ACT®とは?

ACT(エイシーティ)は、American College Testingの略でアメリカの高校生が受ける大学進学のための標準テスト(Standardized Test)です。

アメリカの大学に進学する際に受ける標準テストとしては、ACT®のほかにSAT®というテストがあります。SAT®のほうが日本人にはポピュラーかもしれません。

このページでは、ACT®について詳しく解説します。SAT®のことを知りたい人は、留学に必要なSAT®とはどんなテストなのか?を参照してください。

ACT®とは?

ACT®は、大学進学を予定しているアメリカの高校生の学力を測るテストです。1959年以来の長い伝統を誇るテストで、アメリカの「標準テスト」です。2021年度の受験者数は130万ほど。前年は170万でしたので大幅な減少です。コロナの影響が非常に大きかったということになります。

なぜ「標準」なのかというと、国土面積が日本の25倍もあるアメリカでは、地域や地区によって教育レベルに差があります。また高校までが義務教育ですので、高校生によって学力が大きく異なります。そこで、全米の「標準」に照らして高校生の学力を測るために、ACT®やSAT®といったテストがその役割を担っているわけです。

American College Testという名前の通り、「アメリカの大学」に進学するために必要な学力を測るテストで、対象者も基本的にアメリカの高校生です。

アメリカの多くの大学が、出願者に対して、ACT®もしくはSAT®のスコアの提出を求めています(留学生は例外とする大学も少なくありません)。何度受けてもかまいませんが、アメリカの高校生はいずれかのテストを1、2回受けて、よいほうのスコアを大学に提出しています。ACT®とSAT®の両方を受けるという人も増えつつあります。


ACT®の内容

ACT®は

・英語(English)

・読解(Reading)

・数学(Math)

・理科(Science)

という4つのセクションから構成されています。すべて選択肢問題です。

また作文(Writing)を任意で受けることができます。

テスト時間は、作文を除くと2時間55分、作文を加えると3時間35分です。

セクション 問題数 時間
英語(English) 75問 45分
数学(Math) 60問 60分
読解(Reading) 40問 35分
理科(Science) 40問 35分
作文(Writing)※任意 1課題 40分

英語(English)

文法、語い、表現などが問われます。コンマやコロンの正しい使いかたなども問題になります。外国語としての英語ではなく、国語としての英語が扱われます。

数学(Math)

アメリカの高校2年生までに習う代数・幾何が問われます。電卓の使用が許可されています。このセクションは、数学用語(meanとmedianの違いなど)をおさえておけば、日本人でも比較的に高スコアを狙えます。

読解(Reading)

4つの文章(人文科学、社会科学、自然科学、フィクション)を読んで、それぞれについて10の設問に答えます。いずれも多くて750単語ほどの文章です。大学1年生が読み解けるレベルのテキストが題材になります。

理科(Science)

生物学、化学、物理学、地学/宇宙科学の分野における、データの分析、実験の手法や評価などが問われます。

作文(Writing)

高校もしくは大学1年生レベルの作文をします。このセクションは任意で受けるものですが、名門大学ではこのセクションの受験を推奨または必須としています。


ACT®のスコア

作文を除くそれぞれのセクションが1〜36点で採点されます。総合スコア(Composite Score)は、4つのセクションの平均点になります。したがって、最低点は1、最高点は36ということになります。

作文のセクションは、これとは別に2〜12点で採点されます。

ACT®の平均点は、さまざまなデータによると、全米で21点くらいです。アメリカの普通の高校生も、まずは21点をめざして対策をたてるようです。

なお、ハーバード大学入学者の平均は34点、UCLAは31点です。名門大学をめざすのであれば、30点以上を狙わなければならない、というのが通説です。


ACT®の受験手続

ACTの公式ページでアカウントを作成し、テスト会場と日時を選択し、受験を申し込みます。日本では東京、福岡、沖縄で受験できます(テスト日によって会場は異なります)。

受験料は168.5ドルで、任意受験の作文を受けると、プラス20ドルかかります。支払はクレジットカードで行います。申込の際には顔写真もアップロードします。


大学入学審査におけるACT®の位置づけ

アメリカの大学は、入学審査において、出願者1人ひとりの人間としての魅力や個性をしっかり評価しようとします。そのため、高校の成績、エッセー(作文)、推薦状、課外活動や表彰経験など、さまざまな角度から出願者を評価します。

ですからACT®のテストスコアもそれらの評価軸の1つにすぎません。また、最低限の必須スコアを定めている大学はほとんどありません。つまり、ACT®が何点以上(以下)であれば合格(不合格)というものではありません。

また留学生に対してはACT®(もしくはSAT®)のスコア提出を課していない大学もたくさんあります。留学するなら必ずACT®を受けなければならないというわけではありません。

さらに2020年のコロナ感染症の影響で、ACT®やSAT®を受けられない高校生もたくさん出てきたため、これらのテスト提出を任意とする大学も少なからずありました。コロナが収束してもこの流れはとどまらないものと予想されています。


ワンポイント

ACT®は2012年以降、受験者が増えている標準テストです。とはいえアメリカの高校生が、ACT®のために必死に受験勉強をするということはありません。また日本からの留学生に必ずACT®を受けなさいというアメリカの大学はまずありません。少なくとも学校の成績よりテストスコアを重視する大学はありません。

英語が得意であれば、まずは腕試しに、無料のサンプルテストなどを受けてみるのはいいでしょう。思いのほかいいスコアがとれる手応えを得られれば、本番を受けてみるといいと思います。

いずれにしても、あまりテストにとらわれることなく、アメリカの大学への留学を考えている人は、学校の成績をよくすることと、楽しく充実した学校生活を送ることのほうを大切にしてください。



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