5.編入を成功させるポイント
コミュニティ・カレッジから四年制大学への編入は、アメリカではごく当たり前に行われています。留学生でも、この進路を選択することは可能ですし、最初からそのつもりでコミュニティ・カレッジに留学する人もたくさんいます。しかし本当に編入を成功させたかどうかは、ただ「編入できた」だけでなく、認められるべき単位をしっかり認められたかどうかもあわせて問われなければなりません。編入することによって、最初から四年制大学に行くよりも卒業時期が先に延びてしまっては、コミュニティ・カレッジの費用的なメリットも帳消しになってしまいます。ここでは、コミュニティ・カレッジから四年制大学への編入を成功させるポイントをいくつか紹介します。
アメリカの大学のカリキュラムをしっかり理解する
まず最も大切なことは、アメリカの大学のカリキュラムをしっかり理解することです。この手がかりとなるのが、アカデミック・カタログです。アカデミック・カタログは各大学のWEBサイトで読むことができます。
複数の大学のアカデミック・カタログを読んでいくうちに、入学から卒業までのカリキュラムの全体像がだんだんはっきりしてくるはずです。その全体像を理解できれば、どの学期にどの科目をとればよいかの判断がつけられるようになります。日本にいる間に実際の履修計画を立てられるまでカタログを読み込めれば望ましいのですが、そこまで達しなくても、カリキュラムのあらましと重要な語句にはできるだけ親しんでおきましょう。
コミュニティ・カレッジの2年間をシミュレートする
コミュニティ・カレッジの課程は、大きく「進学コース」と「職業訓練コース」とがあります。四年制大学への編入を考えている人は、進学コースで学ぶことになります。
進学コースを修了してコミュニティ・カレッジを卒業すると、准学士号(Associate Degree)という二年制の学位を取得します。したがってこのコースのことを、Associate Degree Programといいます。アカデミック・カタログでは、まずAssociate Degree Programの内容をチェックしましょう。
Associate Degreeには、文系のAssociate of Arts(A.A.)と、理系のAssociate of Science(A.S.)という二つの学位があり、いずれの学位取得をめざすかによって、カリキュラムも異なります。四年制大学に編入後に理系分野を専攻するつもりであらばA.S.のコースを、そうでなければA.A.のコースを学ぶというのが原則ですが、両者に共通する科目もあるので、A.A.かA.S.かの違いは入学時にはそれほど気にすることはありません。まずは両者に共通する科目から履修していけばいいでしょう。専攻を決められないのであれば、A.A.のほうが「編入フレンドリー」といわれていて、四年制大学に認められる可能性の高い科目も多いようです。
コミュニティ・カレッジによっては、2年生になると必修科目は少なくなり、選択科目の枠が大きくなります。選択科目は、その大学で開講されている科目を自由に選んでよいことになっていますが、だからといって四年制大学に単位が認められないような科目(職業訓練の性格が強いものなど)をとってしまうと、コミュニティ・カレッジを卒業できても、四年制大学には2年分の単位を認められないということになってしまいます。自由に選択できる科目であっても、やはり四年制大学への編入を想定して、できるだけ単位が認められやすい一般教養の科目を選ぶといいでしょう。
2017年度秋学期 | |
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英作文Ⅰ | 3単位 |
コンピュータ情報システム | 3単位 |
代数 | 3単位 |
フィットネス | 2単位 |
ガイダンス | 1単位 |
合計 | 13単位 |
2017年度春学期 | |
英作文Ⅱ | 3単位 |
生物学概論 | 5単位 |
ミクロ経済学基礎 | 3単位 |
選択科目 | 3単位 |
ガイダンス | 1単位 |
合計 | 15単位 |
2018年度秋学期 | |
パブリックスピーキング | 3単位 |
社会学概論 | 3単位 |
美術史&美術鑑賞 | 3単位 |
音楽理論 | 3単位 |
選択科目 | 3単位 |
選択科目 | 3単位 |
合計 | 18単位 |
2018年度秋学期 | |
選択科目 | 3単位 |
選択科目 | 3単位 |
選択科目 | 3単位 |
選択科目 | 3単位 |
選択科目 | 3単位 |
選択科目 | 1~3単位 |
合計 | 16~18単位 |
コミュニティ・カレッジを卒業するべきか?
アメリカの大学は単位制ですから、コミュニティ・カレッジで准学士号を取得しなくても、またコミュニティ・カレッジを卒業しなくても、取得した単位を四年制大学に移行して編入することは可能です。「編入生」の定義としては、一般的には24単位以上を取得している学生のことをいいますが、それ以下の単位であっても、四年制大学は認めてくれます。
そうであるならば、コミュニティ・カレッジでは、大学生活の足慣らしだけをすればいいのであって、准学士号を取得しなくてもいいのではないか、という人もいるかもしれません。それは、その通りです。
しかし、准学士号を取得すれば、ひとまず「二年制大学卒」という学歴をもつことになりますし、コミュニティ・カレッジでAssociate Degree Programを修めたというのは、それで一つの立派な成果です。また、四年制大学に単位を認められやすい一般教養科目を中心に学ぶことは、内容的にはAssociate Degree Programで学ぶことと同じです。さらに、准学士号を取得して編入した学生のほうが、そうでない学生よりも四年制大学の卒業率が高いというデータもあります。このようなことをあわせて考えると、コミュニティ・カレッジには准学士号を取得するつもりで留学するのがよいといえそうです。
Associate Degreeを取得して編入した学生 | 71% |
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Associate Degreeを取得せずに編入した学生 | 55% |
(Inside Higher Educationによる)
アカデミック・カタログはアメリカ留学の最良の教材
アカデミック・カタログを読むことについて付言すれば、最初の留学先であるコミュニティ・カレッジとあわせて、四年制大学のカタログも読んでおくといいでしょう。志望大学や専攻は決めておく必要はありませんが、仮に「○○大学でビジネスを専攻する」などと想定して、その四年制大学における1年生~4年生までの履修計画を立ててみてください。そして、その最初の2年の履修内容を、コミュニティ・カレッジでの履修計画に当てはめることで、コミュニティ・カレッジ2年+四年制大学2年=4年間のカリキュラムをつくれるはずです。
自力でこれだけのことをするのは大変だと思いますが、カリキュラムをあらかじめ理解しておかなければ、適切な履修科目を選ぶこともできず、編入の際に認められる単位も減ってしまいかねません。アカデミック・カタログは留学の予習教材として最適です。少しずつでも読み慣れていくようにしましょう。
社会科学系 | 6単位(異なる分野の2科目) |
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人文科学系 | 6単位(異なる分野の2科目) |
歴史系 | 3単位以上の1科目 |
非西洋的視点の科目 | 3単位以上の1科目 |
自然科学&数学系 | 12単位(異なる二つ以上の分野の3~4科目) |
その他 | 英作文、外国語 |
アメリカの大学の「卒業のむずかしさ」を知っておく
アメリカの大学の1年度は9月~翌年5月です。多くの大学は、この1年度を「9~12月の秋学期」と「1~5月の春学期」ので二分する「二学期制(セメスター制)」をとっています。
秋・春それぞれの学期が独立しているのがセメスター制の特徴です。秋学期にとる科目は12月に成績と単位を得て修了し、春学期にはまったく別の科目をとって、やはり5月に完結します。1学期はだいたい16週間です。したがって学期が始まって8週目には中間テストが待っています。その8週間後には期末テストを控え、さらに毎回の授業では膨大なリーディングの課題が出るほか、抜き打ちの小テストやレポートなど、とにかく勉強に追われる生活を送るのがアメリカの大学生です。
このペースの速さに加えて、アメリカの大学ではC平均(70点平均)を2学期続けて切るとあっけなく退学になってしまいます。留学生も含めてアメリカの大学生は、厳しい成績措置を現実のものとして間近に感じながら、16週間という短い期間での勝負に挑みます。
このようなペースの速い学期制と、成績に対する厳しい措置が、アメリカの大学が「卒業がむずかしい」といわれる一番の要因です。この学期制と成績評価についてきちんと理解せずに留学すると、あっという間に落ちこぼれかねません。16週間では挽回できる時間も限られています。
秋学期 | |
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8月28日~9月1日 | オリエンテーション |
9月2日 | 授業開始 |
9月11日 | 履修登録期限 |
10月20日~24日 | 中間試験 |
11月14日~30日 | 春学期科目の履修登録 |
11月25日~29日 | 感謝祭休暇 |
12月12日~14日 | 自習 |
12月15日~19日 | 期末試験 |
12月20日~1月13日 | 冬休み |
春学期 | |
1月14日 | 授業開始 |
3月8日~11日 | 中間試験 |
3月12日~20日 | 春休み |
4月18日~29日 | 次年度秋学期科目の履修登録 |
5月3日~5日 | 自習 |
5月6日~11日 | 期末試験 |
5月14日 | 卒業式 |
1年のスケジュールと授業日程をあらかじめ知る方法
アメリカの大学の1年のスケジュールを知るにあたっても、アカデミック・カタログが役に立ちます。アカデミック・カタログには、その年のスケジュール=Academic Calendarが載っていますので、1年度の全体的な日程はカタログを読めばわかります。
個々の科目の授業スケジュールや課題、テストの日程や成績評価については、授業の初日に配布されるシラバス(授業進行表)に記載されています。このシラバスも、大学によってはWEBサイトで公開していますので、自分の興味がある科目の基礎レベルのものを探してみるといいでしょう。たとえば心理学に興味があるのであれば、「Introduction to Psychology Syllabus」といった語句で検索すると、実際の科目のシラバスを見いだせます。
早めの履修登録をこころがける
履修科目については、アカデミック・アドバイザーの先生と相談しながら選ぶことになります。大学ごとに履修登録期間が決まっていますので、その期間内に登録できるように、あらかじめアカデミック・カタログによく目を通して、履修する科目をある程度は絞り込んでおきましょう。
科目登録は先着順です。コミュニティ・カレッジによっては、人気の科目がすぐに定員がいっぱいになってしまう場合もあります。コミュニティ・カレッジの学生の37%が、履修したくても履修できないという目に遭っているといいます。カリフォルニア州の一部のコミュニティ・カレッジなどは、学生の数が多すぎて、この問題が慢性化しています。したがって、「できるだけ早めに履修登録をする」ことが肝心です。
履修すべき科目に登録できなければ、次の学期か、場合によっては翌年の開講を待たなければなりません。その科目を修めなければ上級レベルの必修科目を履修できないという場合もあります。そうすると、2年でコミュニティ・カレッジを卒業すること自体がむずかしくなってしまう可能性もあります。定員がいっぱいで履修できないというときは、ひとまずアカデミック・アドバイザーや教授に交渉してみましょう。小さなコミュニティ・カレッジでは、融通をきかせてくれるかもしれません。
最初の学期でよい成績を修めておこう
留学して最初の学期でよい成績を修めておけば、後が楽になります。逆に最初に悪い成績をとると、後で挽回するのが大変になりますので、最初の学期はよい成績を修めやすい科目を中心に履修するといいでしょう。
留学生にとってよい成績を修めやすい科目とは、英語力をそれほど必要としない科目――数学やアート、体育など――です。生物学や化学といったサイエンス系の科目も、留学生にとってはよい成績をとりやすい部類に入ります。逆に、アメリカ史や文学などは、膨大なリーディングが課されますので、最初の学期は避けたほうがいいかもしれません。
アカデミック・アドバイザーは、履修登録をはじめとして、学業に関するあらゆることに相談に乗ってくれる先生です。いろいろとお世話になる機会が多いので、できるだけ親しくしておきましょう。アドバイザーの先生に、きちんと四年制大学への編入の意思を伝えて、できるだけ四年制大学に認められやすい科目を履修したい旨を、しっかり伝えることが大切です。
コミュニティ・カレッジで求められる行動力
コミュニティ・カレッジは、基本的には学生に対して親身なサポートを提供しません。コミュニティ・カレッジで学んでいる学生の多くは、仕事しながら通っている成人たちです。大学側も、学生たちはすでに社会人としての責任感と自律性をそなえた大人であるという前提のもとに、学生たちと接します。もし四年制大学に単位を認められなかったとしても、それは大学に問題があったのではなく、学生の自己責任だと考えます。
したがってコミュニティ・カレッジでは、自分のほうからアカデミック・アドバイザーに働きかける行動力が欠かせません。アカデミック・アドバイザーの先生も、求められればサポートしてくれますが、そうでなければ自分のほうから学生のほうに手を差し伸べるというようなことはしてくれません。自分が何を求めているのか、どんなことに困っているのか、何に対してアドバイスや手助けを必要としているのか、自分から知らせる努力をすることが欠かせません。
留学して最初の学期の履修登録にあたっては、自らアカデミック・アドバイザーの先生とアポイントをとって、コミュニティ・カレッジ卒業後は四年制大学に編入したいので、できるだけ単位を認められる科目を履修したい、そのためのアドバイスがほしいということをきちんと伝えましょう。そして自分自身が納得できるまで、必要であれば何度でもアカデミック・アドバイザーの先生に相談すること。そのためにアカデミック・アドバイザーは存在しているのですから、遠慮することはありません。
また四年制大学への出願にあたっては二人の先生からの推薦状も必要になりますので、授業には欠かさず出席して、授業以外の時間にも先生のオフィスを訪れて質問するなどして、やる気があることを精一杯アピールしましょう。アメリカの大学の先生は「オフィスアワー」といって、アポなしでも学生の対応を受け付ける時間を設けていますので、そうした時間を利用して、先生との信頼関係を築く努力を重ねていけば、いざ推薦状を依頼する際にも、こころよく対応してくれるはずです。
クラスメイトの中には、四年制大学への編入を考えていない人もいるはずです。よい成績を修める必要はなく、ただパスさえすればいいと思っている人もいるでしょう。そういう人たちのペースに呑まれないための強い意志も、コミュニティ・カレッジでは求められます。
コミュニティ・カレッジの学習サポートを利用しよう
コミュニティ・カレッジによっては、チューター(Tutor)という制度を整えています。チューターとは補習指導をしてくれる学生のことです。教科ごとに、その科目を過去にとったことがある優秀な上級生がチューターとして個人指導してくれます。チューターを利用するのにお金はかかりませんから、留学生は大いに利用したいものです。チューターは学ぶ立場に立ってアドバイスしてくれます。
またコミュニティ・カレッジによっては、勉強のしかたをサポートしたり、レポート作成のアドバイスをしたりといったサポート態勢を整えています。とくに留学生にはなじみの薄いレポートの書きかたを指導してくれるサポートは、できるだけ活用するといいでしょう。こうした指導・アドバイスをしてくれる人の多くは、Englishを専攻している大学生です。レポートの構成から文法、表現のチェックをしてくれます。
こうした学習サポートは留学生だけでなく、アメリカの学生も積極的に利用しています。アメリカの大学は助けを求めれば、それに答えてくれるシステムを備えていますので、GPAの重要性を忘れずに、これらのサポートを活用して学業生活を乗り切りましょう。
留学生としてのアドバンテージ
コミュニティ・カレッジから四年制大学に編入している学生は、全米平均では4人に一人しかいません。これを別の面からとらえれば、コミュニティ・カレッジから四年制大学に編入しようという人は、学習意欲がかなり高い人だということになります。
まして20歳前後の日本人留学生というのは、「典型的な」コミュニティ・カレッジの学生とは異なります。それだけ目立つ存在になるはずです。「目立つ」ことは、四年制大学のアドミッションズ・オフィスに強い印象を与えることになりますので、出願する際のアドバンテージとなり得ます。
さらにコミュニティ・カレッジでよい成績を修めることは、アメリカの大学レベルの科目に対して実力があることを示します。
このように編入生であること、さらに留学生であることは、それ自体がアドバンテージになるのです。アメリカの大学はさまざまな個性をもつ学生を集めたいと思っていますから、「20歳くらいでコミュニティ・カレッジから編入してこようという日本人留学生」というだけで、「ちょっとユニークだな?」と興味を抱くはずです。
課外活動に参加しよう
アメリカの四年制大学が合否を決める際に最重視するのは、学業成績です。コミュニティ・カレッジから四年制大学に編入するにあたっても、コミュニティ・カレッジの成績が合否の決め手になります。
一方で、成績以外の要素も合否に影響します。とくに名門大学や私立大学では、課外活動の成果も重視します。
コミュニティ・カレッジは働きながら通っている学生が多いので、課外活動はあまり活発ではありませんが、学生の平均年齢が低く、寮を備えているような大学では、それなりにスポーツチームや学生サークルの活動が盛んです。
もしチャンスがあるならば、できるだけ課外活動にも参加するといいでしょう。とくにボランティア活動は、アメリカでは非常に盛んですし、大学のアドミッションズ・オフィスもその実績を評価します。とはいえ学業優先が原則です。
また二年制大学で優秀な成績(GPA3.5以上)を修めている学生のみが加盟できるPhi Theta Kappa(ファイ・セータ・カッパ)という全米的な組織もあります。留学生にはあまり知られていませんが、この組織に加盟していることはすなわち成績が優秀であることを示すことになりますし、加盟学生間の情報交換や人脈づくりなどのメリットもあります。興味がある人は、チェックしてみるといいでしょう。
サマースクールに参加しよう
アメリカでは、夏休みの期間にあたる6月から8月にかけて科目を開講している大学がたくさんあります。この夏休みの科目のことを「サマースクール」といいます。州立、私立を問わず、また自分が在学している大学に限らず、どこでも好きな大学を選んでサマースクールを受講することができます。
サマースクールは、いわゆる補習授業ではありません。秋・春学期と同様の内容の科目を夏休みの短期に集中して受講するものです。秋または春学期に15~16週間かけて学ぶ内容を、6~8週間くらいに凝縮したものですから、中間テストまでの期間も短く、宿題やレポート提出に追われる日々で、あっという間に期末テストを迎えます。
サマースクールの魅力は、高卒以上の学歴をもっていれば、どの大学のサマースクールでも受講できるという点にあります。本来ならば入学がむずかしい憧れの大学、編入先として考えている大学、普段生活しているところとまったく異なる環境の大学など、いつもと違った大学体験ができます。サマースクール受講期間中は寮生活もできますし、その大学の施設を利用することもできます。もちろん自分が在学している大学のサマースクールをとってもかまいません。単位取得のペースが遅れている場合などは、サマースクールが挽回のチャンスです。
どこの大学のサマースクールでも、きちんと修了すれば、自分の大学の卒業単位として認めてもらえます。サマースクールを受講する大学のRegistrar’s Officeで、在学している大学に宛てて成績表を送ってもらう手続をすることで、サマースクールが修了して1か月以内には、在学校の単位として認められます。ただし単位の認否については大学によって条件が異なりますので、事前の確認はしておきましょう。
出願のタイミングと合否
アメリカの多くの四年制大学では、9月入学の場合、編入生の出願期限をだいたい3月頃としています。この期限に向けて、志望校を絞り込み、出願書類をそろえることになります。これらの作業にかかる時間を考えると、コミュニティ・カレッジに留学して最初の1年を終えた夏休みくらいに、本格的な編入準備をスタートするのがよいでしょう。
編入先の大学は、チャレンジ校、実力相応校、すべり止めの三つのレベルに分けて選びます。出願の段階で1校に絞り込む必要はありません。むしろ単願の場合は、不合格になってしまうと行き場がなくなってしまいますので、すべり止めも含めて3~5校くらいには出願するつもりで準備するのが賢明です。
コミュニティ・カレッジによっては、四年制大学への編入にあたって進路指導をしてくれるガイダンス・カウンセラーの先生が常駐しています。このカウンセラーの先生やアカデミック・アドバイザーの先生にこまめに相談しながら、しっかり時間をかけて出願に臨みます。合否は4~5月に出ます。コミュニティ・カレッジを卒業するまでには、進学先の四年制大学が決まっているでしょう。
コミュニティ・カレッジを5月下旬に卒業して、その年の9月から四年制大学での生活をスタートさせることになります。すでにコミュニティ・カレッジでの2年間の留学生活を乗り切ったわけですから、四年制大学の生活にはすんなり溶け込めるはずです。英語のハンデもそれほど感じなくなっているでしょう。