留学して最も多くの時間を共に過ごす「ルームメイト」とのつきあいかた

みなさんこんにちは! 「アメリカ留学ラボ」のカイトです。このラボでは、アメリカ留学に役立つノウハウやホットなニュースを発信しています。

今回は、アメリカの大学に留学して、おそらく最も多くの時間を過ごすことになるルームメイトとのつきあいかたについて、留学の先輩から届いたアドバイスを紹介します。

ダートマス大学の寮


意外と知られていないことですが、アメリカの大学では寮生活を送ることが基本です。美しい自然に抱かれたキャンパスで、先生と学生、スタッフみんなで1つの家族のようにして過ごします。

アメリカの大学の寮は、協調性と思いやりをはぐくむ大切な教育の場でもあります。ハーバード大学をはじめ、学生に寮生活を義務づけている大学もたくさんあります。

でも、ごく普通の日本の人には、寮生活ってあまり馴染みがないですよね。留学しようという人も、大学の寮生活に不安を感じているのではないでしょうか。寮生活に慣れることができるか、ルームメイトはどんな人か、人間関係をうまく築けるか・・・考え始めると不安だらけになりそうです。

でも、同じように不安を感じているのは、留学生だけではありません。

アメリカ人の学生も、そのほとんどが、親元を離れて寮生活をするのは初めてです。寮生活に関しては、留学生もアメリカ人学生も、みんな同じスタートラインに立っているのです。

留学生活の中で、たくさんの時間を過ごすことになる寮。そこでストレスを抱えこまず、充実した生活を送るためにはどうしたらよいのか・・・先輩のアドバイスを聞いてみましょう!


もくじ

1.どうしてアメリカの大学生は寮生活を送るのか?

2.学生寮で生まれたFacebook

3.ルームメイトとの出会い

4.一緒にいて安心できるルームメイトと

5.ルームメイトを怒らせたシャワー事件

6.ルームメイトといかに上手につきあうか
 6-1.ことばで意思表示をする
 6-2.ルールを決める

7.寮生活は知恵を鍛えるチャンス


1.どうしてアメリカの大学生は寮生活を送るのか?


プリンストン大学の寮


日本では、自宅から大学に通学できない学生は、アパートやマンションを借りて一人暮らしをすることが多いですよね。だから「大学で寮生活」というのはちょっとイメージしにくいのではないでしょうか。

アメリカの大学では、ほとんどの学生が寮で生活します。私が留学した大学でも、ごく少数の社会人学生を除いて、みんな4年間、寮生活を送っていました。

アメリカでは、多くの大学が、周りに何もない田舎にあり、キャンパス内の寮以外には、学生が住む場所がない、という事情があるのはたしかです。

でも、比較的都会に位置していても、1年生には寮生活を義務づけている大学がたくさんあります。大学によっては入学から卒業まで、寮に暮らすことを強く推奨しています。家から通える距離に住んでいる学生でも、寮に住んでいることはめずらしくありません。

それはどうしてでしょうか。

アメリカの家庭では、子どもが大学に進学したり、職を得て社会に出たりしたら、いつまでも親と同居することはありません。18歳になれば、大人の仲間入りをしたとみなされ、自立を促されます。大学へ進学する場合、家を出て寮生活を送ることが、親離れして、自立する第1歩なのです。

そのためアメリカの大学では、寮は生活の場であると同時に教育の場だと考えられています。共同生活のなかで多少の不自由もしながら、責任感を養い、集団の中で生きていく力を身につける。社会に出る前の訓練の場でもあるのです。


2.学生寮で生まれたFacebook


ハーバード大学のカークランドハウス



大学にもよりますが、1、2年生はたいてい2人部屋・3人部屋に暮らすことになります。上級生になれば、1人部屋を与えられることもあります。

プライバシーは、ほぼありません! 窮屈に感じることが多いかもしれません。でも、寝食を共にするなかで、助け合い、刺激し合う関係を築けば、生涯の友だちや仲間ができるはずです。

一例を挙げましょう。

現在、世界に20億人のユーザーがいるといわれるFacebook。そのCEOを務めるマーク・ザッカーバーグ氏が、ハーバード大学在籍中に、カークランドハウスという寮の1室でルームメイトやドームメイトたちとFacebookを立ち上げたのは有名な話です。

Facebookが短期間でいまのようなグローバルなネットワークに成長したのは、共同創業者だったハーバード時代のルームメイトたちの力も大きかったようです。

ちなみにザッカーバーグ氏は、2017年のハーバード大学の卒業式にゲストスピーカーとして招かれ、そのスピーチが話題になりました。卒業式の前日には、かつて暮らしていたカークランドハウスの寮の部屋を、妻のプリシラさんと一緒に訪れたようですよ。


3.ルームメイトとの出会い


ペンシルバニア大学の寮


ルームメイトとの初めて出会いは、だれもがドキドキしますよね。

入学して最初の年は、大学のほうでルームメイトを決めてくれます。2年目以降は、気の合ったルームメイトを選べるようになります。

私の場合、最初のルームメイトは、フロリダ州出身のミッシェルという女の子でした。

大学に到着する前に、まだ会っていないミッシェルから自己紹介の手紙が届き、とても嬉しかったのを覚えています。その手紙には「私は読書やクラッシック音楽が好きで、心理学を専攻したいと思ってるの。どちらかというと静かで、ちょっとシャイな面もあるけど、大学で会うのを楽しみにしてるわ!」と几帳面な字で書かれていました。

どんな子がルームメイトになるか不安でいっぱいでしたが、この手紙を読んで「この子となら仲よくなれるかも!」と、ちょっと安心しました。

大学によっては、新年度が始まる前に、ルームメイトの情報を送ってくれます。その場合は、まずはコンタクトをとってみましょう! 不安なのは相手も一緒なので、メールなどで自己紹介や好きなことなど、簡単でよいので書いて送ると、相手も安心すると思います。



4.一緒にいて安心できるルームメイトと


シカゴ大学の寮


ルームメイトのミッシェルは、私のわかりにくい英語を忍耐強く聞いてくれ、気づかい上手でまじめだったので、一緒にいると安心できる人でした。日本人の私でもうちとけやすく、これは運がよかったとしかいいようがありません。

彼女に聞いたところでは、高校生のときにスウェーデンから交換留学に来ていたクラスメイトととても仲よくなったそうです。だから私のような外国人が話す英語にも慣れていたし、異国から来た留学生と接することにも戸惑いがなかったのだと思います。

私は「この人といたら間違いない!」と思い、留学して最初の1年目は、授業に出たり、図書館で勉強する時間以外は、ほとんどミッシェルと一緒に行動していました。

ミッシェルとは、お互い希望して2年目もルームメイトになりました。春休みにフロリダの家に遊びに行ったりもしました。でも3年目に、彼女は家庭の事情でフロリダに帰ることになってしまい、そのまま実家近くの大学に編入しました。

大切な友だちが大学をやめてしまったのはとても残念でしたが、その後も連絡をとり合って、私が大学を卒業するときは卒業式に来てくれました。

ミッシェルは地元フロリダでアルバイトをしながら自分で学費を工面して大学に通い、その後、本人の希望通り神経心理学の道に進み、大学院で博士号をとって働いています。彼女とは、いまでもFacebookでつながっていて、たまに連絡をとり合っています。


5.ルームメイトを怒らせたシャワー事件


スタンフォード大学の寮


ミッシェルはとてもよいルームメイトで、よい友だちでしたが、同じ部屋で暮らしていてまったくトラブルがなかったわけではありません。

ルームメイトになって2年目。ミッシェルがフロアの共同シャワーを使っていたのに、私がそれに気がつかずに、部屋の鍵をかけて遊びに行ってしまったことがありました。

シャワーが終わって、部屋に戻ってきたミッシェルは、鍵を持っていなかったので部屋に入れず、バスローブのまま寮内をウロウロするはめに。しばらく待っても私が帰ってこないので、大学のセキュリティに頼んで部屋の鍵を開けてもらったそうです。

数時間後、何も知らずに部屋に帰ってきた私は、怒り心頭のミッシェルに「どうやって私がこの部屋に入れたか、あなたわかってるの!」と冷たい声で言われ、私が彼女を締め出してしまったことに気づく始末でした。

もちろん、私はわざと締め出したわけではなかったので、「シャワーに行っていることに気づかず鍵を閉めてしまった。ごめん!」と謝ったけれど、それだけでは怒りは静まりませんでした。

私も、わかってもらえるまで何度も謝るなり、話をするべきだったと思います。でもそのときは、「謝ったし、これ以上どうすればよいの?」と思い、何もしないでいました。そのせいで、しばらくの間、同じ部屋にいても口もきかなくなるほど、ぎくしゃくした時期がありました。


6.ルームメイトといかに上手につきあうか


マサチューセッツ工科大学の寮


この「シャワー事件」への私自身の反省を踏まえて、ルームメイトとの共同生活におけるアドバイスを2つほど述べたいと思います。


6-1.ことばで意思表示をする

仲のよい相手でも、些細なことで誤解を招いてしまうこともあります。寮生活で大切なのは、言いたいことや、伝えたいことは、声に出してきちんと言うということです。「わかってくれるだろう」という憶測ではダメなのです。

シャワー事件の後、ミッシェルとの間に重い空気を感じていた私は、「そのうちいつも通りに戻るだろう」と思い、あえて普段通りにしていました。でも、ミッシェルは明らかにそっけない態度。

その後、徐々にわかったのですが、ミッシェルは、私が他の友だちと悪ふざけをして、わざと鍵をかけて彼女を困らせようとしたのだと思い、とても傷ついていたのです。その頃、私は大学内でのイベントがきっかけで、新しい友だちも増えていたので、それも大きな誤解を招く種になりました。

気まずい雰囲気を感じたときに、言いたいことや聞きたいことを、お互いきちんと声に出して話し合っていれば、私もミッシェルも、長く悩む必要はなかっただろうと思います。

長い時間を同じ空間で過ごすルームメイトとは、たとえ仲がよくても、大なり小なりの問題が起こることがあります。一緒に生活していて、「あれ? おかしいな」「いつもと違う?」と感じたら、それは食い違いが生まれているサインかもしれません。そのようなときは、勇気を出して自分から声をかけ、話し合ってみると、胸のつかえがとれてすっきりしますよ。うまく話せるかどうか心配なときは、話したいことをメモにして整理するのもよいと思います。


6-2.ルールを決める

また、お互いが気持ちよく過ごすために、寮生活が始まったら、早い時期にルームメイトとルールを確認することも大切です。

たとえば、
・部屋の掃除はどうするか
・テレビを観たり、音楽を聴くときはどうするか
・異性の出入りはOKか
など。ルームメイトに遠慮してばかりでも、その反対に、まったく気づかいなしでも、ストレスが溜まっていずれ爆発します。

なかでも問題になりやすいのが、睡眠の時間です。一人は早寝したいのに、もう一人は夜遅くまで勉強したいなど、どのタイミングで部屋の電気を消すかで揉める可能性があります。留学生はたいてい遅くまで勉強しなければなりませんが、早く寝たい人の気持ちを優先して、夜中まで開いている図書館など、自室以外の場所で勉強するのがいいでしょう。

初めに簡単なルールを話し合っておけば、不必要な誤解も防げますし、余計な憶測をしないで済みます。お互いの生活スタイルがわかってきたら、ルールも柔軟に変えていけばよいのです。


7.寮生活は知恵を鍛えるチャンス


デューク大学の寮


最近テレビで、あるヒット商品の生みの親である人が「いまの学校教育は、知識は植えつけるけれど、知恵を鍛える機会はほとんどないのでは」というようなことを話していました。では、知恵をどう鍛えるか。その人は、「ちょっと不便する、苦労する。そうすると、人は一生懸命頭を使うようになりますよ」と言っていました。

不便な環境のなかでは、人は工夫する。折り合いをつけようと、妥協点を見つける。不自由から学ぶことがたくさんあるということだと思います。

寮生活は、楽しいことがたくさんあります。ルームメイトとの交流を通して、英語力もグンと上がります。異文化体験の宝庫ですし、友だちの輪を広げ、コミュニケーション能力や国際的感覚を養うには最適な場所です。

その反面、寮生活は、苦労も失敗もあります。一つの部屋をルームメイトとシェアし、たくさんの学生と共同生活することは、実家で暮らしたり、一人暮らしするのとは違う不便さもあります。でも、それは知恵を鍛えるチャンスです!

留学はもちろん勉強が中心ですが、寮生活もまた、留学してこそ得られるかけがえのない経験です。見知らぬアメリカ人とルームメイトになることを不安に思う人も、「これは自分にとってチャンスになる!」と思って、勇気をもって一歩踏み出してください!
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