アメリカ留学 全米50州ガイド
マサチューセッツ州とその大学の魅力

マサチューセッツ州は、アメリカの教育のメッカです。とても教育レベルの高い州で、アメリカの大学教育のルーツでもあります。

マサチューセッツ州
マサチューセッツ州の位置

当然、留学先としてもとても魅力的な州です。ハーバード大学やマサチューセッツ工科大学といった世界的に有名な大学もあれば、日本ではあまり名の知られていないものの「超」名門のリベラルアーツ・カレッジも数多くあります。

このページではそんなマサチューセッツ州と、マサチューセッツ州の大学を紹介します。アメリカの大学への留学を考えている人は、ぜひ参考にしてください!



1.マサチューセッツ州とは

まずはマサチューセッツ州とはどんな州なのか、その地理から見てみましょう。


1-1.マサチューセッツ州の地理

マサチューセッツ州の美しい自然

マサチューセッツ州の美しい自然

マサチューセッツ州は、アメリカ北東部のニューイングランド地方にあります。北をニューハンプシャー州とバーモント州に接し、東は大西洋に面します。南はコネチカット州とロードアイランド州に、西をニューヨーク州に接します。

州の面積は全米50州のうち44位と低いものの、ニューイングランド地方では最も人口の多い州で、とくにボストンとその周辺は、全米で10番目に人口が多い都市圏となっています。

都市を除くと、美しい自然が広がっています。日本のように四季があって、季節ごとの自然の景観を楽しめます。州の土地の約6割を、森林が覆っています。

ボストンなど大西洋に面しているエリアでは、シーフードが有名です。とくにロブスターとクラムチャウダーはポピュラーです。海に突き出している半島のケープコッドには、夏にはたくさんの観光客が訪れています。

気候は、おおむね湿潤です。夏は暖かく、冬はとても寒くなり、ときには大雪も降ります。


1-2.マサチューセッツ州の成り立ち

ボストンの港

ボストンの港

1620年に、マサチューセッツ州のプリマスというところに、102人のイギリス人がメイフラワー号に乗ってやってきます。彼らは「ピルグリム・ファーザーズ」と呼ばれます。厳しい冬を乗り越えて迎えた収穫を祝う「感謝祭」(Thanksgiving Day)は、いまに続くアメリカの年中行事です。新しい土地での栽培は、それまで住んでいたネイティブ・アメリカンの人たちに指導してもらいました。感謝祭の日に食べるコーン・ブレッドは、ネイティブ・アメリカンの伝統食です。

その16年後に、早くもハーバード大学が設立されます。アメリカで最初にできた大学です。アメリカ合衆国がイギリスから独立する140年も前のことでした。

このような「アメリカ初」のものがマサチューセッツ州にはたくさんあります。公園、新聞、図書館、灯台などがそうです。ちなみにバスケットボールとバレーボールも、マサチューセッツ州が発祥の地です。

独立に至るまで、マサチューセッツ州のボストンは、歴史上で大きな事件の舞台になりました。ボストン虐殺事件や、ボストン茶会事件などがそうです。アメリカ独立の急先鋒が、マサチューセッツだったのです。いまでもマサチューセッツ州には、いたるところに史跡があります。

独立戦争にあたっては、奴隷制度への反対運動に先陣を切りました。またヨーロッパからの移民も増え続けます。

以降、アメリカの産業革命の主役を担い、最近はバイオテクノロジーやITの分野がよく発達していて、西のシリコンバレーとよく比較されます。もちろん全米きっての高い教育レベルも、いまだにマサチューセッツ州を特徴づけています。世界中のインテリがこの州に集まってきます。


2.マサチューセッツ州の都市

マサチューセッツ州を代表する学園都市を2つ紹介しましょう。


2-1.ボストン

ボストンの夜景

ボストンの夜景

まずはボストン。アメリカきっての学園都市です。その都市圏には、ハーバード大学、マサチューセッツ工科大学、ボストン大学、ボストン・カレッジ、タフツ大学、ウェルズリー・カレッジ、ブランダイス大学など、名門大学が数多くあります。

世界中から優秀な学生と研究者が集うボストンは、街そのものにアカデミックな雰囲気が漂っています。学生が多いので活気もあって、若々しいエネルギーに満ちています。留学生もたくさんいますから、国際色が豊かです。

公共の交通機関がよく整っているのもボストンの特徴で、西海岸のロサンゼルスとは大きく異なるところです。

またスポーツ観戦はボストンっ子にとってはとても重要なイベントです。MLB(野球)のレッドソックスとNBA(バスケットボール)のセルティックスの試合は、ほかのすべての用事に優先するほどです。


2-2.アマースト

アマーストの市庁

アマーストの市庁

アマーストもまた、全米有数のカレッジ・タウンです。「都市」というよりも、美しい田園の町という風情です。

名門リベラルアーツ・カレッジのアマースト・カレッジとハンプシャー・カレッジ、そして州立のマサチューセッツ大学アマースト校が、ここにキャンパスをかまえています。近隣のマウント・ホリヨーク・カレッジとスミス・カレッジ(いずれも名門女子大)とあわせて5つの大学が協定を結んでいて、学生はこれら5つの大学いずれの授業もとれるようになっています。またこれらの大学は、地域の雇用に大きな役割を果たしています。

町の人口は4万人に満ちません。それに対して学生の数は3万人ほど。また短期的に滞在する研究者もたくさんいます。とてもアカデミックな町です。

ボストンまでは車で2時間ほどで、週末の息抜きにでかけるにはちょうどいい距離です。


3.マサチューセッツ州と日本の関係

マサチューセッツ州は、日本とゆかりの深い州です。

アマーストとボストンは、幕末から明治にかけて、日本人留学生のメッカでした。アマースト・カレッジに学び、やがて帰国して同志社大学を設立した新島襄もその1人です。内村鑑三もアマースト・カレッジで学んでいたことがあります。

ジョン万次郎が暮らしたのもマサチューセッツ州です。

札幌農学校をつくり「少年よ、大志を抱け」の言葉を残したクラーク博士も、アマーストからやってきました。北海道の開拓にあたっては、マサチューセッツ州出身のアメリカ人が指導的な役割を果たしました。

最近では、ボストン交響楽団やMLBのレッドソックスなどで日本人が活躍しています。マサチューセッツ州に進出している日本企業も多く、領事館もボストンにあります。親日家が多いので、留学生にとっても居心地がいい州です。


4.マサチューセッツ州の大学について

マサチューセッツ州には留学先として魅力的な大学がたくさんあります。総合大学、リベラルアーツ・カレッジいずれも、州立よりも私立のほうが充実していて、アメリカの大学教育がハーバード大学という「私立大学」から始まったことをよくあらわしています。ただこれらの大学は学費が高いという一面もあります。

ここでは、ごくごく数を絞って、マサチューセッツ州(そしてアメリカ)を代表する大学をいくつか紹介します。


4-1.ハーバード大学

ハーバード大学

ハーバード大学

アメリカで最古の、そして最も有名な大学であるハーバード大学(Harvard University)については、いまさら説明を要しないかもしれません。みんなのあこがれの大学です。

合格するのは至難のワザです。奨学金もタップリ出してくれるので、貧富を問わず世界中のエリートたちがしのぎをけずります。多様性に力を入れているので、典型的なハーバード生というのはいません。したがって合格のコツも、ありません。

とはいえ、すべての学生に共通の点があります。それは勉強熱心であること。寝る時間があるなら勉強する、というのは彼らにとっては比喩ではありません。それでいて学生生活をしっかり楽しむ余裕もあるようで、要はタフということなのかもしれません。すぐれたアスリートもたくさんいます。ほぼすべての学生が寮生活を送っています。

明日の世界を背負って立つリーダーが、いまも刻々とここで育ちつつあります。


4-2.マサチューセッツ工科大学

マサチューセッツ工科大学

マサチューセッツ工科大学

全米そして全世界の「ガリ勉」が集まるのが、マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology)です。

工科大学ではありますが、人文系、ビジネス、社会科学系の分野も全米トップレベルです。MBAも有名です。産官学民のネットワークがとても強固です。

テクノロジーによって世界を驚かせることに喜びを覚える学生たちは、ちょっと変わり者ですが、どこかいたずら好きでもあります。そして豊かなクリエイティビティも、彼らの持ち味です。課題が大きければ大きいほど狂喜するのがMITの学生たちです。


4-3.タフツ大学

タフツ大学

タフツ大学

タフツ大学(Tufts University)は、日本ではそれほど知られていないかもしれませんが、「ハーバードは知っているけどタフツは知らない」という人は、おそらくアメリカにはいません。それほどの名門大学です。

リベラルアーツ教育と専門教育をバランスよく組み合わせたカリキュラムにより、考える力が養われるとともに、卒業後すぐさま実践できる専門知識が身につきます。

国際関係学の分野がとくに有名で、この分野の大学院からはすぐれた政治家や外交官がたくさん巣立っています。留学プログラムも充実しています。演劇やダンス、音楽といったパフォーミング・アーツの分野もよく知られています。

学生たちは政治意識が高く、活発な政治談義は彼らにとっては日常の光景です。


4-4.アマースト・カレッジ

アマースト・カレッジ

アマースト・カレッジ

マサチューセッツ州には長い伝統を誇るすぐれたリベラルアーツ・カレッジがたくさんあります。アマースト・カレッジ(Amherst College)もその1校です。

一般教養の必修を設けない「オープン・カリキュラム」というシステムをとっていて、学生は自分の興味に応じて自由に科目を選択できます。近隣の4つの大学と提携しているので、科目選択のバラエティはとても豊かです。

リベラルアーツ・カレッジらしく、教授はとても接しやすく指導熱心です。授業はディスカッションが中心で、学生には主体的に学ぶことが求められます。多様な価値観を認め、助け合う気風がみなぎっています。学生のほとんどが寮生活を送っています。

アメリカで初めてスポーツ・プログラムを設けた大学としても有名です。


4-5.ウィリアムズ・カレッジ

ウィリアムズ・カレッジ

ウィリアムズ・カレッジ

ウィリアムズ・カレッジ(Williams College)は、US Newによるリベラルアーツ・カレッジランキングで17年連続ナンバー1に選ばれている、名門中の名門リベラルアーツ・カレッジです。

あらゆる点において理想的な大学といえるくらい、学生たちの満足度は高く、卒業生のネットワークも強固です(大学の同窓会組織としては全米最古です)。「世界一」と学生たちが絶賛する教授陣も、親身な指導を惜しみません。

1人の教授と2人の学生とで行われるTutorialというシステムを取り入れていて、とても密度の濃い指導がされます。留学生の受け入れにも前向きです。

ガウン&キャップという、いまではおなじみの卒業式のいでたちは、この大学で始められたといいます。


4-6.ウェルズリー・カレッジ

ウェルズリー・カレッジ

ウェルズリー・カレッジ

ウェルズリー・カレッジ(Wellesley College)は、「セブンシスターズ」に名を連ねる全米屈指の女子大学です。

リベラルアーツ教育に力を入れていて、学生はさまざまな分野を幅広く学びます。マサチューセッツ工科大学(MIT)の科目を履修することができるほか、アメリカ北東部の12の大学で1学期間を学ぶこともできます。

世界で活躍する卒業生のネットワークも強固で、将来の女性リーダーへの支援を惜しみません。

美しいキャンパスはボストン郊外にあって、週末の気分転換にはもってこいのロケーションです。


以上、マサチューセッツ州と、マサチューセッツ州の大学を紹介しました。この州には魅力的な大学がたくさんあって、留学先としてもオススメです。いかにも「アメリカの大学」らしさを残した大学もたくさんありますので、留学に興味がある人は、ぜひマサチューセッツ州の大学をチェックしてみてください!


記事中の大学をチェック

» ハーバード大学
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