アメリカの大学の卒業式にまつわるあれこれ

みなさんこんにちは! アメリカ留学のホットな話題をお届けする「アメリカ留学ラボ」のカイトです。

新緑がまぶしく輝くこの季節、「アメリカ大学ランキング」の運営元:栄 陽子留学研究所では、9月からの留学に向けて準備の大詰めを迎えています。ビザ申請のような厳正な手続もありますから、気が抜けません。アメリカへの旅立ちまで、もうすぐです。

この時期、アメリカの大学は卒業シーズンです。どの大学も、だいたい5月中旬から6月の上旬にかけて盛大に催されます。4年前に不安と期待に胸をふくらませながら渡米していった留学生たちも、たくましく成長してこの日を迎えていることでしょう。この時期に卒業する留学生のみなさんには、心からおめでとうございます!

というわけで今回の「アメリカ留学ラボ」では、アメリカの大学の卒業式についてお話ししたいと思います。

ハーバード大学の卒業式でのザッカーバーグ氏のスピーチ


アメリカの大学の卒業式とは


アメリカの大学で、最もはなやかで祝祭的な気分につつまれるイベントが、卒業式です。たいてい屋外で行われます。この時期、アメリカの大学キャンパスも新緑にいろどられます。

「キャンパス」の敷地をもたないニューヨーク大学では、今年はいつものワシントン・パークではなく、ヤンキースタジアムで盛大に行われました。



アメリカの大学の卒業式は、Commencementといいます。これは新たな始まりを意味します。卒業してからが、本当の人生の始まりということですね。卒業式は、たいへんな勉強を乗り切って卒業までこぎつけたことを称えるだけでなく、新たな門出を祝福する場でもあるのです。

アメリカの大学には入学式はありません。大学のキャンパスに着いて2、3日のオリエンテーションが済むとすぐに授業が始まります。

それに対して卒業式はとても盛大です。卒業する学生本人はもちろん、両親やきょうだい、祖父母や親せき、幼なじみの友達までこぞって、喜びを分かち合います。卒業式の前後は、キャンパス周辺のホテルは予約でいっぱいになります。

ハーバードには「卒業式の日に雨が降ったことがない」という伝説もあるとか。卒業生たちは、未来への希望と自信にみなぎっていることでしょう。たしかに卒業式に雨はそぐわないようです。青空のもと、陽光を浴びながら萌え出づる新緑のほうが卒業式にはよく似合います。


卒業式のコスチューム


1911年のウェルズレー大学の卒業生たち
wellesley.edu/より)


卒業式のコスチュームといえば、角帽とガウン(cap and gown)をみなさん思い浮かべるのではないでしょうか。

この衣装の由来は、どうやら中世までさかのぼるようです。中世ヨーロッパに大学ができたころ、先生を務めたのは当時もっとも学問的権威のあった聖職者たちでした。この聖職者たちが着ていたものが、いま「キャップ&ガウン」と呼びならわしている衣装です。そして学生たちの制服も、この先生たちの服装にならったのだそうです(graduationsource.com/より)。それなりに長い歴史があるのですね。

アメリカでは、1636年にハーバード大学ができてから大学の歴史が始まりますが、この当時にはすでに「キャップ&ガウン」は定着していたようです。

ガウンのデザインは、学位のレベル(学士・修士・博士)によっていくらか異なります。知っている人が見れば、ガウンのデザインによって、その人が大卒なのか、修士卒なのか博士卒なのかがわかります。

色は黒か、そうでなければその大学のスクールカラーです。キャップに付いている「フサ」の色も、学部によって異なっていたり、成績によって(!)区別されたりしていることがあります。


キャップ&ガウンはレンタルが主流


このキャップ&ガウンは、卒業式のたった1日だけに着るものです。大学の先生にでもなれば、毎年の卒業式で着ることになりますが、そうでなければ一生に1回しか着ることがありません。卒業式ではない日にこのキャップ&ガウンを身につけることを禁止している大学もあります。

そこでキャップ&ガウンは買うのではなくレンタルする学生もたくさんいます。レンタル料金は、だいたい30ドル前後です。買うとなると、50~60ドルくらいでしょうか。

アメリカの大学の卒業式といえば、卒業生たちが一斉にキャップを空に投げ上げる光景を思い浮かべる人もいるでしょう。この風習は、1912年に海軍兵学校(US Naval Academy)で始まったそうです。もともとは「ようやくこの帽子から解放される!」という喜びの表現だったようですね。

海軍兵学校の卒業式
usna.edu/より)


セレブたちのスピーチも


卒業式には、ゲストスピーカーが招かれます。各界の著名人や地元の名士、その大学の卒業生のうち、とくにめざましい活躍をしている人たちなどです。名誉博士号の授与も、この際に行われます。

この時期、だれがどの大学の卒業式でスピーチするのか、全米でちょっとした話題になります。

今年の話題はなんといってもトランプ大統領です。彼の政策に対してUCバークレーでは暴動が起きたほどでしたから、大統領就任後、初のスピーチを行う大学がどこなのか、注目を集めていました。

そのトランプさんが大統領として初めてスピーチを行ったのが、リバティ大学(Liberty University)というバージニア州の大学です。

このリバティ大学はかなり宗教色が強く、キリスト教右派の大学としてアメリカではそれなりに知られています。旧約聖書の創世記にもとづいて生物学を教えたり、学長みずからが学生たちに銃の保持を勧めたり、何かと話題を振りまいています。

ほかにも各界の著名人が、全米のさまざまな大学に招かれてスピーチしています。何人か紹介しましょう。


講演者大学
ハワード・シュルツ(スターバックス社CEO)アリゾナ州立大学
アーノルド・シュワルツネガー(俳優)ヒューストン大学
マーク・ザッカーバーグ(Facebook創始者)ハーバード大学
ヒラリー・クリントン(政治家)ウェルズリー大学
ティム・クック(アップル社CEO)マサチューセッツ工科大学
ダライ・ラマ(ノーベル平和賞受賞者) サンディエゴ大学
ウィル・ファレル(俳優)南カリフォルニア大学
ファレル・ウィリアムス(ミュージシャン)ニューヨーク大学


こうした著名人たちによる卒業式のスピーチにおいて、数多くの名言も生まれています。

スティーブ・ジョブズ(Apple社創設者)
“Stay hungry, stay foolish.”
「ずっと無謀で」(2005年スタンフォード大学)

デヴィッド・フォスター・ウォレス(作家)
“What the hell is water?”
「魚は水を知らない」(2005年ケニオン大学)

エレン・デジェネレス(女優)
“Don’t give advice, it will come back and bite you in the ass. Don’t take anyone’s advice.”
「他人に助言するな、痛い目に遭うから。他人の助言を聞くな」(2009年テュレーン大学)

ミシェル・オバマ(前大統領夫人)
“If you’re a Democrat, spend some time talking to a Republican. And if you’re a Republican, have a chat with a Democrat.”
「あなたが民主党支持者なら、共和党支持者と話しなさい。共和党支持者であれば、民主党支持者と話しなさい」(2013年イースタンケンタッキー大学)

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こうして2017年の卒業シーズンもはなやかに終わろうとしています。卒業の間際まで勉強がたいへんなアメリカの大学生たちは、卒業式が終わって一息ついてから就職活動を始めることも少なくありません。

いったいどんな世界が彼らを待ちうけていることでしょう?

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