アメリカ大学のシステム

留学に必要なSAT®

SAT®とは、アメリカの高校生が受ける大学進学のための標準テストです。アメリカの大学は入学審査において高校の成績やエッセイ、推薦状などとあわせて、SAT®のスコアの提出を求めています。このページではSAT®のテストの内容と、それがアメリカの大学の入学審査でどのように評価されるのかを解説します。

アメリカの大学出願に必要な標準テストSAT®とは?

SAT®(エスエイティ)とは、アメリカの高校生が受ける標準テストで、民間の非営利機関であるカレッジボード(College Board)が運営しています。1926年に初めて実施されたもので、アメリカの大学の多くは、高校の成績やエッセイなどと共に、SAT®のスコアを出願要件の一つとしています。

アメリカは高校までが義務教育。したがって高卒の時点での学力が、生徒によって大きく異なります。同じオールAをとった高校生でも、高校のレベルによっては学力に大きな差が生じることになるのです。

そこで全米の高校生の標準に照らして学力を測るテストとして、SAT®がその役割を果たしています。SAT®が「標準テスト」(Standardized Test)といわれるのは、そのためです。

SAT®のほかに、高校生の学習達成度を測るテストとして、ACT®(American College Test)という標準テストがあります。アメリカの高校生は、SAT®かACT®のいずれかを受けて、そのスコアを出願大学に提出しています。ちなみに英語を母語としない留学生が受ける標準テストの代表的なものが、TOEFL®テストです。

SAT®はアメリカの大学入試なのか?

アメリカの大学は、書類審査によって合否を決めます。高校の成績・エッセイ・推薦状・課外活動など、さまざまな書類によって、さまざまな角度から出願者を評価します。SAT®もそれら書類のうちの一つです。

SAT®が何点以上(以下)あれば合格(不合格)というわけではありません。全米の標準テストであるとはいえ、日本のセンター試験と同じものだと考えるのは大きな間違いです。

では、個々の大学が実施するテストがあるかといえば、それもアメリカにはありません。アメリカの大学が入学審査において合否を決める材料は、一般的には以下の項目です。これらを総合的・多角的に評価して、合否を判断するのです。

  • 高校の成績
  • エッセイ(作文)
  • 推薦状
  • SAT®/SAT®教科別テストのスコアまたはACT®のスコア
  • TOEFL®テストのスコア
  • 課外活動
  • 面接

SAT®のスコアが少しくらい低くても、他の項目がすぐれていれば合格のチャンスが高まりますし、逆にSAT®でいくら高いスコアをとっても他の項目に魅力が欠けていれば不合格になります。得点を競い合う日本の大学入試を基準にすると、このような入学審査はわかりにくいかもしれませんが、アメリカの大学は学力だけでなく、出願者一人ひとりの人間としての魅力や個性をしっかり評価しようとするのです。

SAT®には2つの種類がある

SAT®には、

  • SAT®(Reasoning Test)
  • SAT® Subject Tests

これら2つの種類のテストがあります。

SAT®(Reasoning Test)

SAT®(Reasoning Test)は、Critical Reading(読解)・Mathematics(数学)・Writing(ライティング)の3つの分野から成り立っています。

3つの分野がそれぞれ200~800点の範囲で採点されます。すべての分野で満点をとると2400点になります。2016年の春からWritingの受験が任意となり、テストの内容にも少し変更があるようです。なお単純にSAT®といったら、通常はこのReasoning Testのことをいいます。

試験時間は3時間45分(休憩を含めない)です。3つの分野に「セクション」がそれぞれ3つあり、合計9つのセクション問題の解答で採点されます。また、この9個のセクションに加えてもう1つ、ダミーのセクションと呼ばれるものがあります。これは受験生に他の問題と見分けがつかないように紛れ込ませたもので、このセクションでの解答は得点に全く影響しません。ここでの解答は、主にSAT®テストの研究用に使用されると言われています。ダミーセクションの出題分野がCritical Reading、Mathematics、Writingのいずれになるかは、その時受けるテストによって変わります。

SAT® Subject Tests

SAT® Subject Testsは「科目別」テストで、英語、アメリカ史、数学レベル1、数学レベル2、生物、化学、物理、フランス語、ドイツ語、スペイン語、現代ヘブライ語、イタリア語、中国語、日本語、韓国語といった科目があります。SAT® Subject Testsも200~800点の範囲で採点されます。

ワンポイント:SAT® Subject Testsの提出を求めるのは難関校

アメリカの多くの大学がSAT®(Reasoning Test)スコアの提出を求めていますが、これに加えて出願の際にSAT® Subject Testsのスコアの提出を求める大学もあります。名門校・難関校がそうです。大学によって2科目または3科目のSAT® Subject Testsの受験が課されます。

SAT®の3つの分野で問われること

Critical Reading

語い力、読解力、推論力が問われます。

  • 空欄補充:19問
  • 読解:48問

これらが多項選択方式(いくつかの選択肢の中から1つ~複数を選択するテスト形式)で出題され、空欄補充問題と読解問題を含む24問を25分間で解くセクションが2つ、19 問を20分間で解くセクションが1つあります。

Mathematics

演算、代数、幾何学、統計、確率の分野の理解度が測られます。

  • 多項選択方式の問題:44問
  • 受験者自らが解答を導き出す問題:10問

から成り、20問を25分間、18問を25分間、16問を20分間で解くという3つのセクションを通じて出題されます。なお、電卓の使用が許されています。

Writing

  • 効果的な文章を見きわめる問題:25問
  • 文法の誤りを見つける問題:18問
  • パッセージ(節)の文脈において文章を改善する問題:6問

これらの多項選択方式の客観テストと、

  • 受験者本人が書くエッセイ1題

によって構成されています。

客観テストとしては、35問を25分間で解くセクションが1つと、14問を10分間で解くセクションが1つあります。
実際に書くエッセイのセクションでは、与えられたトピックを25分間で書きます。
Writing全体の得点配分は、客観テストが70%、エッセイが30%です。

Writingのエッセイのセクション以外はマークシート形式で解答します。間違った答えは4分の1ポイント減点されます。

SAT®各分野の問題数とテスト時間
分野 問題数 テスト時間
Critical Reading 67問 70分
Mathematics 54問 70分
Writing 49問+エッセイ 60分
ダミー 受験者により異なる 25分

ランダムに異なる10のセクションの順序

SAT®は、三つの分野をあわせると、ダミーのセクションを含めて10のセクションから成ります。

テストはまずWritingのうちエッセイのセクションから始まります。
その次のセクション(Section 2)から7つめのセクション(Section 7)までは、25分のセクションが6つ続きますが、Critical Reading、Mathematics、Writing、ダミーいずれのセクションがどのような順序で問われるのかは、受ける人によってランダムに異なります。
8番目・9番目のセクション(Section 8、Section 9)はCritical ReadingとMathematicsそれぞれ20分のセクションですが、やはりどちらが先になるのかは、受ける人によって変わります。
最後(Section 10)は、Writingの10分のセクションで締めくくられます。
受験者によってセクションの順序が異なるのはカンニング防止のためだそうですが、受ける側からすると、ちょっと混乱してしまいそうですね。

SAT®のセクションの流れ
Section 1 Writing:エッセイ 25分
Section 2 Critical Reading 25分
Section 3 Mathematics 25分
Section 4 Writing 25分
Section 5 ダミー 25分
Section 6 (順不同) 25分
Section 7   25分
Section 8 Critical Reading 20分
Mathematics
Section 9 (順不同) 20分
Section 10 Writing 10分

アメリカの高校生はどれくらいのSAT®スコアをとるのか

SAT®を運営するカレッジボードによると、2013年に高校を卒業したSAT®(Reasoning Test)の受験者の平均点は、

Critical Reading497
Mathematics 513
Writing 487

ということです。

だいたい2回くらい受けるのが一般的

SAT®は複数回受けられます。アメリカの高校生はだいたい2回受けるのが一般的です。2回目のほうがスコアは高くなるようですが、3回以上受ける高校生はあまりいません。それ以上受けてもスコアの上昇は見込めないというのが一般的な考えかたです。

SAT®だけで合否は決まらない

名門大学に入るような高校生のSAT®スコアに目を向けますと、さすがにハイスコアが目立ちます。ハーバードの合格者の8割以上が、3つの分野いずれも700点以上をとっています。しかし逆にいえば、2割近い高校生は、700点未満でハーバードに合格していることになります。エッセイや推薦状など、他の審査項目がすぐれていたことが、合格に結びついているわけです。

SAT®の受験は日本人留学生にも必須か?

アメリカの大学の入学審査においては、ほとんどの大学が出願者にSAT®のスコア提出を課していますが、留学生に対しては任意または要求しないところも珍しくありません。また編入希望者にはSAT®を課さないという大学も多くあります。

一方、難関校や名門校はSAT®(Reasoning Test)だけでなく、SAT® Subject Testsも課すところが多いようです。大学によっては 学業成績とともにSAT®(Reasoning Test)スコアが高いと奨学金を出してくれるところもあります。

SAT®を受けるか否かは、出願したい大学が留学生にも受験を課しているか否か、課している場合SAT®(Reasoning Test)だけでよいのか、SAT® Subject Testsも受ける必要があるのか、また何科目が課されているのかを、各大学のウェブサイトで確認しましょう。

SAT®対策とは?

日本人にとって、Mathematicsは得点がとりやすい内容で、数学の用語を英語で覚え、練習問題をたくさんこなすことが対策です。出題のレベルとしては日本の中3~高1で習う程度のものです。

一方、Critical ReadingとWritingについては、英語が母語でない留学生がアメリカ人並みの得点をとることはなかなかむずかしいのが現実です。アメリカの大学は留学生のそのような事情を考慮し、TOEFL®テストのスコアを踏まえてSAT®スコアを判断してくれるところも多いようです。

SAT®の受験手続:早めの申し込みが肝心

<受験できる機会は年に6回ある>

日本では、SAT®は10月、11月、12月、1月、5月、6月に実施され、1年度に6回の受験機会があります。申し込みはカレッジボードのウェブサイトからオンラインで行い、受験料もオンラインでクレジットカードにて支払います。SAT®(Reasoning Test)の受験料は、アメリカで受ける場合は52.50ドル、日本で受ける際にはこれに加えて42ドルです。

なおSAT®(Reasoning Test)とSAT® Subject Testsを同日に受験することはできません。SAT® Subject Testsの科目は同日の試験日に3つ同時に受けることができます。

<日本のテスト会場>

主要都市近郊のいくつかのインターナショナルスクールがテスト会場になります。その数は限られています。最近は中国や韓国から日本にSAT®を受験しに来る人が多く、受験者定員がすぐにいっぱいになってしまうため、早めに申し込みすることを心がけましょう。

SAT®スコアの確認と出願大学への提出

SAT®を受験した日から17日後くらいにオンラインでスコアを確認することができます。出願校にSAT®スコアを提出する場合、「スコアレポート」をカレッジボードから出願校に送付してもらう手続きが必要です。

SAT®の受験を申し込む際に、4校まで無料でカレッジボードから直接大学に送付してもらうことができます。それ以上の数の大学に送付してもらう場合は、追加費用がかかります。追加費用は、1校あたり11.25ドルです。

ワンポイント:SAT®(Reasoning Test)を複数回受験した場合

SAT®(Reasoning Test)を何回か受けた場合、いつ受けたテストのスコアレポートを出願校に送付するかを選ぶことができます。SAT® Subject Testsについては、どの科目をスコアレポートしたいかを選ぶことができます。
カレッジボードから各出願校にスコアレポートが届くのに数週間かかることがありますので、早めに送付手続きすることを心がけましょう。

まとめ

SAT®は留学生が身近に感じるテストですが、アメリカの大学はさまざまな書類を多角的に審査して合否を決めますので、SAT®のみに集中して「受験勉強」することはありません。出願の時点での本来の学力をもって、自然体でSAT®の受験に望むのが、あるべき姿勢だといえるでしょう。「高校でしっかり勉強していればSAT®でよい結果を出せる」とカレッジボードは述べています。



アメリカの大学が入学審査項目の一つとして提出を求めているSAT®。最近では日本の大学でもSAT®を入試の代わりとして採用しようという動きがあります。アメリカ国内だけでなくグローバルなレベルでの「標準テスト」としてSAT®が位置づけられつつあるのかもしれません。

栄 陽子留学研究所では、SAT®でハイスコアをとって名門大学への留学を果たした数々の実績をもっています。アメリカの高校生と同じ土俵で勝負したい! という人はぜひ留学相談をお受けください。

» 留学相談 » 資料請求

留学オープンセミナーin大阪

このページの先頭へ

おすすめの本

【新刊本】 留学で夢もお金も失う日本人 ~大金を投じて留学に失敗しないために~

アメリカ大学編入への道米国の大学の学費は年間約580万円!? 折角米国の一流大学に入れるようになったのにお金の問題であきらめる人が増えています。そんな罠にハマらない賢い対処法とは?

もっと見る


アメリカ名門大学への道

超有名校のハーバード、イェールから、日本人が知らない隠れた名門まで厳選50大学掲載。名門に入るための道筋がこれ一冊に。世界に通じるリーダーを目指すための必携の書!

もっと見る