大学選びのポイント
ポイント1:大学の種類
総合大学かリベラルアーツ・カレッジか、または芸術大学か
高校を卒業したばかりの日本人留学生に適しているのはリベラルアーツ・カレッジでしょう。英語が得意で、しっかり自分を律することができるのであれば総合大学をめざしてもいいでしょう。小さい頃からアートや音楽にくびったけという人は芸術大学を視野に入れてもいいでしょう。
共学か別学か
アメリカには約60校の女子大があり、アイビーリーグ校に対して、かつて「セブンシスターズ」と呼ばれたWellesley College, Smith College, Bryn Mawr College, Mount Holyoke College, Barnard Collegeなどの名門女子大をはじめ、その全てがリベラルアーツ・カレッジです。女子大では学生のきずなが強く、お互い助け合い、刺激し合う環境がつくられています。特にリーダーシップを育むことに力を入れているのが女子大の特徴です。男子だけの大学は士官学校など特殊な大学が多いので、あえて志望校の選択として考えなくてもよいでしょう。
私立か州立か
リベラルアーツ・カレッジのほとんどが私立大学ですし、アメリカの大学の歴史は私立大学からスタートしましたので、「良質の大学は私立に多い」というのがアメリカでは常識です。州立大学は基本的に州の税金で運営されていますから「州民を優先的に入学させなければならない」「学生の○%を州民が占めなければならない」と法律で決められています。また、州立大学の方が概して規模が大きく、「数の原理」に従う、つまり学生を「十把ひとからげ」に扱うので、私立大学に比べると、一人ひとりの学生に対するサポートや融通性に欠けます。私立の方が、よりケースバイケースの対応をしてくれますし、教授も個々の学生のパーソナリティ、弱み・強みをわかろうとしてくれます。州立大学のメリットは学費が安いことです。アメリカの高校生が州立大学を選ぶ最大の理由もこの点にほかなりません。しかし、州民と州外出身者とでは学費が大きくことなります。州外出身者は州民の何倍もの学費を支払わなければなりません。それでも私立大学に比べるといくらか安価です。
ポイント2:大学の規模
大学の規模とは通常、在学生数のことをいいます。アメリカには在学生が1,000人に満たない大学から3万人超の学生をかかえるマンモス大学まであります。学生数が1万人を超えれば大規模大学、反対に3,000人に満たなければ小規模大学、その中間は中規模大学、と区別できます。
以下に大規模大学と小規模大学の、主な特徴を挙げておきます。
大規模大学の特徴
- 専攻学科や科目の種類と数が多い
- 図書館やスポーツ施設が充実している
- 学生の社会的、文化的バックグラウンドが多様である(特に私立の場合)
- 参加できる社会活動や課外活動が豊富
- スポーツに力を入れていて、全米レベルの選手権も行われる
- 1クラスの学生数が多い
- 一般教養科目は教授ではなくTA(大学院生の助手)が教えることがある
- 教授と接する機会が少ない
- 個人指導が期待できない
- 大学院生の教育に重点が置かれている
- 課外活動でリーダーシップをとれる機会が少ない
- 親しい友達ができにくい
小規模大学の特徴
- 1クラスの学生数が少ない(50人以上のクラスはめったにない)
- 一般教養科目でも教授が熱心に教えてくれる
- 教授やアドバイザーと親しくなれる
- TAではなく教授が教鞭をとってくれる
- 個々の学生が自分の能力やペースにあわせて学習できる
- お仕着せの課題よりも、独自なリサーチや論文作りが奨められる
- 討論する力、書く力、理論的なものの考え方が身につく
- 課外活動で活躍できる機会が多く、スポーツチームでもレギュラーになりやすい
- キャンパスの雰囲気がフレンドリーで友達もつくりやすい
- 管理体制や学生サービスに柔軟性がある
- 専攻学科・科目の数や種類、教授の数が少ない
- 設備が大規模大に比べて劣る
- スポーツにあまり力を入れていない
ポイント3:地域
アメリカは国土が日本の25倍もあり、東部と西部、北部と南部では気候はもちろんのこと、歴史的成り立ちも違えば、そこに住む人の気質にも差異があります。一般的に東部から北東部にかけては教育レベルが高く、とくにニューイングランド地方(メーン州、ニューハンプシャー州、バーモント州、マサチューセッツ州、ロードアイランド州、コネチカット州)には伝統ある名門大学が集まっています。この地方には日本のように四季の移り変わりがあります。地域的な希望が特になければ、まずはニューイングランド地方とその周辺の州にある大学を見ていくと良いでしょう。南部や西部では新興の州立大学とコミュニティ・カレッジが発達しています。こちらの地域にはマイノリティ(白人以外)が多く住み、ヒスパニック系やアジア系の移民などが多く暮らしています。あまりに人種に偏りのある地域では、周りには移民の人が多くて、耳に入るのは、そうした人たちの言語で授業以外では一言も英語をしゃべらず、友達ができないこともあり得るのでその点は注意が必要です。また、スポーツをする人は、ウインタースポーツをしたければ北東部・東部・北部の大学、マリンスポーツに打ち込みたければ西海岸やフロリダ州と、目当てのスポーツによって地域を選択してください。
ポイント4:立地
都会か田舎か、という点では一概にどちらがいいとは言えませんが、留学生には田舎の方が向いています。アメリカの国土のほとんどは田舎ですし、リベラルアーツ・カレッジのほとんどは都会の喧騒から離れた田舎にあり、落ち着いて勉強に専心するにはもってこいの環境です。また、田舎ではアウトドア・アクティビティに事欠かず、澄んだ空気と青々とした緑は、勉強のストレスを和らげてくれます。アメリカの大学生活を満喫できるのは、都会より田舎の大学のほうです。
芸術系を専攻する人にとっては、大都会の美術館やシアター、コンサートホールは大きな魅力です。都会で遊び三昧になる心配もありますが、都心へのアクセスに便利な郊外に大学を探してもいいでしょう。また、1、2年を田舎の大学で過ごし、3年目から都会の大学に編入するというのも田舎と都会の両方を経験できておもしろいかもしれません。
ポイント5:カリキュラム
志望校選びにあたって十分に考慮しなければならないのが、大学のカリキュラムです。舞台的(具体的、の間違いでは)には、
- 卒業までに履修になければならない単位数
- 一般教養課程の必須科目
- 学期制(セメスター/トライメスタ/クォーター)
を調べます。また、専攻を決めている場合は、
- その専攻学科があるかどうか
- 専攻学科の必須科目と選択科目
- 専攻学科の教授の数とプロフィール
にも目を配ります。
ポイント6:難易度
アメリカの大学の入学難易度というのは、日本のように偏差値がないだけに、なかなか測りづらいものですが、以下の要素を参考にすることができます。
- 入学生のSAT∗テスト(ACT)スコア平均
- Barron'sやPeterson's(?)の入学難易度評価
- 入学生の高校での成績(GPA)平均
- TOEFL®テスト要求点数
- 合格率
しかし、アメリカの大学はある1つの要素だけで合否を決めません。難易度については、実際に出願するまではそれほど気にせず、あなたの「行きたい!」という気持ちを優先させて大学を選びましょう。
ポイント7:費用
アメリカの大学の1年度の授業料・寮費・食費は私立大学で約25,000から48,000ドル、州立大学で18,000から38,000ドルです。学費の上限を決めてそれを上回る学費の大学は対象からはずすという考え方もありますが、どうしても行きたい大学には学費にかかわらず出願したほうがいいでしょう。合格校がそろった時点で、行くか行かないかを決めても遅くはありません。留学生に与えられる奨学金は決して多くはありませんが、それでも高校で優秀な成績を修めた留学生には奨学金を授与する大学も増えてきました。入学して1年目に好成績を修めたら、2年目から奨学金を出すという大学もあります。
ポイント8:在校生のプロフィール
在学生のプロフィールとは、
- 男女比
- 人種構成
- 留学生の割合
- 州外からの学生の割合
- フルタイム学生の割合
などです。
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