船の上での1学期:Semester at Seaで訪れた国々 Part 2

船酔いならぬ陸酔いに苦しめられている人が続出するなか、何の問題もなく以前の生活に戻っているまなみです。

船の上で過ごした学期も終わり、現在は最終地のオランダにいます。私は、環境への適応能力は高いほうだと自負しています。これは約10か国を訪ねる中で再確認したことの1つです。

小学生の頃から、さまざまな環境に「まあ、どうにかなるでしょ」と私を放り投げてくれた両親に感謝しています。実際に船を降りた後も陸酔いや逆ホームシック・カルチャーショックもなく、スムーズに前の生活に戻ることができました。今回は前回に引き続き、Semester at Seaで訪れた国での体験をシェアしたいと思います。

もくじ
1.ガーナ
 1-1.日本ってどこ?
1-2.彼らが日本を知らない理由
2.モロッコ
2-1.肌を露出しない
2-2.破けたスカートが文化を侮辱?
3.まとめ


1.ガーナ


ケープコースト城からの景色

ビザの取得が大変だったのがガーナです。ロンドンのガーナ大使館を何度も訪れ交渉を重ねた結果、なんとか期限までにもらうことができました。

頼んでもいないのに勝手に一緒に歩き始めた地元の人に連れられて、初日に向かったのがマーケット。

ここには、地元の人には欠かせない食材が並んでいました。大量の生きたままのエスカルゴが入っているカゴから独特の匂いが、「私、本当にガーナにいるんだ」と何度も気づかせてくれました。

1-1.日本ってどこ?


地元の人しかいないマーケットに行ったので、周りの人の視線をつねに感じながら歩いていました。一緒に行動していた学生のほとんどは見るからにアメリカ人で、私はとくに目立ったようです。

何度も中国語で話しかけられたり、You are Chinaなどと言われたりと、友だちが「まなみは毎回訂正するのが大変ね」と同情してくれるほど中国出身だと思われました。

これは海外に行ったことのあるかたには、よくある体験ではないでしょうか? 私もジャマイカで同じことを経験しました。ただガーナでは、ジャマイカでの経験と大きく異なることがありました。彼らのリアクションです。

ジャマイカでは「日本人を見たことがない」と喜ばれ、とても歓迎されました。一方で、ガーナでは「日本ってどこ? 中国の島?」と何度も聞かれました。このリアクションには少し戸惑いました。

私は海外に行くと、日本の立ち位置を探そうとします。他の国に日本はどう映っているのか、世界の中でどのような役割を果たしているのか、このようなことは海外に出てみないとなかなかわかりません。

ガーナでは日本の存在すら知らない人が多く、日本が好きな私は悲しくもなりました。
不思議な味のカレー


1-2.彼らが日本を知らない理由


現地の人と会話をしていると、日本だけでなくアメリカの存在すら知らない人が少なくないとわかりました。これは、ガーナの教育システムが関係していると思います。

ガーナでの最終日に、私を含む心理学のクラスの学生たちは、小さな村の小学校に行きました。校舎に着くなり、私たちは30人ほどの生徒に囲まれ、身動きがとれなくなりました。その後も移動するたびに大量の生徒に囲まれ、スケジュール通りの行動ができなくなりました。

生徒たちは「何歳?」「どこから来たの?」という質問や「その時計ちょうだい」「顔を触りたい」というリクエストを私たちにしていました。生徒たちは先生の「教室に戻りなさい」という忠告を気にせず、私たちのもとを離れませんでした。

ガーナは「パワーディスタンス」の値が高いことで知られています。つまり、社会の中でパワーがある人とない人の差が大きいということです。

先生たちに話を聞くと、多くの学校では先生不足のため、生徒たちに理想的な授業を受けさせることができないそうです。そのためなのか、生徒たちも学びに来ているのではなく遊びに来ていると感じているのかもしれません。

この現状を知ると、アメリカや日本の存在がガーナで知られていなかったことも少し納得できました。

2.モロッコ


モロッコの家庭料理


モロッコでは小さな村でのホームステイを体験しました。英語を話せる人が少なく、アラビア語、フランス語、そして現地の村の言葉を使っての会話が中心でした。

独自の文化に少し戸惑いながら、いままでの国の中で1番濃い経験ができました。

2-1.肌を露出しない


モロッコを訪れる直前のミーティングで何度も繰り返し言われたことは、「できる限り肌を露出しない」でした。

たとえば、首元はなるべくしまっているものを着るか、スカーフを巻くように言われました。また、女性は肘や膝を見せてはいけないので、半袖や半ズボンはNGです(都会は観光客も多く、このルールを守らなくても大丈夫な場面も多いです)。

とくに私が訪れたような小さな村では、現地のルールを守ることはとても大事です。現地の人に馴染むことによって自分の身を守る、だけでなく、ホストファミリーに恥をかかせない、そして何より彼らの文化を尊重するためにも、私たちはルールに従って過ごしていました。

2-2.破けたスカートが文化を侮辱?


このルールを強く感じた体験があります。

ホームステイの2日目、私たちはガイドの男性とホストファミリーと一緒にハイキングに行きました。

汗だくになりながらも、女子全員は長袖・長ズボンで何時間も過ごしました。そんな中、1人の学生が転んでしまい、スカートが破けてしまいました。スカートの切れ間からかすかに膝が見える状態でハイキングを続けていた彼女を見て、ガイドの男性は憤りを感じたようです。

その男性は自分たちの文化が侮辱されていると思ったようで、あからさまにイライラし始めました。その後も、グループの先頭を女子学生が歩いていると怒ったり、女性のガイドを信用していない様子から、学生とガイドの間には大きな亀裂が生まれていたようです。

私は人間関係のギズギスしたものには鈍感なので、途中まで気がつきませんでした。周りの学生たちは「なんなの? あのガイド」と怒りをあらわにしていましたが、私は「まあ、文化の違いだからなんとも言えないよね」と心の中で思っていました。

ガイドの男性は、他のモロッコの男性よりも、何倍も男女のパワーバランスに敏感だったのでしょう。たしかに女子と男子とで対応が異なっていたので、みんなが文句を言う理由もわかります。

しかしながら、それは彼らの文化ではある程度受け入れられていることなのです。もちろん相手の文化を100%理解する、すべてに賛成する、そんなことはむずかしいかもしれません。

それでもジャッジするのではなく、「そういうものなのだ」と吸収することはできるのではないでないでしょうか。自分の価値観をちょっとわきに置いて、相手の文化を観察するのは大事なことだと思います。ニュートラルな立場からの学びの大切さを強調したいと思います。

3.まとめ


モロッコのヘナ


いままで私は幸せなことに、海外でさまざまな体験をすることができました。それぞれの経験が、いまの自分を成り立たせています。

Semester at Seaは、いままでの総まとめのような体験だったと思います。これまで積んできたバラバラの体験が1本の線で結ばれた、そんな風に感じます。

今回このようなプログラムに参加できたのは、家族をはじめとする周りのかたのおかげです。感謝するだけでなく、この感謝を行動で表せるように、社会に還元できるようにしていきたいと思います。

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