アメリカ留学の費用と奨学金、その他の節約術について

アメリカ留学における志望校選びの大きなポイントが「留学費用」です。

できるだけ安い費用で留学したいとはだれしもが望むことですが、アメリカの大学は、学費と教育の質が比例している場合が多く、レベルが高い大学ほど学費も高いという傾向にあります。

このページでは、アメリカ留学にかかる費用について解説し、あわせて留学費用の節約方法を考えてみたいと思います。


アメリカの大学の学費の平均を知ろう

アメリカの大学に支払う費用には、大きな額のものとして[1]学費(Tuition)、[2]寮費(Room)、[3]食費(Board)があります。アメリカの大学は基本的に寮制ですので、これら3つの項目を合わせた「学費+寮・食費」=Tuition, Room & Boardが、留学にかかるメインの費用ということになります。

アメリカには4,000以上もの大学があり、規模や教育レベル、特徴はさまざまです。学費も大学によって大きな差があります。

ここでは2022年度の四年制大学の1年度(9月~翌年5月)にかかる費用の平均を紹介します。このほか、おこづかいや教材費、旅費や保険など、年に10,000ドルくらいかかるものと考えておくとよいでしょう。

アメリカの大学の学費と寮・食費の平均(2022年度)

 

州立大学
(州内出身者)
州立大学
(州外出身者)
私立大学

学費

10,790ドル 28,240ドル 39,400ドル

寮・食費

12,310ドル 12,310ドル 14,030ドル

合計

23,250ドル 40,550ドル 53,430ドル

(College Boardより)

州立大学の学費は出身地によって異なる

州立大学は、州の税金によって運営されていますので、州内出身の人を優遇します。入学基準も、州内の人のほうがゆるやかに設定されていますし、上の表を見てもわかるように、学費も州外出身の人に比べて半額以下です。

留学生は「州外出身者」ですので、州民に比べて2倍以上の学費を支払うことになります。レベルの高い州立大学ともなると、私立大学並みの学費を設定しています。たとえばUCLA(University of California , Los Angeles)の学費は約45,000ドル(2022年度)もします。

費用が高い大学、安い大学

アメリカの大学のうち、費用が高いのはハーバードやイェールなどの名門私立大学です。たとえばハーバードの2022年度の学費は約53,000ドルで、イェールは62,000ドルです。

大学にとって学費が高いことは、質の高い教育を実践しているという1つのステータスシンボルにもなっています。よい教育を受けるにはそれなりのお金がかかるというのが、アメリカの一般的な考えかたです。こうした名門大学は奨学金もたくさん出しています。

一方で、宗教色の強い大学は寄付が多く集まるので学費が安い傾向にあります。また都会に比べて田舎にある大学のほうがおおむね安価です。中西部や、西部の内陸側の州は比較的に学費の安い大学がめだちます。

生活費もあわせて考えると、留学費用が最も高くなるのは、大都会でアパート暮らしをしながら私立大学に行く場合です。都会にある大学は寮が不足していることが多く、寮に入れなければアパートを借りなければなりません。

ボストンやニューヨークは東京よりも家賃が高く、物価も日本より高いのが現状です。

都会に比べると田舎で寮生活を送るほうが留学費用は安く済みます。キャンパス内で生活のすべてが完結しますし、周囲に娯楽もありませんので、余計なお金を使いません。

留学生のおこづかい

田舎の大学で寮生活を送る限り、それほどお金を使う機会がありませんので、おこづかいもさほど必要としません。日常的に財布を開くこともないでしょう。

対照的に、都会でアパート暮らしをする場合は、日々の食事をはじめとして何かとお金を使う機会が増えます。おこづかいの額も大きくなりがちです。お金のやりくりに苦心することになります。

ここで、田舎の大学で寮生活を送っているAさんと、都会でアパート暮らしをしているBさんの、1学期間(秋学期:9~12月)のおこづかい帳を比べてみましょう。

  Aさん Bさん
9月 外食×2回
大学主催の遠足
映画&TVサイト
24ドル
16ドル
9ドル
外食×5回
観劇
230ドル
65ドル
10月 外食×2回
美術館
映画&TVサイト
22ドル
8ドル
9ドル
外食×4回
買い物(服)
書籍
ライブ
175ドル
35ドル
14ドル
47ドル
11月 外食×2回
大学主催の遠足
買い物(服、靴)
書籍
映画&TVサイト
28ドル
12ドル
168ドル
18ドル
9ドル
外食×4回
買い物(服)
ライブ
映画
139ドル
45ドル
65ドル
15ドル
12月 外食×3回
書籍
映画&TVサイト
36ドル
13ドル
9ドル
外食×5回
イベント
ライブ×2回
観劇×2回
美術館
322ドル
17ドル
130ドル
150ドル
10ドル
4か月の合計   381ドル   1,459ドル

このように比べてみると、都会で暮らすBさんのほうが、よほどおこづかいの金額が大きいことがわかります。AさんよりもBさんのほうが不真面目というわけではなく、お金を使う機会が多いわけです。

寮生活をしているAさんは、キャンパス内の学食で食事を済ませばよいのですが、Bさんは自炊しなければならず、都会はお店もたくさんありますから、つい外食に頼ってしまいがちになります。またBさんのライブや観劇の回数が多いのは、遠方の友だちが観光としてやって来るたびに、それらに同行するからです。

Aさんのおもな娯楽は有料で加入している映画&TVサイトくらいで、質素でシンプルな生活を送っています。本については2人とも電子書籍を買っています。

費用の観点から大学を選ぶポイント

費用の観点からアメリカの大学を探す際のポイントは、予算の上限をあまり厳しく定めないことです。奨学金を得られるチャンスも小さくないので、予算を超えているという理由だけで志望校を外すことをせずに、まずは行きたい気持ちを優先させて大学をピックアップしましょう。

また単に安ければ安いほうがいいというのではなく、上記の平均額を参考にして、平均よりあまりに低い場合は、その原因を大学のホームページ等でよくチェックしましょう。費用があまりに安い大学は、たとえば宗教色がいちじるしく強い、教育の質や環境がよくない、地域の低所得者への教育に特化している、といった特徴が見られる場合があります。

質の高い大学ほど費用も高いが、奨学金の額も大きい

ハーバードの1年度の費用は、学費が約53,000ドル、寮+食費が約20,000ドルです(2022年度)。合計で73,000ドルにもなります。ちょっと常識では考えられない額です。

しかし年間で73,000ドルというのは、もはやめずらしい額ではなくなりつつあります。アメリカには、このくらいの高額を設定している大学はほかにもたくさんあります。とりわけ名門と呼ばれる私立大学はそうです。

質の高い教育を行うためには、つねに最新の設備を整える必要があります。とくに最近のIT設備の導入にはたいへんなお金がかかっています。またクラスの人数を少なく抑えることも良質の教育に欠かせません。ハーバードの学生と教員の数の比は5:1です。それだけたくさんの教員を雇うことで質の高い指導を実践しているのです。

しかも知的好奇心が旺盛な学生を満足させるために、教授陣にすぐれた人材をそろえなければなりません。こうしたことが積み重なって、レベルの高い大学ほど学費も高くなるわけです。

そうはいっても、年間73,000ドルもの費用をポンと出せる家庭などそんなにありません。費用を高く設定することで優秀な学生を逃がしてしまっては、大学にとってもマイナスになります。

そこで費用の高い大学ほど、よりたくさんの奨学金を出します。奨学金をたくさん出していることは、その大学の財政状況が良好であることの目安にもなりますし、どんな貧しい人にも教育機会を与えるということで社会貢献にもなり、大学のイメージアップにつながります。

アメリカの大学の学費と奨学金は、まるでイタチごっこのようにして値上がりを続けているのです。ハーバードでは、約7割の学生が奨学金を得ており、2割の学生はまったくの無料で在学しているそうです。

奨学金を得られるチャンスの大きさを考えると、「アメリカ大学ランキング」で提示している学費と寮・食費の額は、目安として見るくらいにとどめておくのがよいでしょう。金額だけを見て留学をあきらめるのはもったいないことです。積極的に奨学金のチャンスを探っていきましょう。


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留学期間を短くして留学費用を節約する

留学費用を節約したい人には、留学期間を短くするという方法が考えられます。

アメリカの大学は単位制ですから、日本の大学の単位も認めてくれます。そこで、日本の大学の単位をアメリカの大学に移行して、留学する期間を短縮するのです。留学期間を短くすれば、それだけ費用も節約できます。

このような「編入留学」は、留学期間と費用を節約するとても有効な手段です。日本の大学は、夜間でも放送大学でも、短大でもOKです。

うまく単位を認めてもらえればアメリカの四年制大学を2年で卒業できます。また1年生としてアメリカの大学に入学しても、早いペースで単位を取得すれば、3~3年半で卒業することも可能です。

いかにアメリカの大学の単位の仕組みをよく知っているかが、留学費用節約のカギになるのです。

学費の高騰が続くアメリカの大学。それに対して、円安などを起因として、留学に対して二の足を踏む人が多い日本。留学費用はいつでもむずかしい問題ですが、アメリカの大学は、日本からの留学生を歓迎するというのが基本的なスタンスです。

ぜひ迎え入れたいという人に対しては、奨学金の給付も前向きに考慮してくれます。いまや留学費用は、奨学金をセットにして考える時代だといえるでしょう。


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ワンポイント

栄 陽子留学研究所では、長年にわたってアメリカの大学の費用と奨学金の最新情報をキャッチし、日本人留学生がアメリカの大学から奨学金を獲得するためのノウハウを蓄積してきました。当研究所を通じてアメリカの大学に留学した人うち、4年間全額の奨学金を得る快挙をとげた人も含めて、9割以上の人が返済不要の奨学金を得ています。

奨学金を得られるチャンスも含めて、留学費用の考えかたについて詳しく知りたいかたは、ぜひ留学相談をお受けください。


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