するために、アメリカの大学のアドミッションズ・オフィス(入学の審査をする部門)は、いろいろと多様性に富んだ学生を入学させ、学生同士で意見を戦わせようとします。異なる意見をもつ学生を集めるほうが、授業が刺激的でおもしろくなります。その中で分析力と判断力と決断力を養おうとするのです。
ですから、英語が弱くても、自分は個性的で、他の学生に影響を与えられることをアピールできれば、大学からすると魅力的な学生だと映り、十分に入学許可を得られる可能性があるわけです。