留学中のカルチャーショック対処法
みなさん、こんにちは。アメリカ留学ラボのカイトです。このラボでは、アメリカ留学を志す人のためにお役立ち情報や最新ニュースをお届けしています。今回は、アメリカの大学・大学院に留学した先輩から、留学すると避けては通れない、カルチャーショックについて、ご自身の経験をもとにその対処法を語っていただきました。
カルチャーショック・・・乗り越えるのは正直とっても大変です。でも、安心してください! アメリカ留学を成功させた先輩たちも、みんなカルチャーショックを受け、それを克服してきました。ここで一緒にカルチャーショックについて学び、留学に向けてしっかり備えていきましょうね。
もくじ
1.カルチャーショックとは
2.カルチャーショックの段階
2-1.ハネムーン期 Honeymoon Stage 最初の数週間
2-2.ショック期 Negotiation Stage 約3か月め
2-3.順応期 Adjustment Stage 約6か月~1年め
2-4.受け入れ期 Mastery Stage 1年以上経過
3.代表的なカルチャーショックの例
3-1.自己主張が強い
3-2.よくも悪くも人の話をする
3-3.口調やリアクションがきつい
3-4.異性との距離感
3-5.会話のテンポが早い
4.カルチャーショックはどのように解決するの?
4-1.割り切る
4-2.友だちに話す
4-3.カウンセリングを受ける
4-4.規則正しい生活を送る
4-5.趣味を楽しむ
4-6.自分の気持ちを書いて整理する
4-7.留学先の文化や生活習慣を事前に学ぶ
5.まとめ
1.カルチャーショックとは
カルチャーショックとは、自分が生まれ育った環境とは異なる環境で生活する際に、その習慣や考えかた、生活様式にとまどいや驚きを感じ、文化の違いに敏感に反応してしまうことです。
これは海外に住む場合に限らず、国内でも起こり得ます。人によっては、心理的な病気になってしまうこともあります。
2.カルチャーショックの段階
カルチャーショックには大きく4つの段階があると言われています。
2-1.ハネムーン期 Honeymoon Stage 最初の数週間
見るもの聞くものすべてが新しく、魅力的に感じて、いままでよりもよいと感じる時期。短期の海外旅行やホームステイはこの段階で終わることが多いです。
2-2.ショック期 Negotiation Stage 約3か月め
新しい環境の嫌いなところ、よくないところも見えてきて、いままでの環境が恋しくなる時期。文化や言葉の違いから不便を感じ、ストレスが溜まって、部屋にこもりがちになります。
2-3.順応期 Adjustment Stage 約6か月~1年め
新しい習慣にだんだんと慣れ、言葉も通じるようになり、少しずつ新しい環境に適応していく時期。ショック期と順応期を繰り返すことがほとんどです。
2-4.受け入れ期 Mastery Stage 1年以上経過
新しい文化を自分の文化の一部と捉え、安定した生活を送ることができる時期。自分の本来の文化や新しい文化のよい点・悪い点を把握し、それらを受け入れて生活することができます。
これを見てもわかるように、少し時間はかかるかもしれませんが、必ず最後にはカルチャーショックを乗り越えられることができるんです。
3.代表的なカルチャーショックの例
私が留学して実際に体験したカルチャーショックをご紹介しましょう。
3-1.自己主張が強い
日本人ってものごとをあいまいにすることが多いですよね。ハッキリとした意見を言うことがあまりないような気がします。
でも、アメリカ人は違います。ハッキリとした意見をもっていて、その意見を自信もって主張しますし、Yes・No、好き・嫌いもハッキリと言います。
「それ、私キライ。だってXXなんだもん。大嫌い!」ってそこまで言わなくてもいいんじゃないかってくらい言います。
また、日本人は言葉にほかの意味を含ませますよね。「言外のことは読みとってね」という感じです。アメリカではそんなことはありません。ノーの意味はノーです。私自身、このような言葉の使いかたの違いにはとまどいました。
3-2.よくも悪くも人の話をする
アメリカ人は、本当にたくさんおしゃべりします。もちろん自分の話をするのも好きですが、他人の話をするのも大好きです(笑)。だれがこうした、あーした、そんなことまで話すの? ってことまで話します。
私がとあるクラブ活動に参加していたときのことです。アメリカ人の女の子Aさんが同じチームメイトBさんと仲よく話をしていました。AさんがBさんと話を終えて、別れた後すぐに、「Bさんのここが嫌いだ。ここがイライラする」など悪口を言い始めました。
「え? さっきまで仲よく話をしてたじゃん! あれは嘘? もしかして、こうやってAさん、私にやさしくしてくれてるけど、本当は影で悪口を言ってるんじゃない?」急にそんな不安が頭をよぎり、その不安が膨らんで、どんどん人を信じられなくなりました。
でも、こんなことアメリカに限らずよくあることですよね。当時はコミュニケーションをとることに必死で、相手がどういう性格だとか考える余裕がなかったのかなと思います。ちょっと大げさに反応しすぎていたかなと思いますが、留学して1番苦しい時期でした。
3-3.口調やリアクションがきつい
ある日、クラスメイトに宿題について質問したときに、うまく伝わらなかったのか、そのクラスメイトに“Say again!!”とキリッとした表情でバシッと言われて、怖かったことをいまでも覚えています。
「宿題を聞いただけなのに、何か悪いことしたかな? もっとやさしく聞き返してくれたらいいのに。これじゃあもう話しかけるの怖いよ」と思ってしまいましたが、アメリカではけっこうあることです。
また、私がクラスメイトと話していて、あまりうまく伝わっていないときに、「何言ってるのこの人?」っていうようなけげんそうな顔で、“What?”って聞き返されることがよくあります。背筋がゾッとするような恐怖感を何度も覚えました。
「やっと勇気を出して話したのに、そんなリアクションされたら、怖くて話したくないよ」ってひるみますよね。
けど、アメリカ人はそれが普通なんです。日本人からしたらちょっとキツイよって思うかもしれませんが、アメリカ人からしたらとくに怒っているわけでもなく、普通のリアクションです。
よくアメリカ人は表現力が豊かって言われると思いますが、そのような違いなのかなと思います。
だから、怖がることなくどんどん勇気を出して話しかけてください。ちょっと慣れるのに時間がかかるかもしれませんが、アメリカ人は悪気がないことだけは覚えていてほしいです。
私も、留学して最初の1・2年目は「私の英語は通じないのではないか」という恐怖があって、クラスで発言することをためらっていました。だけど、いまでは強いリアクションをされても、自分の意見を発言できるようになりました。
3-4.異性との距離感
アメリカの大学の寮では、男性と女性が隣同士の部屋に住んでいることがあります(稀ですが)。男女が同じ家をシェアしていても驚きではありません。異性でもハグをしたり、ボディータッチしたり、よくあることです。日本では男子寮、女子寮って分かれているのが普通で、異性とハグをすることはあまりありませんが、これも文化の違いですよね。
3-5.会話のテンポが早い
アメリカ人はとにかく話すのが早い! だれかが話し終わる前に、自分の話をし始めます。日本のように、ゆっくりと話が進まないので、どのタイミングで発言すればいいか、困惑するかもしれません。
たとえば、授業でのグループワーク。どんどんディスカッションが進んでいきますが、だれかが話しているときに、他のメンバーが意見を重ねて言うので、どのタイミングで自分の意見を言えばいいかわかりません。そうやってタイミングをうかがっているうちに、ディスカッション終了。「あーまた言えなかった」と自己嫌悪の繰り返し。
日本語は、文の最後に述部があるため、最後まで聞かないと文を理解できないのに対して、英語は述部が途中にあるので、最後まで聞かなくてもだいたい見当がつくという違いがあるようです。
また、日本では他の人が話しているのをさえぎるのは失礼にあたりますよね。けど、アメリカはそうではないようです。日本語のゆっくりな会話のテンポでは通用しません。英語でのリズムを身につけて、会話にも積極的に入るようにしたいですよね。
4.カルチャーショックはどのように解決するの?
では、留学中のこのようなカルチャーショックをどうやって解決するのでしょうか? ここでは私が実際に行った7つの方法をご紹介します。
4-1.割り切る
第2ステージのショック期に「自分はダメなやつだな~」などと自分を否定してしまう人が多いんです。そう思う気持ちはわかりますが、決して、あなたが人間的に弱かったり、劣っていたりしているからカルチャーショックを受けるわけではありません。
カルチャーショックは新しい環境に移り住んだときに、新しい生活習慣や価値観に適応しようとする人間の自然な心理状態で、だれにでも起こることです。それを頭の片隅に置いておいてください。
環境が違えば、生活習慣や文化が違うのも当たり前ですよね。自分の価値観から新しい文化を見て、「ここが違う」「ここが好きじゃない」と比較するのではなく、これは新しい文化なんだとありのままを受け入れるスタンスがあるといいと思います。
私も最初は「アメリカのこういうところは日本と違って好きじゃないな~」などと思っていて、文化の違いに抵抗や驚きがありましたが、これがアメリカの文化なのかって受け入れることができるようになりました。
そして、いまではこのような文化の違いを感じることが大好きです。多人種国家のアメリカにはたくさんの文化が共存していて、「そんな考えかたがあるのか!」「こんな生活習慣があるのか!」って自分の世界がドンドン広がっていっている気がして、楽しいです。
4-2.友だちに話す
私がカルチャーショックを乗り越えるのに、1番役に立った方法です。
人間不信になってしまったときに「どうすればいいんだろう」と、友だちに相談したところ、「私も同じ経験したよ。辛いよね」と共感してくれました。そのとき、心がフッと軽くなって私だけじゃないんだと思うことができました。
同じ留学生としてアメリカで勉強している学生であるならば、きっと同じ経験をしているはず。あなたの周りを見渡してみてください。あなたの周りには、あなたを助けてくれる友だちがいますよ。だから、恥ずかしがらずにちょっと相談してみてください。
4-3.カウンセリングを受ける
アメリカでは、カウンセリングを受けることは特殊なことではありません。深刻な問題に限らず、ちょっとした軽い問題でもカウンセリングを受ける人がたくさんいます。
アメリカのほとんどの大学にはカウンセリングセンターがあって、あらゆる相談を受け付けてくれます。大学によっては、留学生専門のカウンセラーもいます。積極的に活用してください。
4-4.規則正しい生活を送る
留学生活は、日本での生活の何倍ものストレスがかかります。
友だちや教授が英語で何を話しているか一字一句に耳を傾け、膨大な宿題とテストに追われ、新しい生活に慣れようとし、夜にはもうクタクタでベッドに突っ伏すなんて毎日のことです。
だからこそ、睡眠、栄養、運動を三大柱に規則正しい生活を送り、毎日エネルギーをチャージしてください。
4-5.趣味を楽しむ
規則正しい生活を送ることと少し似ていますが、セルフケアをする時間を積極的にとって、ストレスを溜めないことを心がけてください。
あなたがリフレッシュするときにやることはなんですか? スポーツすること? 歌うこと? 映画を見ること? 友だちとコーヒーを飲みに行くこと? 何か一つでも趣味があるととっても役に立ちますよ!
4-6.自分の気持ちを書いて整理する
前述したように、カルチャーショックの第2段階で「自分はダメだ」って自分を否定してしまうことがあるかもしれません。そこから、ネガティブな考えがグルグルと頭の中を回って、抜けられなくなることがあるかもしれません。
そんなときは、自分の気持ちや考えをすべて書き出してみましょう。自分が何に悩んでいるかが明確になって、スッキリすると思います。
4-7.留学先の文化や生活習慣を事前に学ぶ
考えてみてください。友だちに何も言われずにどこかに連れて行かれるのと、行き先を事前に告げられてから連れて行かれるのとどちらが怖いですか?
どこに行くかわからないほうが不安ですよね。留学も同じです。
あらかじめ新しい文化の知識があると、心身ともに準備ができます。いまはインターネットで調べることもできますし、アメリカの映画やテレビ番組で、アメリカの生活様式や習慣を知ることもできますよね。日本にいてもさまざまな方法で留学先の情報を得ることができると思います。語学の勉強と共に、そのような情報収集にも時間をかけてください。
5.まとめ
みなさん、いかがでしたか? 私の経験やアドバイスが少しでも皆さんの役に立てたらうれしいです。
母国から遠く離れた異国の地の文化に慣れるのは本当に大変です。でも、留学を決意した勇敢なあなたなら問題ありません。「こんなところにもういられない! 日本に帰りたい!」ってなるかもしれませんが、1度深呼吸をして、落ち着いてください。
カルチャーショックは、留学生みんなが経験することですし、時間が経てば解決します。
あなたの周りにはたくさんの味方がいるので、恥ずかしがらずに頼ってください。そして、次にやって来る留学生を今度は自分が助けることができるようになったらいいですね。
それでは、次回の「アメリカ留学ラボ」をお楽しみにー! Chao!!
投稿日:2017年07月22日(Sat)
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