船の上での1学期:Semester at Seaで訪れた国々 Part 1
Semester at Seaに参加して2か月が経ったいまでも、1度も会ったことがない人と毎日出会っているまなみです。船の上であっても、とっているクラスのスケジュールが似ている人と自然と仲よくなるのは、通常のアメリカの大学キャンパスと変わりません。そのため、専攻がまったく違う人とは、フィールドプログラム(実地研修)を通して知り合うことが多いです。
私は決まったメンバーで固まって行動するのがあまり好きではないので、新しい友だちをつくることができるフィールドプログラムにできるだけ参加するようにしています。
今回は、私がいままで訪れた国での体験を共有したいと思います。
日本で逆カルチャーショック
日本を訪れた直後、参加者が口をそろえて言ったのは「日本人は優しい」でした。私はそれを聞いて嬉しくなった反面、ガッカリもしました。
日本滞在の4日目、私はルームメイトと一緒に京都に行きました。前の日に極寒のディズニーシーから帰ってきたばかりでかなり疲れていましたが、ルームメイトが着物を着てみたいと言うので日帰りで行くことにしました。
着物のレンタルができるお店を探し、予約をして、2時間ほど新幹線に乗り、やっとのことで着いたレンタルショップ。事件はここで起こりました。なんと、お店のかたの私への対応がびっくりするくらい悪いのです。ルームメイトには過剰なほど親切なのに・・・。
私はお店のかたの説明を日本語で聞き、ルームメイトに英語で伝えていたため、何度か頭がごちゃごちゃになりました。「すみません、これはこの説明で合っていますか?」と聞くと、毎回明らかにめんどくさそうに対応されました。それなのに、ルームメイトには知っている英単語を並べながらニコニコ対応している姿を見て、怒りよりも疑問が浮かびました。
「なんで海外の人にだけいいサービスを心がけて、日本人には雑な対応をするのだろう?」
私がこのように(もしかしたら過剰に)感じたのは、いままでの経験や学びが大きく影響していると思います。
たとえば、心理学的に人は心の距離が近い人よりも遠い人に気をつかいがちだと習ったことがあります。慣れ親しんでいる家族よりもまだあまり知らない他人にばかり気をつかう人、親友だからわかってくれるだろうと、他の友だちならちゃんと説明する場面で説明をしない人、と聞いて心当たりはありませんか? もしかしたら、そのような対応をしたことがあるのではないでしょうか?
もちろん私も例外ではありません。知らないうちに自分から距離が遠い人と近い人とで対応を変えていることもあると思います。私も気をつけるので、一緒に気をつけましょう(笑)。
しかし、今回のレンタルショップのようなホスピタリティが試される場面でそれが許されることなのか、私にはわかりません。
今回の経験は、「近くにいる人にこそ優しくしようね」という道徳の授業で聞きそうなメッセージを改めて考えるきっかけになりました。
このような発見は初めてではありません。いまでもアメリカの大学から長期休みのために帰国した際に、このような逆カルチャーショックがあります。高校生のときにオーストラリアに留学した際にも、オーストラリアよりも日本のことを多く学んだと感じました。
ベトナムの交通と接客
ベトナムでは、地元で人気のフォーを食べたり、道で売っているマンゴーやドラゴンフルーツの美味しさに感動したり、と充実した時間を過ごしました。
そのほか、メコンデルタでの地元のかたとの交流や、戦争記念館への訪問を通じて、ベトナムの歴史についても触れることができました。
ベトナムは物価が安い上に、1ドルが約22,660 VNDと桁が大きく違うため、両替する度にミリオネアにでもなった気分でした。このようにベトナムではいい思い出ばかり! と言いたいところですが、初日にベトナムの洗礼を浴びました。
船上の授業で、ベトナムでの道路の渡りかたをあらかじめ学んでいましたが、やはり怖すぎました(笑)。
祝日だったこともあり、いつもよりは落ち着いていたらしいのですが、私は最終日まで慣れることができませんでした。
船が泊まった港は都会のすぐ隣でしたが、信号はほとんどなく、あってもアドバイス程度と考えておいたほうがいいようです。私は初日は足が進まず、目をつぶったまま友だちに引っ張ってもらいました(笑)。
ベトナムでの交通ルールは「止まらず歩き続ける」です。基本的には歩行者が優先なので、自信をもって、または自信があるように装って歩き続ければ、轢かれません。
もちろん「基本的には」なので、私は道を渡る直前に一緒にいる友だちに自分の保険のカードがどこにあるのか伝えていました(笑)。
それでも不思議なことに、ベトナムでは一度も交通事故に遭遇しませんでした。ベトナムのドライバーの注意力、あっぱれです。ちなみに、この「右見て、左見て、右見て、祈る」という方法に慣れすぎてしまうと、他の国で轢かれそうになります(笑)。他の国ではしっかり信号に従いましょう。
ベトナムのマーケットにはところ狭しとお店が並んでいます。これはどこの国でも同じかもしれません。そしてだいたい似たようなものを売っているお店がたくさんありますから、どのお店を選ぶか、迷ってしまいます。
しかし、ベトナムではその心配はありません。なぜなら、買わないとその場を離れられないからです(笑)。
私は友だちと一緒にエレファントパンツを見に行きました。このパンツはベトナムやミャンマー、インドでも売っています。私は「どのくらいの値段なのか見に行こう」といった気持ちで有名なマーケットに行きました。
最初に訪れたお店を離れようとしたところ、腕をつかまれ「これだけ見せてあげたんだから買え」と怒鳴られてしまいました。
お客を神様のように扱う日本では考えられない接客ですが、個人的にはいい経験ができたと思っています。
マーケットに行くと、観光客は似たようなお店にたくさん巡り会います。お店のほうからすれば、それだけ熱心なアピールをする必要があるのです。日本ではよいサービスを提供することによって他のお店との差別化を図りますが、他の国では違います。
まとめ
Attributionという言葉があります。これは、「目撃した行動によってその人を判断すること」といった意味です。Semester at Seaで、多くの参加者がこの言葉を意識しています。
海外に行くと、その国の人を見て、その見ただけの経験をもとに、文化をジャッチしがちです。しかし、「よい、悪い」という観点を一度脇に置いて、とにかく吸収してみることによって体験を最大化できるのだと思います。この旅では、何度もその体験を重ねています。
投稿日:2020年04月14日(Tue)
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