アメリカ留学に避けて通れない「エッセー」とは?

みなさんこんにちは! アイオワ州の小さな大学に留学中のさなです!

日本では卒業シーズンも終わり、新生活が始まる季節になりましたが、アメリカの大学はまだ春学期の途中。留学生も、アメリカ人の学生も、期末テストに向けてみんな一生懸命勉強に励んでいます。

さて前回の記事では、「どのようにして私がいまの大学を選んだのか」についてお話ししました。

今回は、アメリカの大学の合格と不合格を大きく左右するエッセーについてお話ししたいと思います。



もくじ
1.アメリカの大学に提出するエッセーとは?
 1-1.アメリカと日本のエッセーの違い
 1-2.エッセーの構成
 1-3.エッセーの重要性
2.エッセーを書くプロセス
 2-1.ブレインストーミング
 2-2.日本語で書く
 2-3.英語に訳す
3.私が留学のために書いたエッセー
 3-1.コモン・アプリケーションのエッセー
 3-2.大学独自のエッセー
4.エッセーを書くときに苦労したこと
 4-1.論理的に書くこと
 4-2.なぜ? どうして? を自問すること
 4-3.自分をアピールすること
5.まとめ


1.アメリカの大学に提出するエッセーとは?


アメリカの大学は、日本の大学のように一斉の入試で合格が決まることはありません。願書、推薦状、テストスコアなど、いろいろな書類を総合的に審査して合否を決めます。エッセーも、そんな出願書類の1つです。しかも、とても重要な書類です。

では、エッセーってどんなものでしょうか?


1-1.アメリカと日本のエッセーの違い

「エッセー」というと、どんなイメージをもちますか? 随筆や日記のような、日常で気づいたこと・思ったことを書くというイメージが強いのではないでしょうか。

アメリカでいうエッセーは、これとまったく異なります。

まず、必ず自分の意見をはっきり述べなければなりません。その意見が、エッセーのテーマになります。そして、論理的に書かなければなりません。論理的に書くということは、きちんとした構成(Outline)にのっとって書くということです。その構成を、簡単に説明しましょう。


1-2.エッセーの構成

まず、そのエッセーで言いたいこと(意見)を書きます(Introduction)。これがテーマです。

そして、その言いたいことに、どのような理由・経緯で到達したのか、あるいはその言いたいことの根拠を、具体的な例をいくつか挙げて説明します(Body)

最後に、テーマを再確認します(Conclusion)

エッセーの基本的な構成は、以下の5段落から成ります。

第1段落 Introduction
第2段落 Body #1
第3段落 Body #2
第4段落 Body #3
第5段落 Conclusion

このようにアメリカのエッセーは、構成がとてもはっきりしているのが特徴です。必ずしも5段落にこだわる必要はありませんが、テーマから話が逸れたり、最後までテーマがはっきりしないようなエッセーは、アメリカでは歓迎されません。

アメリカの大学に留学する際に提出するエッセーの場合、

・なぜその大学に行きたいのか
・なぜアメリカに留学したいのか
・その大学で貢献できること
・その大学で達成したいこと
・将来のゴール

などがテーマになると思います。


1-3.エッセーの重要性

アメリカの大学に出願する際のエッセーのトピックは、コモン・アプリケーションという全米750以上の大学に共通して使える願書で指定されているものと、個々の大学が独自に課しているものがあります。

エッセーは、留学したい大学に自分を最大限にアピールできる材料の1つで、アメリカの大学に出願する上でとても大切な役割をしています。


2.エッセーを書くプロセス


アメリカ式のエッセーを書いたことがない、しかも英語で文章を書くなんて経験がない、という人にとって、エッセー・ライティングはとても大変なプロセスだと思うかもしれません。

でも、心配することはありません。私自身、英語で文章を書く経験がほとんどありませんでしたが、日本語で書き始めて、ていねいに英訳しながら、最終的に自分が納得できるエッセーができました。

私の経験をもとにして、エッセーを書くプロセスを紹介しましょう。


2-1.ブレインストーミング




まずは、自分の意見や書きたいことを明確にし、考えを膨らませるためにブレインストーミングをします。私の場合は、真っ白の紙に思ったことを思ったままに書いて、蜘蛛の巣のようにつなげていきます。

この作業をするかしないかで、エッセーの出来がまったく違います。ブレインストーミングをすればするほど、いままでにない考えが浮かんできて、深くておもしろいエッセーが書けます。


2-2.日本語で書く

次に、私は日本語で原稿を書きました。

日本語で書くのであまり抵抗もなく自分の思ったことをそのまま書けましたが、ここでのポイントは、きれいな文章ではなく、英語に直しやすいような日本語で書くということです。

最終的に英語に訳すことを想像しながら、1文1文、気をつけて書くことが次のステップの英語になおす作業をスムーズに進めるコツです!


2-3.英語に訳す

最後に日本語の文章を英語に訳します。わからない単語はもちろん辞書をひいたり、人に聞いたりします。

日本語から英語にただ訳せばいいとはいうものの、日本語と英語は文法などがかなり違うので、言いたいことや内容が翻訳によって変わらないように注意して直していきました。


3.私が留学のために書いたエッセー




私がアメリカの大学に出願したときに実際に提出したエッセーについて詳しくお話ししたいと思います。

私はコモン・アプリケーションの課題と、大学独自の課題の、2つのエッセー書きました。


3-1.コモン・アプリケーションのエッセー

コモン・アプリケーションのエッセーでは、高校生のときに、高校主催の合唱コンクールで指揮者をした経験について書きました。

音楽経験がまったくない私がクラスのリーダーとして、合唱にやる気のある人とやる気のない人のギャップを埋めるためにどのように行動したのか、またその経験から得た、自分が思い描くリーダー論です。

そしてその経験が、どのようにアメリカの大学に留学したいという気持ちにつながったのかを書きました。こんな素晴らしい経験をして、自分はこれだけの強みをもっているということを存分にアピールしました。


3-2.大学独自のエッセー

私が出願した大学では、「自分の成功の定義」と「自分がなぜその大学に入りたいのか」という課題が与えられました。

私は、「信頼できる仲間とともに世界を舞台にして働きたい」という将来の夢を叶えるために、他のアメリカの大学にない、その大学の特徴的なプログラムが私にぴったり合っていることを書きました。

「成功の定義」といわれると、とても重いトピックのような気がしますが、将来の夢とつなげると、とても書きやすくなると思います。


4.エッセーを書くときに苦労したこと


それまで、ほとんど英語で文章を書いたことのない私には、エッセーははっきりいって未知の世界で、とても大変でした。とくに苦労した点についてお話しします。


4-1.論理的に書くこと

私が最も苦労したのが、論理的に書くことです。

英語のエッセーは論理的な構成が望ましいとされていて、結論と根拠がとてもしっかりしています。常に自分の考えを念頭に置いておかないと、書いているうちにすぐ話がずれてしまします。

私も、話が何度も横道に逸れてしまったり、書きたいことがたくさんありすぎてまとめるのがとても大変でした。


4-2.なぜ? どうして? を自問すること

「なぜこの行動に至ったのか」、「なぜこれが重要なのか」など、エッセーを書く上で、常に「なぜ」という言葉がついてまわります。

「なんとなくこう思った」ではダメで、きちんと自分の意見に理由づけをしなくてはなりません。そのためにブレインストーミングがとても大事だと感じました。


4-3.自分をアピールすること

日本では、なかなか自分を表現する機会は限られています。そのため自分の長所について書くというお題は、私にとってとても気恥ずかしかったです。自分を褒めることになかなか自信をもてませんでした。


5.まとめ


エッセーでは自分をいかに自分の考えを表現するかが大事です。

実際にアメリカの大学に留学すると、授業では意見を求められ、宿題としてたくさんのペーパー(レポート)も書くので、考えるということが習慣になり、毎日のことでも疑問をもつようになります。

「英語に自信がない」「英語のエッセーを書いたことがない」という人も、留学してしまえば、イヤでも書けるようになりますから、あまり心配しなくて大丈夫です。

私自身、留学中は作文の機会がたくさんありますが、いまは、英語で書き始めることができます。


さなさんの記事一覧

・第1回 英語ができない私が留学を決意した理由
・第2回 「大好き!」と言える大学に留学できた

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