「安い留学」の甘い罠 カリフォルニア州のコミュニティ・カレッジについて

みなさんこんにちは! 「アメリカ留学ラボ」のカイトです。このラボでは、アメリカの大学に留学したい! という人のために、知って得する留学のノウハウや最新のニュースをお届けしています。

今回は、カリフォルニア州のコミュニティ・カレッジへの留学についてお話しします。

ロサンゼルスのダウンタウン



全米50州のうち、留学先としてダントツの人気を誇るのがカリフォルニア州です。中でもサンタモニカ・カレッジ、ディアンザ・カレッジ、ディアブロバレー・カレッジ、フットヒル・カレッジなどは「日本人だらけ」としばしば言われるほど、留学生をたくさん集めています。これらはいずれもコミュニティ・カレッジと呼ばれる二年制の公立大学です。

カリフォルニア州は、ロサンゼルスやサンフランシスコ、サンディエゴといった観光地としてよく知られた街がいくつもあり、日本人には親しみのある州です。白いビーチと青い海、というリゾートのイメージを抱く人も多いのではないでしょうか。

そんな明るいイメージのカリフォルニア州ですが、じつは最近、「カリフォルニア州のコミュニティ・カレッジに留学したのだけど、お金がかかりすぎて留学が続けられない」という人がとても増えているのです。

本記事では、カリフォルニア州のコミュニティ・カレッジへの留学について、その実態と注意点を述べたいと思います。


目次
 1 コミュニティ・カレッジの魅力
 2 カリフォルニア州のコミュニティ・カレッジはどれだけ安いのか
 3 ホームステイの落とし穴
 4 安いはずの留学が・・・
 5 カリフォルニア州のコミュニティ・カレッジの特徴
 6 コミュニティ・カレッジからUCLAに編入できる可能性




コミュニティ・カレッジの魅力


サンタバーバラ・シティ・カレッジ


アメリカのコミュニティ・カレッジとは、公立の二年制大学のことです。「コミュニティ」と名のつく通り、地域住民への教育に力を入れています。

コミュニティ・カレッジの魅力は何といっても費用が安いこと。地元の人に比べると留学生には割高の学費が設定されていますが、それでも年間の学費が5,000~12,000ドルほどです。四年制の州立大学の学費が平均約24,000ドル、私立だと約32,500ドルですから(College Boardによる)、コミュニティ・カレッジの学費の安さは際立っています。

日本人がコミュニティ・カレッジへの留学を志すのも、やはり学費が安いからという理由にほかなりません。たしかに私立・州立を問わず、アメリカの四年制大学の値上がりは目に余るものがあります。

ところが安いはずのコミュニティ・カレッジへの留学が、じつは「安くない」とするとどうでしょうか? とくにカリフォルニア州のコミュニティ・カレッジに留学して、資金が続かなくなり中途で留学を断念してしまう人が後を絶たないとしたら?――その実態を解き明かしてみましょう。


カリフォルニア州のコミュニティ・カレッジはどれだけ安いのか


サクラメント・シティ・カレッジ


カリフォルニア州はコミュニティ・カレッジのメッカです。およそ120ものコミュニティ・カレッジが門戸を開いています。

留学先として、カリフォルニア州のコミュニティ・カレッジは根強い人気を保ち続けています。その一つの理由が、先に述べたように、費用が安いことです。

ところがカリフォルニア州のコミュニティ・カレッジは寮のないところがほとんどで、留学生はアパートに暮らすかホームステイをすることになります。ロサンゼルス辺りのアパートの家賃は、東京都心とほとんど変わらないか、もっと高いくらいです。最低でも月に1,200~1,800ドルくらいは覚悟しなければなりません。

家賃を浮かせようと日本人同士でルームシェアをする人もたくさんいますが、そうなると部屋では日本語をしゃべり、食事も日本食、どこへ行くにしても日本人同士、という日本の大学生と何ら変わらない生活になります。

やがて自動車を買い、外食や娯楽に接する機会も増えていき、アメリカの大学生の本分である勉強からも離れがちになり、お金だけが費やされていくというのが、典型的な留学の失敗例です。

ただでさえ「日本人だらけ」という不満の声が絶えないのがカリフォルニア州のコミュニティ・カレッジです。留学中の本人がよほどしっかりしていないと、どんどん安易な生活に流されていきます。なんといっても遊びたい盛りの年ごろですから無理もありませんが、おこづかい稼ぎのために日本食レストランでアルバイトをするところまでいくと、もはや留学と呼べるかどうかすら怪しくなります。

カリフォルニア州の都市はとくに物価が高く、生活費が高い都市トップ10には、カリフォルニア州の4都市がランクインしています。




ホームステイの落とし穴


サンフランシスコの街


ホームステイも、決して安上がりではありません。ロサンゼルスやサンフランシスコでは、月に1,200~1,500ドルくらいかかるか、それ以上になるケースもめずらしくありません。

かつてはホームステイといえばボランティアの家庭が格安で受け入れてくれるものでしたが、それはすでに過去の話となってしまいました。

朝・晩の食事は付いていますが、お昼と週末は付いていません。通学の不便も重なって、日々の生活に不自由を感じてしまい、やがて日本人同士で情報を交換して、アパートに移り住み・・・というパターンに陥っていきます。ホストファミリーとのトラブルも絶えず(「お金」に関するもめごともけっこう多いのです)、2~3週間の短期であればともかく、長期の留学にあたってホームステイはベストの選択肢とはいえません。


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安いはずの留学が・・・

カリフォルニア州のコミュニティ・カレッジに通うと、年に250~300万円はかかるというのが多くの留学生の弁です。いくら学費が安くても、生活費がとても高くつくのです。とくにロサンゼルスやサンフランシスコといった都会は物価も高く、なにかとお金がかかります。

さらに、多くの日本人留学生はコミュニティ・カレッジに入学する前に、その大学付属の、または大学と提携している語学学校に通います。二年制のコミュニティ・カレッジを卒業するまでに3年かかるというのがごく普通です。この時点で750~900万円もかかってしまうのです。

「コミュニティ・カレッジが安い」というのは、一面にすぎません。いくら学費が安くても、生活費が高く、また語学学校を経由するのであれば、結局はちっとも「安くない」のです。かくして「費用が安いコミュニティ・カレッジに留学したはずなのに、こんなにお金がかかるとは思わなかった・・・」という人が後を絶ちません。


カリフォルニア州のコミュニティ・カレッジの特徴

コミュニティ・カレッジは、基本的にはその地域(コミュニティ)に住んでいる人が通う大学です。そのコミュニティに住んでいれば、ごくごく安い学費で通えます。「望めばだれでも学べる」のがコミュニティ・カレッジの理念です。

そのような理念を掲げているので、コミュニティ・カレッジは入学審査を行いません。その地域に住んでいる人であれば、だれでも差別なく、学びたい人はみんな学べる大学です。したがって、そのコミュニティの地域性(人種、財政状態、教育レベルなど)が、その大学のありかたに大きく反映することになります。

カリフォルニア州には、中南米から移住してきた人たちがつくりあげたコミュニティがいくつもあります。そうした地域のコミュニティ・カレッジは、いわゆる「ヒスパニック系」と呼ばれる中南米系の学生ばかりが通うようなところもあります。キャンパスではスペイン語が飛び交っています。



教育よりも職業訓練のほうに力を入れているコミュニティ・カレッジも少なくありません。学生の平均年齢が30歳以上というような、成人教育を使命としているコミュニティ・カレッジもあります。このような大学では、四年制大学への編入に向けた指導体制やカリキュラムがきちんと整っていない場合もあります。

こうしたコミュニティ・カレッジが悪いというわけでは、もちろんありません。

しかし、このような個々のコミュニティ・カレッジの事情を知っておかないと、留学してから戸惑うことになります。四年制大学に編入したくても、そのような進路目標をたてているクラスメイトがいない場合があるかもしれません。いくら学費が安いからといって、その先の進路が閉ざされてしまっては意味がありません。


コミュニティ・カレッジからUCLAに編入できる可能性


UCLAと人気を二分するUCバークレー


カリフォルニア州のコミュニティ・カレッジに留学している日本人の、じつはかなりの人が、UCLAもしくはUCバークレーへの編入をめざしています。いずれも世界トップレベルの超エリート大学です。

コミュニティ・カレッジを卒業すれば四年制大学に編入できる、というのは事実です。とくに同じ州内のコミュニティ・カレッジから四年制の州立大学への編入制度はよく整っています。UCLAもUCバークレーも州立大学ですので、カリフォルニア州のコミュニティ・カレッジから編入する道は開かれています。

しかし、いずれも「超」がつくほどの名門大学です。コミュニティ・カレッジを卒業すれば自動的にこれらの大学に入れるというわけではありません。カリフォルニア全州のコミュニティ・カレッジの学生の中でも、よりすぐりの優秀な学生のみが編入できるのです。

カリフォルニア州だけで日本と同じくらいの面積があります。しかも州立大学は基本的に州民が優先です。留学生にはかなりの「狭き門」であることを覚悟しなければなりません。

さらにUCLAもUCバークレーも州立ではあるものの、年間の費用(学費+寮・食費)はなんと55,000ドルもします。これに教材費やおこづかい、保険などを合わせると、果たして2年間支払うことのできる人はどれだけいるでしょうか。しかもUCLAは基本的に留学生には奨学金を出しません。一般的にいって、州立よりも私立大学のほうが、留学生に奨学金をよく出してくれます。

UCLAやUCバークレーは、費用の面からいっても「狭き門」であるのです。


終わりに――

いくら学費が安いコミュニティ・カレッジに留学しても、カリフォルニア州の場合は、生活費がかさんでしまい、決して安上がりになりません。数年にわたる留学ともなると、日々の小さな出費も積み重なればけっこう大きな金額になります。しかもあこがれのUCLAやUCバークレーも、容易に手の届かないほど高額な学費を設定しています。

カリフォルニア州は留学生に人気が高いだけあって、成功例もたくさんあれば、失敗する落とし穴もいっぱいのエリアです。とくに最近の「失敗」はお金に起因することが目立ちます。

「明るい」「楽しい」というイメージが抱かれがちのカリフォルニア州ですが、いい面ばかりに目を向けるのではなく、留学先のエリアも含めてさまざまな選択肢を比較検討しながら、現実的かつ長期的な資金計画をたててご自身の留学に臨んでください!


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